店名が「ドン・キホーテ」なのに略称が「ドン」でも「キホーテ」でもなく「ドンキ」の理由 | ニコニコニュース
「驚安の殿堂」をキャッチコピーに、“ドンキ”の略称で親しまれているディスカウントストア「ドン・キホーテ」。ドンキの略称はいかにして浸透したのか。運営元PPIH(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)の広報に聞いた。
【画像を見る】ドンキの店内BGMのCD、「びっくりドンキー」の店舗、旧ドンキホーテホールディングスのロゴの詳細(全6枚)
●結論は「不明」 ドンキ浸透の背景に2つの説
店名は、スペインの文豪セルバンテスの名作『ドン・キホーテ』に由来する。同社は公式Webサイトで、主人公のドン・キホーテが行動的理想主義者で、既成の常識や権威に屈しない者として描かれていることから「『新しい流通業態を創造したい』という願いを込めている」と説明している。
では、なぜドンキになったのか。結論から言えば、理由や経緯は不明だ。だが、この「ドンキ」という略称には違和感がある。例えば、関東圏では「セブン」で浸透している「セブン-イレブン」を関西圏では「セブイレ」と呼ぶ例外が一部にはある。ただ「コカ・コーラ」が「コカコ」ではなく「コーラ」で浸透しているように、中黒を境とした略称が多いように感じていたからだ。
社内でさらに調査した結果、1つの説が挙がったという。それは店内BGMの影響だ。ドン・キホーテ店内では、「ドン ドン ドン ドンキー ドン・キホーテ」という中毒性ある歌詞が有名な『Miracle Shopping ~ドン・キホーテのテーマ~』がBGMとして流れている。
同社は「あくまで推測」と前置きした上で「歌詞が浸透したからではないか」と回答。「(外食チェーンの)『びっくりドンキー』や(ゲームの)『ドンキーコング』など、“ドンキ”がなじみのある単語があったのも影響しているかもしれない」とも説明した。
別の説もある。運営元の社名が由来とする説だ。現在の運営元はPPIHで、社名には「日本のみならず環太平洋地域において小売業の有力な企業として発展していくという決意」が込められているが、2019年2月までは「ドンキホーテホールディングス」という社名だった。
店名と異なり、中黒を使っていない理由について、PPIH広報は「中黒があることで画数が悪いため」と明かした。ただ、ロゴマークでは「コミュニケーションの一貫性を保つため」として、中黒を付けたものを使用していた。
ドンキ略称の由来は結果的に不明だったが、ドンキが一般的に浸透している事実は変わらない。近年は「キラキラドンキ」という店舗も登場し、運営元もドンキの呼称を事業に活用している。浸透の背景には、オリジナルBGMが一役買っていると言えそうだ。