MEGUMI「芸能界は楽しくて面白い場所」引退考えたこと“まったくない” タレント&実業家の両輪 | ニコニコニュース
ドラマやバラエティなど今メディアに引っ張りだこのMEGUMI。俳優活動のほかにも映像作品のプロデュース業や実業家としても活動しており、多方面で実力を発揮している。5月12日には、昨年に続く美容本『心に効く美容』(講談社刊)を発売。内面の美しさにもフォーカスした内容で、多忙な日々でも美を意識しながら、女性として母として過ごすプライベートでの心境を生々しくつづっている。様々な経験を積んだからこそ「悩んでいる女性に同調するんです」と語る現在の心境について話を聞いた。
■「暗い海から抜け出せないと思うようなこともいっぱいあった」美に繋がる心のケア
――昨年発売した『キレイはこれでつくれます』(ダイヤモンド社刊)は大ヒットを記録。『オリコン年間“本”ランキング 2023』のジャンル別「美容・ダイエット」「タレント本」でも1位を獲得しました。
【MEGUMI】ありがたいことに反響も大きくて、街を歩いて80代の方が「私もシートマスク貼ってます」と言ってくださったり、行きつけのお店で全く美容をやってなかった方が「これだったらできると思ってシートマスク貼ったら顔が変わっていって、嬉しくなっちゃって美容液を今も塗るようになりました」と言ってくださったり。みなさんとのチーム感というか、「一緒に頑張りましょう」っていう気持ちを共感していただけたのがとても嬉しいです。女性のみならず、男性も綺麗になりたい思いがあるということもわかりました。
――見られる職業である俳優が「美容」を掲げるのは勇気がいることだと思います。「綺麗なのは当たり前」と思われる中で説得力のある内容が求められますよね。
【MEGUMI】そうですね。ただ私の場合、20代後半ですごく劣化しちゃったんで。その傷つきがよかった。綺麗じゃないし劣化したし、顔にコンプレックスもあるし。それにガサツだしめんどくさがり屋ですよ。それでもここまで色々やって変われたっていうのが、多分みなさんの感覚と近いんだと思います。
――昨年の美容本から1年経たない中での新刊です。早く発売したかった思いがあったのですか?
【MEGUMI】前作の内容は美容の具体的なノウハウで、これをやれば肌や髪が綺麗になるということを伝えました。その後、美容雑誌や自分のSNSに“お悩み相談”みたいな内容がたくさん来るようになって、結構みなさんも色んなことを悩んでいると知ったんです。私もこういう過酷な世界にいて、母として悩んだり女優として悩んだり、理不尽な思いをたくさんしたりして、すごく悩んできましたから…。暗い海から抜け出せないと思うようなこともいっぱいあったので、悩んでいる女性にすごく同調できるんです。
――本作では、大人になると生き様が顔や表情に現れるということも書かれていました。
【MEGUMI】35歳くらいを過ぎると、いくら肌が綺麗でも“表情”が乏しいと本当に綺麗とは言えないと思うんですよね。イライラや不安、怖さみたいなものは、表情や姿勢にも現れる。なので、前作は“外側”を伝えて、今作は“心のケア”を伝えて、それで圧倒的な美しさがコンプリートされると思っています。私自身、ずっとメンタルケアなども勉強してきたので、この2つをやることで、それぞれが思う「私の完璧な美しさ」というのが手に入るよって伝えたかったんです。
■ブレイク実感なし「今まで積み上げてきたものがやっと形に」
――最近は俳優としての露出も多く、プロデューサーとしての活動も注目されています。最近「キテるな」というブレイクの実感はありますか?
【MEGUMI】いやーないですね何も!地味だけどずっと忙しく動いていたんです。量的に忙しいけど、前からこんな感じだったよなーって(笑)。だからそこは冷静に、淡々と変わらず過ごしている感じです。ただ今まで積み上げてきたものがやっと形になった感じはありますし、世間の方々に伝わっているなという感じはありますね。
――やりたいことを次々と実現していて、まいた種が実を結んでいるようです。
【MEGUMI】そうですね。ずっと「名前だけ?」とかネガティブなことを言われてきましたから。「こんなにやってるのにまだそう言われるんだ…」と思っていました。新しいことに挑戦すると「またお店やってるの?」とか「女優とかやらなくていいじゃん」とか否定されるので、その否定が少なくなったのは嬉しいですね。
――今や俳優のみなさん、活動に縛られず自由に色んなことに挑戦していますね。
【MEGUMI】そうですよね。今まで私は、色んなことをやっていることがコンプレックスだったんです。日本人は職人気質ですから、一個のものを突き詰めていくことが美徳とされている国だし、もちろんそこへの憧れもありました。でも自分は何をやっても結果を出せていないと感じて焦っていたので、「やっぱり何か1つに絞った方がいいのかな」と考えて…。焦りもあったし、肯定してくれる人はほとんどいなかったから、自分で自分のことを信じるしかなかったです。今は時代が変わって、色んな方が色んなことをやっている状況は本当にやりやすいし、まさか自分のやっていることを肯定していただけるような時代が来るとは思っていませんでした。
――活動の低迷を感じていたとき、芸能界の引退を考えたことは?
