「20年以上続けないと意味がない」インデックス投資だが…ほったらかしで儲かる金額は?【新NISA満額でシミュレーション】 | ニコニコニュース
超低金利・物価上昇のおり、お金を効率よく増やす方法を知ることは必須といえます。ではどうすればいいのか。資産ゼロから「節約」と「投資」で5年で1,000万円の資産形成に成功したYouTuber・FP「ミニマリストゆみにゃん」氏は、「NISA」を活用した「ほったらかし投資」がおすすめだといいます。ゆみにゃん氏の著書『オートで月5万円貯まる魔法の節約術』(KADOKAWA)から一部抜粋してお伝えします。
誰でもできる! ズボラな人には「ほったらかし投資」
節約が進むとお金が貯まってきますよね。そうすると、どう思いますか? 「このお金、増やせないかなぁ」と考えるようになりますよね?
また老後は2,000万円必要と言われていますが、さすがに2,000万円は大金なので効率よく増やしたいところです。政府はその手段として「つみたてNISA」や「iDeCo」を推奨しています。
名前だけは聞いたことがあるのではないでしょうか? これらは、ズボラな人にもできる「ほったらかし投資」を応援する制度です。ここからは節約を頑張った後に、そのお金を増やす方法について話していきます!
「つみたてNISA」とは、2018年1月からスタートした非課税制度です。よく勘違いされますが、商品のことではありません。「年間40万円まで投資できる非課税の証券口座の枠」というイメージです。なお、詳しくは後述しますが、2024年1月以降は制度が大きく変わり、拡充されてより使いやすくなります。
特徴として、つみたてNISAの枠内で買える商品は、手数料が低水準で長期・積立・分散投資に適したものが国の基準で厳選されています。
「つみたてNISA」、および新NISAの「つみたて投資枠」の特徴として、その枠内で買える商品は、手数料が低水準で「長期・積立・分散投資」に適したものが国の基準で厳選されています。そのため、リスクが高い商品を購入する恐れが少ないので、投資初心者にお勧めです。
「iDeCo(個人型確定拠出年金)」、「企業型DC(企業型確定拠出年金)」も税制優遇制度ですが、年金型なので受け取れるのが60歳以降と縛りがきついです。しかし、その代わりに節税額が大きく、会社員が使える節税対策として人気があります。月々の掛け金は全額所得控除されて課税所得が減るので、特に高収入の人にとっては毎年の節税効果も十分です。
たとえば、年収650万円(所得税率20%・住民税10%)の会社員が、毎月2万3,000円の掛け金を拠出する場合、年間8万2,800円の節税効果があります。20年間積み立てを続けた場合、累計165.6万円も節税効果があるのです!
また、2024年度からNISA制度の改革が行われ、「つみたてNISA」は「つみたて投資枠」へとバージョンアップします。これまでよりも投資できる総額が上がり(最大1,800万円)、期間も恒久化されてよりお得になります。
元々の制度では、「つみたてNISA」は非課税投資枠が年間40万円で非課税期間20年間、「一般NISA」が非課税投資枠が年間120万円で非課税期間5年間でした。しかも、同一の年度ではどちらかの枠しか選べなかったので、最大投資可能額は「つみたてNISA」で800万円、「一般NISA」で600万円でした。これでは「つみたてNISA」の満額を年利5%で20年運用しても、元本792万円+運用益約564万円=合計約1,356万円と、夫婦の老後資金には不足していました。
しかし、2024年からの新NISA制度の「つみたて投資枠」では、年間90万円を年利5%で20年運用した場合、元本1,800万円+運用益約1,283万円=合計約3,082万円となり、かなりの余裕が生まれます。
この数字を見れば、NISAで老後2,000万円問題は解決するのがわかりますね!
NISAやiDeCoなら「これ」を買え!
NISA(つみたて投資枠)やiDeCoで購入できるのは、「投資信託」という株のパッケージ商品になります。その中でも、米国や全世界の企業をパッケージにしたものが人気です。
日本人であっても、経済成長が見込めない自国ではなく、世界経済の中心である米国を主軸とした商品に投資する方が賢明だと考える人が多いためです。
投資信託はパッケージングの基準になる指数(インデックス)が存在し、それによって商品が決まってくるので、代表的な指数を紹介します。
米国の指数S&P500は、米国の約500銘柄を指数化したもので一番人気があります。全米の指数「CRSP USトータルマーケットインデックス」は、米国の中小型株も含めた約4,000銘柄を指数化したもので、アメリカの成長により期待している人に人気です。
全世界の指標「MSCI」「ACWI」は、米国以外の先進国や新興国の成長も期待する人向け。
指数に連動した投資信託(インデックスファンド)を選ぶ際は、その中で信託報酬という手数料が安いものにすれば余計なお金を払わずに済みます。
信託報酬とは、投資信託を管理・運営してもらうための経費として、投資信託を保有している期間中はずっと発生する費用のこと。信託財産の中から「純資産総額の年率0.1〜2.0%」といった形で毎日差し引かれるので、信託報酬が高いと、その分利益が目減りすることになります。
信託報酬が安いインデックスファンドの一覧と購入できる証券会社は[図表1]の通りです。全米を買う人にはSBI証券、楽天市場を使う人には楽天証券がお勧めです。
資産が半分に! インデックス投資の罠
ここまでの話でつみたてNISAやiDeCoを活用してお金を増やすぞ! という気持ちになったかと思いますが、投資には注意すべきこともあります。
私が推奨するのは、市場の値動きに連動したインデックスファンドを、つみたてNISAやiDeCoを活用しながら、毎月少額ずつでも最低20年は積み立てを続ける投資方法です。これを「インデックス投資」といいます。
そもそもなぜお金が増えるのかというと、米国や全世界が長期的には経済成長を続けているため株価が上がるのと、「複利」効果が効くという理由があります。
「複利」の恩恵が「長期投資」でしか受けられないワケ
「複利」はアインシュタインが「人類最大の発明」と言ったとされていることでも有名です。複利とは、利息が元本と合算されて、そこにさらに利息がついていく、利息に利息がつく仕組みのこと。反対に、元本にしか利息がつかないのが「単利」です。
この複利は最初のうちは単利とそこまで差は出ませんが、20年目以降に差が大きくなります。
また、経済成長も今日明日では変化がなく数十年を要します。なので、投資は20年以上続けないと、その恩恵を受けられない、と考えた方が安全です。
逆に、投資は短期では大きく価格が変動しがち。リスクの高い商品なら価値がゼロになることもありますし、自分のお金以上に取引をする信用取引をしていればマイナスになることもあります。そして、比較的リスクが低いインデックス投資でも最悪半分になってしまうことも! 実際の経済は景気動向や各企業の業績などに左右されるので一定には上がらないからです。
このように、投資は常にジグザグを繰り返しながら、長い目で見れば成長して上がっていきます。なので、短期のジグザグ部分では投資額より減ることがあるのです!
[図表2]の通り、過去の株式の値動きでは、投資を開始して5年間は下がる場合も多く、最悪半分になってしまうこともあります。しかし、これまでの推移をみると、どんなに高い時に買っても15年経てばプラスに転換し、20年以上で平均年利5%程度になっています。
インデックス投資は20年以上続けないと意味がないのです。ここを知らずに、短期で増えると勘違いし、2、3年で「失敗した!」と騒いで投資をやめてしまう人が多いので気をつけましょう。