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サンリオの“企業TikTok”成功の秘訣とは? 「かわいい×かわいい=もっとかわいい!」オタク社員が生んだ推し活グッズ誕生秘話も | ニコニコニュース

TikTok約15万人フォロワーを持つ、株式会社サンリオが運営する企業アカウント「サンリオ商品企画部」。自社の推し活グッズ(エンジョイアイドルシリーズ)のなど、商品やサンリオショップの魅力を伝える場として、Z世代にも刺さるフレーズや心ときめく編集で人気のアカウントとなっている。今回WEBザテレビジョンでは、立ち上げのきっかけや反響、“サンリオ”と“推し活”の関係について取材を実施。株式会社サンリオから国内営業本部MD推進部の白鳥瑠希さん、事業戦略本部広報課の山口あすかさんに話をきいた。

【写真】かわいすぎる! サンリオキャラクターの推し活グッズ「うちわケース」他

■「商品をもっとたくさんの人に知ってもらいたい」という想いがきっかけに

――TikTokアカウントの立ち上げのきっかけを教えてください。

白鳥瑠希(以下、白鳥):元々は企画部の「商品をもっとたくさんの人に知ってもらいたい」という想いがきっかけとなっています。その後、今私のいるMD推進部販売促進チームがその想いを継ぎました。MD推進部しても「Z世代を中心とした若年層にもっとサンリオショップへ来てもらいたい」という目的があったので、コミュニケーションツールとしてZ世代を中心に盛り上がっているTikTokが挙がり、そこで動画制作を始めたという経緯です。

――実際、反響はいかがですか?

白鳥:他のSNSに比べて、波及力の大きさを感じていますね。一本一本の動画に対するコメントの多さもそうですし、投稿を見てくださった視聴者が、商品を購入して、さらには投稿と同じようにサンリオキャラクターのグッズ開封動画を上げてくださっているのをみると嬉しさと共に、その影響力をひしひしと感じます。

――なかでも特に反響のあった動画はありますか?

白鳥:一つは、「サンリオ社員のなぁぜなぁぜ」という動画です。当時TikTokで流行っていた「なぁぜなぁぜ」というワードを用いて、サンリオ社員の日常生活を紹介していく動画を投稿したのですが、トレンドを取り入れたこともあってか、約88万回再生されました。コメント欄も動画に合わせ「なぁぜなぁぜ」を使った質問で溢れていたりと、盛り上がりをみせていましたね。もう一つ、商品紹介の動画でいうと、「カスタムアビーズセット」の紹介動画は約100万回再生と反響がありました。こちらは、動画がバズった後ですぐに商品が売り切れるという現象も起こりました。

――バズで商品が完売、とは凄いですね。

白鳥:ありがとうございます。販促には様々な 要素があると思うので、一概に動画の影響だけとは断言できないのですが、サンリオショップで「TikTokで見ました」というお声があったことや、実際に動画を見ながら店内を回られている方がいたという嬉しい報告を受けています。

――TikTokのコメント欄では「サンリオに入社したい!」という声も度々見られますが、実際のところ入社希望者も増えていたりするのでしょうか?

白鳥:希望者が増えているかは分かりかねるのですが、今年からTikTokの運営に携わることになった弊社の新入社員は、就活中からずっとTikTokを見てくれていたみたいで。面接でも「TikTokの動画作りに携わりたい」と発言したときいて、驚きましたが嬉しかったです 。

■「ユーザーの一人のような感覚で投稿するようにしています」

――そんな視聴者を魅了する動画はどのように作られているのですか?

白鳥:基本的には社内販促TikTokチームで企画・制作から投稿までを行っています。機材は基本iPadで作業をすることが多いですが、最初の頃はスマホ1台で制作をしていました。

――スマホ1台で?

