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「私はこれでモテました」元櫻坂46・菅井友香が考案したキャッチコピーを敏腕コピーライターが絶賛<最強の時間割> | ニコニコニュース

民放公式テレビ配信サービスTVer初の完全オリジナル番組「最強の時間割〜若者に本気で伝えたい授業〜」が無料配信中だ。4月28日日(金)に配信開始となったLesson20では、「こくご、さんすう、りか、せかい。」で2009年の毎日広告デザイン賞 最高賞を受賞したコピーライターの坂本和加が登場。元櫻坂46キャプテン菅井友香が考えたマッチ売りの少女マッチを売るためのコピーを絶賛した。

【写真】コピーライティングの才能を発揮する元櫻坂46キャプテン・菅井友香

JR東日本「行くぜ、東北。」が生まれた経緯

「最強の時間割 ~若者に本気で伝えたい授業~」は、さまざまなジャンルトップランナーが特別授業を実施し、ラランドサーヤとニシダ、そして学生ゲストらが参加。トップランナーたちの授業がアーカイブされることで、TVerに「最強の時間割」が完成するというコンセプトの番組だ。

Lesson20では、元広告代理店勤務のサーヤが「選ばれし人だけが成功してる」と語るコピーライターの坂本和加が講師として登場した。坂本は大学卒業後、貿易商社に就職。2年間勤めたのち、たまたまハローワークで募集があったコピーライターに転身した。カルピスの「カラダにピース。」やイオン・WOANカードの「うれしい声がする」など、誰もが聞いたことのあるコピーも坂本が手がけたものだ。現在は広告制作会社から独立し、10年以上にわたって小学校などで言葉の授業を行なっている。

坂本はまず、JR東日本の「行くぜ、東北。」を例にコピーを生み出すまでの過程を解説。始まりは2010年、翌年からJR新青森駅が開業するにあたって広告の制作チームが結成され、坂本もコピーライターとして参加した。しかし、プロジェクトを進めている最中に東日本大震災が発生。そのため、東北新幹線の旅行を促し、復興支援となるようなコピーに方向転換したという。

「言葉をつくるときは真ん中の言葉を探す」と語る坂本。彼女が言う真ん中の両端にあるのは、“クライアントの要望”と“消費者の要望”だ。「行くぜ、東北。」の場合は、「新幹線に乗ってほしい」と言うクライアントの要望と、「そろそろ旅行に行きたい」という消費者の要望の真ん中を探し続けた結果、生まれたコピー。「東北へ行こう」ではなく、敢えて“応援”の意味をもたせた「行くぜ、東北。」という強さのある言葉を選んだ。

坂本曰く、広告の言葉には“残る言葉”か、“残らない言葉”の2つしかないという。ある日、ポルシェを買ったベテランコピーライターに感想を聞いた際、返ってきた言葉というのが「うん、早いよ」の一言だけ。シンプルだが、坂本はスポーツカーであるポルシェの本質を突いた一言に感じたそうだ。大事なのは、最も言うべきことを一言で尚且つ残る言葉で伝えること。だから、坂本は良い言葉が生まれた時にメモするネタ帳は持ち歩いていない。書かなければ忘れるような言葉は、人の記憶にも残らないと考えているからだ。

そんな坂本の情報源は普通の生活。ごく一般的な生活を送り、世の中の空気を近くで感じることこそが、多くの人の共感を得られる言葉が生まれるきっかけになるという。

■伝わるコピーの特徴は、“ワンフレーズワンワード

次に坂本が小学校での言葉の授業でも行なっている「自己紹介キャッチコピーづくり」に挑戦。相手に伝えたいことを端的に伝える訓練になるのはもちろん、自分の良さを言語化することで自己肯定感も上がるそう。

まずは元櫻坂46キャプテンである菅井がアイドル時代に使っていたキャッチコピーを披露。馬好きなこともアピールできる「やな事あってもまぁ、ゆっかー!100万馬力でがん馬力」という可愛らしく、頭に残るフレーズに坂本も思わず顔が緩む。

なお、坂本が授業でいつも教えているのは自己紹介キャッチコピーを作るまでの3ステップ。まずは自分の思う良いところと、他人に言われた良いところをできる限りたくさんピックアップする。しかし、その中から最終的にコピーに反映できるのは1つだけ。なぜなら、「サッカーもできて、勉強もできて、女の子にもモテて……」と欲張って良いところを複数挙げても、結局何が言いたいのかわからなくなってしまうからだ。

心がけるべきは、“ワンフレーズワンワード”。最もアピールしたい自分の良いところを選んだら、次に考えるのは「そのキャッチコピーで相手にどんな印象を持ってもらいたいか」だ。ただノープランで考えるのではなく、ゴールイメージすることが大事だという。例えば、坂本は自分の「色んなことを面白がれる」という美点をアピールしたい。且つ、“和歌”と勘違いされやすい名前の“和加”という漢字を知ってもらえるようなキャッチコピーにしたいと考えた。その結果、生まれたキャッチコピーが「口がふたつついてるのでおしゃべりです。坂本和加」というもの。“和加”という漢字に口がふたつある点に着目した秀作だ。

今回は生徒を代表し、サーヤと菅井が自分のキャッチコピーを考える。菅井は人から言われる優しいところをアピールし、親しみやすいと思ってもらえるような「今日から友達!菅井友香です(友達の友と、友香の友がかかっている」というコピーを生み出した。坂本からは「シンプルだけど菅井さんの良いところが伝わってくる」という講評が。

一方、芸人としての面白いところ、また映画『ラ・ラ・ランド』からコンビ名を取ったわけではないことを知ってもらいたいサーヤキャッチコピーは「悲劇じゃなくて喜劇のほうです。ラランドサーヤです」。どちらもワンフレーズで思いの丈を伝えることができた。

■信用されるために根拠のない自信を持つ

今度は全員で広告の課題に挑戦。テーマは「マッチ売りの少女を助ける宣伝文句」だ。マッチを買ってもらえず、悲劇の物語に終わったマッチ売りの少女。でも、もし少女にコピーライティングの才能があったら違う結果になったかもしれない。では、どんな宣伝文句でマッチを売れば、街ゆく人の足を止めることはできたのだろう。

ここでも菅井が隠れたコピーライティングの才能を発揮。どこかでモテたい願望を持っている人間の本質から、「私はこれでモテました」という宣伝文句を思いついた。印象を操作する優れたこのフレーズを受け、坂本も「菅井さんは優秀な広告マンかもしれない」と絶賛した。他にも「ライターは凡人」「寒さと暮らしにマッチする!」など、次々と秀作が生まれる中、坂本の心を掴んだのはTilTokerの審良ふたばが考えた「温まるまでマッチきれねぇ。時はすぐマッチ!」というコピー。その新しさに衝撃を受けたという。

最後に坂本はアイデアが行き詰まった時の対処法について問われ、「そもそもスランプなんてものがあるとは思っていない」「できない仕事は来ないと信じる」と答える。それはかっこいい大人とは、ブレない大人であると考えているから。「日和見な人って信じられなくないですか?」とサーヤたちに問いかける坂本。自信=思い込み力とした上で、「違ってたらその時にどうして違ってるんだろう?って立ち止まって考えればいい」と坂本は語った。

■文/苫とり子

「最強の時間割 ~若者に本気で伝えたい授業~」にコピーライターの坂本和加が登場/(C)TVer

(出典 news.nicovideo.jp)

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