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事務所解散も、21歳で9LDKの大豪邸を購入…天才演歌歌手“さくらまや”が語る、デビューから15年の現在地

 2008年、“史上最年少の演歌歌手”として10歳でデビューシングル「大漁まつり」を放った、さくらまや(24)。

2020年に庭付き9LDKの大豪邸を購入した理由、住居購入と重なった事務所からの独立、大学院に進んで法律を学ぼうと考えていたことなどを、茨城県取手市にある自宅で話を聞いた。(全2回の1回目/続きを読む)

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事務所の解散がきっかけで家を購入

ーー2020年に21歳で、庭付き9LDKの大豪邸を購入。家を持つことは、長年の夢だったのでしょうか。

さくらまや(以下、さくら) ちょうどその頃、デビューからお世話になっていた事務所が解散することになったんですよ。いろいろな方を抱えていて、ちょっと回せない状態になっての解散で。

小学生デビューして、北海道から東京に移ってきたんですけど、上京時に事務所が浅草にマンションを借りてくれて、その部屋にずっと住んでいたんです。でも、2020年事務所が解散することになったので出ていかなきゃいけなくなったんですね。ただ、その1年前くらいから家を買おうと考えていたので、タイミング的には良かったというか。

ーー事務所が解散する1年前から家を探していた理由は何でしょうか。

さくら 事務所がマンションを借りてくれていたけど、だからこそ「なにかあったときに困るよな」と前から思っていたんです。そもそもワンちゃんが7匹いたので、広いところに越さなきゃというのもありましたし。

あと、テレビ番組に触発されたところもあって。過疎化した村を活性化させるために、山奥の戸建てに無料で住まわせてもらっている方を紹介していたんですよ。それを見て「こういうのっていいな」と、探すようになって。

で、家族の意見をいろいろすり合わせていったら、この家になったという。

新築ではなく中古物件を購入した理由

ーー土地探しからはじめたのですか。

さくら 新築を建てたんじゃないんです。中古物件を買ったんですよ。7歳上の姉がいるんですけど、姉に「家を買おうと思っているんだよね」と話したら「中古の戸建てを買ってリフォームしていったほうが、絶対に楽しいよ」と言われて。

で、2020年の6月末ですかね。この家を買いました。まず壁紙をすべて変えて、すこし経って照明とバスルームを変えたりしてと、ちょっとずつリフォームしています。家族が年を取ったときのためにオール電化にしていこうかなとか、いろんなことを考えてワクワクしていますし、今後の目標にもなっていますね。

ーー9LDKで庭もガレージもありますが、そうなると購入金額って相当ですよね。

さくら さすがにいくらだったか内緒ですけど、私にとっては一世一代の買い物でしたよ。

ーーローンの審査はすんなりと? 芸能人の方は通りにくいと聞きますが。

物件購入のローン審査は?

さくら たしかに、すんなりとはいかなかったです。この職業って、ほんとに難しいんですよ。さまざまなところで審査してもらって大変でしたね。そういうなかで私の担当になってくれたローン会社の方が、間に立って一生懸命にやってくださって。その方のおかげで買えましたね。人に恵まれたからこそ、買えた感じですね。

ーーローンが通ってしまえば、あとはがんばるだけといいますか。

さくら よかったです。ホッとしています。私は家さえあれば生きていけるという考えの持ち主なので、あとはなんとかしてただただ頑張って生きていこうと思っています。

住居って、一番重要だなって。地に足を着けて生きていくのには、借りるなり、買うなり、どっちでもいいんですけれども自分のベースとなる家が必要なんだなって。

さっきも話しましたけど、事務所に借りてもらえるのはありがたいことなんですけど、やっぱり漠然とした不安があるものなので。そうした不安を拭うためにも、自分の家を持ててよかったなって。

独立と家の購入が重なってバッタバタ

ーー事務所の解散ですが、なにかしら混乱みたいなものは生じなかったのですか。

さくら 事務所から解散を告げられたときって、ちょうど就職しようかなとも考えていたんです。これは事務所が解散するからというわけではなく、「歌手以外のこともやってみたいな」という思いがあって。

でも、10歳の頃からいろんな方にお世話になりながら、“さくらまや”としてやってきたんですよね。解散を告げられた帰り道に、ひとりで1時間ほど考えたんです。事務所の方たちは私のことをちゃんと歌手として育ててくれて、出番前に楽屋でトランプをやってくれたりとか。

そういう思い出もいっぱい蘇ってきたし、「やめるなんてもったいない」とおっしゃってくれる方たちもいて、「“さくらまや”をなくさないようにしたいな」「もうちょっとやってみようか」と思って。

後日、改めて事務所を訪ねて「そういう気持ちがあるんですけど」と話をしたら、快諾してくれました。

ーー独立と家の購入が重なって、なかなかハードだったのでは。

さくら 事務所との契約を解除しつつ、そのまま“さくらまや”としてやっていく許可もいただいて。その交渉をしながら、弁護士さんとも話し合ったりもしました。そのタイミング事務所が借りてくれていたマンションも出なきゃいけなくなったんですよ。

なので、事務所を設立するのも家を買うのもバッタバタでやりましたね。運転免許がないうえにパスポートも切れていたので、身分証がなかったんです。いろんな手続きに身分証が必要になるんで、あわててパスポートを取りにいったりとか。

資本金11万円で新しい会社をスタート

ーー大変だったものの“新たなスタート”といった感じで意気揚々としていたところがあったのでしょうか。

さくら いやぁ、うまくやっていける自信はあまりなかったです。とりあえず、自分の会社だけは設立しておこうと、祖父や姉の家族などを役員にしたんですけど、「私達が役員の会社なんて恥ずかしいよ」って言われちゃって(笑)。資本金に関しても「やめるかもしれない会社に、そんなにお金出したくないな」って声もあがったので、11万円ではじめました。

