「扇風機」「サーキュレーター」、何が違う? 使用用途&節電効果は? アイリスオーヤマに聞く | ニコニコニュース
近年、家庭で「サーキュレーター」と呼ばれる家電が使われるようになりました。ただ、見た目が扇風機と似ていることから、SNS上では「扇風機と何が違うの?」「サーキュレーターって何に使うの?」といった声が上がっており、使い方がよく分からない人は多いようです。
そもそも、扇風機とサーキュレーターは、何が違うのでしょうか。サーキュレーターを使った場合、電気代を節約できる可能性はあるのでしょうか。サーキュレーターなどの生活家電の製造、販売を手掛ける、アイリスオーヤマ(仙台市)広報室の佐藤沙耶さんに聞きました。
エアコンとの併用で冷暖房効率を高める
Q.扇風機とサーキュレーターの違いについて、教えてください。
佐藤さん「扇風機とサーキュレーターは、以下のような違いがあります」
■扇風機
風を体に直接当てることで、体感温度を下げて涼むのを目的として使用されます。人に当てて使用するのを想定しているため、風が届く範囲が広く、風量は穏やかであるのが特長です。
■サーキュレーター
サーキュレーターは、日本語で「循環装置」を意味します。狭い範囲に強い風を直線的に送る力に優れており、部屋の空気を循環させやすくするのが特長です。
ファンは小さめでシンプルな機能の製品が多く、風を送る方向が左右のほか、真上にも変えられる点がポイントです。空気循環の役割を果たすため、換気として使用すると高い効果を発揮するほか、エアコンと併用すると、冷暖房効率を高めることができます。
Q.涼むためにサーキュレーターを扇風機代わりに使ってもよいのでしょうか。
佐藤さん「サーキュレーターは、あくまでも室内の空気を循環させることを目的として製造されており、体に当てて涼むのを目的としていないため、注意が必要です。強い風を出すため、扇風機代わりに使う際は、体に直接当てずに壁に当てて間接的に風を感じるように調整したり、風量を弱めに設定して使用したりするなど、体が冷え過ぎないようにするのを推奨します。
その点、直流電流で動く『DCモーター』を採用したタイプのサーキュレーターは、風量を細かく調整できるのでお勧めです」
Q.エアコンの風を循環させたい場合、サーキュレーターの代わりに扇風機を使っても問題ないのでしょうか。
佐藤さん「扇風機で代用しても問題ありません。ただ、サーキュレーターの方が扇風機よりも直進性の高い風が出せるため、空気を循環させるのに適しています」
Q.洗濯物を乾かすためにサーキュレーターを使う人がいるようです。この使い方に問題はないのでしょうか。また、乾燥機を使う場合に比べて、電気代を節約できる可能性はありますか。
佐藤さん「衣類乾燥のために使用しても問題ありません。サーキュレーターは空気を循環させるだけでなく、部屋干し対策にも効果的です。タイマー機能があるサーキュレーターであれば、『3~4時間』で電源が切れるように設定した後、洗濯物に直接、風を当てると水分を飛ばすことができ、自然乾燥よりも早く洗濯物を乾かすことができます。
当社が調査したところ、サーキュレーターで洗濯物を乾燥させた場合、電気代は浴室乾燥機を使う時の約半分で済むことが分かりました(※1~4)。このほか、衣類乾燥モードが搭載されたサーキュレーターや、サーキュレーター付きの衣類乾燥除湿機の使用もお勧めです」
Q.サーキュレーターを使用する際の注意点について、教えてください。
佐藤さん「取扱説明書に従い、安全面に注意してご使用ください。中でも、下記4点に注意していただきたいです」
・故障の原因となるため、製品に強い衝撃を与えないでください。
・製品劣化の原因となるため、直射日光にさらさないでください。
・体を冷やし過ぎないよう、長時間、風を直接浴びないでください。
・布やビニールなどで風が遮られた状態で使用しないでください。風の流れが遮られると、製品が過熱するため、火災の原因になります。
※1 電気式浴室乾燥機使用の場合:約51円(乾燥時間:約1時間35分、消費電力:1時間当たり約1.19キロワット)、サーキュレーター使用時:約28円(乾燥時間:約3時間、消費電力:1時間当たり約0.34キロワット)
※2 試験に用いた衣類の量:2キログラム相当
※3 広さ約1.2畳、気温約23度、湿度約65%で測定
※4 1キロワットアワー当たり27円で算出
オトナンサー編集部