白鳥:はい。TikTokは、 簡単に動画編集ができるようなツールが揃っているんですよね。宣伝っぽくならないよう、むしろ視聴者世代のユーザーの一人のような感覚で投稿するようにしています。洗練されすぎた編集になっていたり、言葉一つとっても宣伝味が出すぎたりしているものはリテイクをかけています。リラックスしながらも見ていただける…みたいな動画を目指していますね。

――「サンリオ商品企画部」の投稿は、編集も魅力的ですが、企画の内容もバリエーション豊かで見たくなるものばかりです。

白鳥:先ほど反響動画でお話させていただきましたなぁぜなぁぜ」の投稿もそうですが、トレンドを踏まえた直接的な商品紹介以外の企画も積極的に行っています。元々は商品のPRのために始まったアカウントではありますが、「この商品にはどんな想いが込められているのだろう?」とか「どういう背景でこの商品が生まれたのだろう?」といった裏側も、お客様としては気になるところなのかなと。そこをオープンにすることで、商品に対する思い入れがさらに深くなって、もっと商品を愛していただけるといいなと考えています。

――確かに、普段は明かされない制作現場等の裏側を見られるという点も、このアカウントならではですよね!

白鳥:そうだと思います。投稿内、「推し活グッズの開発秘話」という動画があるのですが、実は元々別のSNS で「サンリオ社員の中に“オタク”がいるんじゃないか?」と噂されていたことを拾い上げて企画にしたものなんです。投稿後は、「やっぱりいたんだ!」とコメント欄やSNSなどでも反応がありましたね。

■「ひとりの方の1日の中に、サンリオと触れ合う時間が少しでも増えたら嬉しい」

――「推し活グッズの開発秘話」に関連して、投稿でも推し活グッズの紹介が多く見受けられます。動画内でも語られていましたが、改めてサンリオが推し活グッズ(エンジョイアイドルシリーズ)に切り込んだきっかけを教えてください。

山口あすか(以下、山口):商品開発の担当者がオタクだった、というところから出発していますね。その方が、元々手帳やカレンダーを作っているようなチームにいまして、「フラゲ日」や「神席」など、ごく一部の界隈の方にしかわからないワードを盛り込んだ手帳シールを発売したんです。そしたら、それが思いのほか売れまして。担当の「サンリオの“かわいい”キャラクター、そして、大好きで“かわいい”推し。かわいい×かわいい=“もっとかわいい”に決まっている!」という強い想いで、より推しがかわいくみえるものってなんだろう、あったら嬉しいグッズってなんだろう、と作り始めてSNSで話題になって広がっていったという状況です。

――オタク社員のサンリオ愛と、推し愛で生まれた商品だったんですね。

山口:そうですね。当時市場にあった推し活グッズはシンプルなデザイン、かつ商品も限られていたこともあって、サンリオキャラクターのかわいいデザインや「トレーディングカードを持ち歩けるケース」など新たな商品の発売に、購入者の方からは「サンリオわかりみが深い」と言っていただける機会が多くなりました。

――本来推されるべきキャラクターが、推しのためのグッズに…という部分も面白いですよね。

山口:まさにおっしゃっていただいた通り、元々キャラクターたちは推されるべき対象ではあるんです。ただ、推し活グッズとして、常に推しと一緒にいて見慣れることで、そのキャラクターにも愛着を持ってもらえたらいいなと考えています。

――最後に、「サンリオ商品企画部」としての今後の展望を教えてください。

白鳥:TikTokのコメントは、ほぼすべて目を通していますので、寄せられたコメントを拾って、また何かそこから企画を生み出したり…と視聴者とのコミュニケーションをこれまで以上に取っていけたらいいなと思っております。また、商品を紹介 するだけじゃなく、ひとつのコンテンツ としても楽しんでもらえるような企画をたくさん行っていきたいですね。あとは、「なぁぜなぁぜ」じゃないですけど、「サンリオ商品企画部」発で、何か流行語やバズ商品を生み出せたらいいなと!(笑)

――いいですね! とっても楽しみです。

白鳥:そして、今後も動画などを通して、ひとりの方の1日の中に、サンリオと触れ合う時間が少しでも増えたら嬉しいなと思います。

――本日はありがとうございました!

サンリオの“企業TikTok”成功の秘訣を伺った

(出典 news.nicovideo.jp)

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