歌手の仕事って、自分の歌と衣装があればなんとかなるので「いけるかな」と。それでやってみたら、すこしずつお仕事をいただけるようになったんですよね。そのあと、2020年の9月に「独立しました」と正式にアナウンスしたら結構な反響があって、いまにいたります。

でも、いまとなっては法人にしなくてもよかったなと思うことも多々あって。法人から個人事業主に変えたりして、自分に最適な形を探している最中ですね。

大学院への進学を断念

ーーどうして茨城県取手市の物件を選んだのでしょう。北海道出身のさくらさんにとっては、縁もゆかりもなさそうな場所だなと思いまして。

さくら 大学ですね。私、日本大学法学部政治経済学科に通っていたんですよ。大学を決めるときに「とにかく家から近い場所にある大学の法学部にしよう」って選んだら、神田の日大になったんです。日大の神田三崎町キャンパスって、浅草のマンションから30分もかからなかったんですよ。

だから今回の家探しも通学に時間がかからないのが絶対条件で。取手は、つくばエクスプレスを使えば、40分ほどで秋葉原に出られて、そこから総武線で最寄り駅の水道橋まで行けばいいですし。車でも常磐自動車道を通れば、やっぱり1時間くらい、空いてれば30分か40分で東京に着いちゃうんで。そういうわけで、つくばエクスプレスが使えるライン上にあって、なおかつワンちゃん8匹と一緒に暮らせる広い家を探していたんです。

ーー大学へのアクセスも考えての取手だったと。

さくら そうですね。そのまま日本大学大学院法務研究科まで進むつもりだったんですけど、事務所の解散と独立が重なってしまって、大学院はあきらめてしまったんです。

営業や経理も自分でやらなきゃいけなくなったし、事務所からファンクラブも引き継がせてもらえたけど、その運営も私がしなければいけない。家を買って住まいを確保したものの、なんだかんだいってローンも心配だし。となると、さすがに大学院に行っている時間はないなって。

法律を勉強している理由

ーー法律を学ぶきっかけはなんだったのでしょうか?

さくら 高速道路で事故に遭ったことがあって。私が乗っていた車のお尻に、雨でスリップした車が突っ込んできたんです。けっこう車体がえぐれてしまって、座っていた場所が違っていたら大変なことになっていただろうなって。そのときに弁護士さんとお話しする中で「こういう事故に遭うと、どんな法律が動くんだろう」って思うようになったんです。

交通事故の過失割合で“10対0”とかあるじゃないですか。そういったことの知識がまったくなかったんですけど、「なんなんだろう」と自分で調べていくうちに興味を持っていった感じですね。

ーー法律が面白く思えたと。

さくら というよりも、「法律って、生きていくうえで意外と重要では?」とハッとしたんですよ。「知らないルールって、いっぱいあるんだな」って感じですかね。法律って一般常識ではないけど、知っていたほうが絶対に有利になるんですよ。

あと、法律の本って簡単に読めないので、スラスラと読めるようになりたいなと思ったのもきっかけのひとつですね。

ーー簡単に読めないのは、用語が専門的すぎるということでしょうか。

さくら というのもありますし、法律をどう解釈するのかが難しいんです。「こういった解釈が、どうやって派生していったのだろうか」とか。だからこそ、判例を読んだり、参考書を読んだりしないといけないんですけどね。

そういった勉強の仕方すらわからなかったので、「一回きちんと学ぶべきかな」って思って。

一瞬公務員を目指していた

ーー大学では、どういった法律を学んだのでしょう。

さくら 行政法と民法です。行政法はまったく知らない領域だったので、ちょっとかじってみようと学んでみたら「おっ、こんなことあるんだ。でも、難しいな」と、かえって燃えてきて。

民法は「ついていきたいな」と思える素敵な先生がいらっしゃって。まず、人として面白くて、民法にまつわる物事の本質をすごく楽しそうに話すんです。その先生のおかげで、めいっぱい勉強できましたね。

ーー事務所解散の頃に就職を考えていたとのことですが、実際に勤め先を探していたのですか。

さくら 一瞬ですけど、公務員を目指してみようかなと。それと勉強が好きなので、「どこか他の大学を受験してみようかな」とか「大学院に進もうかな」とかも考えました。

取手市PR大使を務め、町がどんどん好きに

ーー取手市に移って3年になりますが、住環境には満足ですか?

さくら ずっとマンション暮らしだったので、ここに移ってからはじめてご近所付き合いというものを体験して。お菓子を持ってご挨拶にうかがったら、お返しに育てているキンカンタケノコをいただいたんです。それがきっかけで、キンカンの甘露煮とか作るようになったり、ぬかでタケノコのアク抜きをするなんてことを知ったりして。そういったことをご近所さんに教わりながら、交流させてもらっているんですよ。

それと取手市PR大使も務めさせてもらっていて、先日もイベントに参加させてもらって。そこでまた、地元の方々と知り合う機会が増えてきて。この町がどんどん好きになっています。

ーー今後、大学院進学の可能性はあるのでしょうか。神田の日大に通いやすい環境に住んでいるのならば、ありえるのかなと。

さくら 昨年、林真理子さんが日大の理事長になられたのでご挨拶にうかがったんです。そのときに林さんから「もう一度、大学院を目指してみたら?」とアドバイスをいただいて。今後の選択肢のひとつにはなっていますね。

撮影=三宅史郎/文藝春秋

「小中高と、学費は自分で払ってました」北海道から浅草に転校、修学旅行先で騒がれた…さくらまや(24)が語る、天才演歌歌手になるまで へ続く

(平田 裕介)

さくらまやさん ©三宅史郎/文藝春秋

(出典 news.nicovideo.jp)

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