【MEGUMI】それは全くなくて、芸能界があってほかをやるという考えでしたね。やっぱり芸能界は楽しくて面白い場所ですし、ずっとやりたいなと思っています。やめたいと思ったことはないですね(きっぱり)。
――20年以上芸能界で活動されています。ここ数年で活動の仕方も変わったのでは?
【MEGUMI】今は、よりパーソナルな部分を出さなきゃいけない時代になったと思いますね。昔は隠れていても誰かが見つけてくれるような、芸能人は“孤高の存在”みたいな感じがありましたけど、今は自分から発信をしていかないと忘れ去られてしまう。あっという間に過去の人になってしまうと思います。だからSNSや本などで、パーソナルな部分を伝えたりインスタライブをしたり、それで共鳴してくださるファンの方を増やしていくことは、絶対に大事なことだなと思っています。
――本では「SNSとの向き合い方」についても触れています。批判的な声への対処はタレントの宿命ですね…。
【MEGUMI】私のことを叩いている人は、本当の私のことを知らないわけで。事情がわかっていない相手を注視して何になるんだって思いますよ。全員が私に共鳴してくれるわけではないことは当然だし、メディアに露出している以上は仕方ないかもしれない。無視されるのが一番切ないから、携帯を手に取って打つってことは、「気にしてくれてる」ってことなんだという超スーパー前向きに考えてますね。
やっぱりでも、自分のコンディションが悪いと喰らっちゃうこともあります。ある本にSNSをやめた時の幸福度が高いと書いてあって、それもわかるなと。しっかり見る時間はあってもいいけれど、終える時間を設けるようにと。なるべくそういう心構えではいますね。
――人生の選択について「迷ったときは怖いほうを選ぶ」とも書かれていました。
【MEGUMI】そうすれば究極的に追い詰められますからね(笑)。追い詰められた時に出るパワーって大事だと思うんです。「言っちゃったからもうやばい」「セリフ覚えなきゃ」「お金集めなきゃまずい」とか。それを乗り越えた時の経験値はまったく違うし、失敗しても成長できる。その積み重ねが点や線となって繋がったことが、今までの人生あまりにも多かったので。だから無理かもしれないと思っても、基本的には前向きに自分を奮い立たせています。何もやらなかったら何も生まれませんからね。
――ちなみに、今までの活動で一番「怖かった選択」は?
【MEGUMI】初めて映像制作のためにお金を集めた時は、朝起きた瞬間から「お金集まらなかったらどうしよう…」と考えるほど追い詰められました。でも今なら、「あの金額ならこうしたら集まるかな」などと算段できるくらい成長しているわけです。自分のキャパが増えて、次にも繋がりました。
■「誰かのために」自身の経験をもとに発信する意義
――次の目標は海外ですね。海外活動への思いも本で語っていました。海外展開について、同じ俳優仲間の方と相談したりもするのでしょうか。
【MEGUMI】カンヌ映画祭で「JAPAN NIGHT」というパーティーを私たちが主催して、斎藤工さんにも来ていただきました。彼はハリウッド作品をプロデュースしたり監督や俳優としても活躍したりして、すごく頑張って真面目に海外に作品を届けようと思っています。ほかにも山田孝之くんや賀来賢人くんとか、みなさん何か信念を持って動いているから尊敬しますし私も励みになるし、刺激をいただいています。
――お話を聞くと女性が少ない印象ですね。
【MEGUMI】そうなんですよ、ちょっと寂しいですね。どうやるのかということだと思うので、ぜひチャレンジしたい方がいらっしゃったら全部お伝えしたいぐらいです。
――そうした経験が、ご自身の活動の軸としている「女性のため」に繋がるんですね。
【MEGUMI】そうですね。今までは売れたいとか目立ちたいとか、自分のためだけに活動してたんですけど、コロナ禍でプロデュース業を始めた時に「働き方を変えなきゃいけない」「自分の掲げるミッションを変えなきゃいけない」と直観的に感じたんです。コロナが明けた頃、「日本人女性の自己肯定感が世界で最下位」というニュースを知って、驚いたけど理解はできます。
――確かに、女性が生きやすい社会…とは言いにくいですね。
【MEGUMI】今の日本の社会の中で女性が生きていくのは、結構大変だと思っています。年齢を重ねるってちょっとネガティブなマインドになってしまうし、親の介護や病気などもあります。であれば私が、表に出る仕事でもあるので、自分の経験を最大限に生かしつつ、いい影響を与えられる存在になりたい。それで、世の女性たちに喜んでもらえるような活動をしようと決めました。「誰かのために」と思う方が、自分自身も動きやすいですからね。