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「ラーメン二郎」より「天下一品」のお客さんが圧倒的に多い理由。専門家が指摘するビジネスモデルの違い

「ラーメン二郎」より「天下一品」のお客さんが圧倒的に多い理由。専門家が指摘するビジネスモデルの違い | ニコニコニュース

優秀なリーダーは、「部下が成長できる場」をつくり、「強いチームを育てる」ことができる。不動産、実業家、投資家、映画プロデューサーなどさまざまな分野で多角的に活躍し、チームで結果を出し続けてきた嶋村吉洋氏が語る「リーダーの極意」とは?

「ラーメン二郎」と「天下一品」の違い

あなたの組織で優秀なリーダーを育てるために大事なことは、場をつくることです。

では場をつくるとはどういうことか?

それは、リーダーが育つための仕組みと文化をつくることです。

個人で関わってリーダーを輩出しようとして、できたとしても数名程度です。

少人数をある程度かけて育てることはできますが、多くのリーダーを輩出しようとするのであれば、自分一人で育てるのではなく、場で育てるのです。

そのためにも、自分が関わらなくてもリーダーが育つような仕組みをつくることです。そして流れをつくることが大切なのです。

このことを有名なラーメンチェーンである「ラーメン二郎」と「天下一品」でたとえてみましょう。

どちらも名店で、ラーメン好きの人なら一度は行ったことがある、もしくはその名前を耳にしたことくらいはあるのではないでしょうか。私も両方とも大好きなラーメン店ですが、「天下一品」のほうが圧倒的に利用頻度(ひんど)が高いのです。

なぜなら、「天下一品」は、「ラーメン二郎」に比べて、あっちこっちにあるからです。

天下一品」は、どこに出張に行ってもあると感じるほどです。

天下一品」は、食べたいときに食べることができる。

両者ともに、美味しいラーメンを届けたいと思ってやっているのは確かだと思います。しかし、店舗数が圧倒的に違うのです。

さらに、「一風堂」で有名な「力の源ホールディングス」は、海外展開にも力を入れています。つまり、いつでもどこでも食べられるという切り口では、「ラーメン二郎」より「天下一品」、「天下一品」より「一風堂」のほうが、貢献度が高いのです。

この結果の原因は仕組みだと、私は思います。

各個人ががんばることで貢献する「ラーメン二郎」。

仕組みで貢献する「天下一品」や「一風堂」。

いい悪いの話ではないのですが、私は「天下一品」や「一風堂」のように、仕組みで貢献し、スケールしやすい形を選びます。

ちなみに、「天然とんこつラーメン専門店」として展開している「一蘭」はスタッフの方の顔を見ることすら、ほぼできません(笑)

実はこれって凄いことだと思いませんか?

人がリーダーを育てるには人数に限界が

スポーツジム業界でも同じことが言えるのではないかと私は思います。有名どころでは、「ゴールドジム」「エニタイムフィットネス」「コナミスポーツクラブ」などがありますが、あるフィットネスの会社はホスピタリティが高い「人」を売りにして知名度、売り上げともに、爆発的に伸ばしました。

しかし、ホスピタリティが高い「人」を売りにした結果、人材確保が課題となったという噂を聞きました。

部下との関係においても、「俺についてこい」と言っても、数名しかアシストできないのではないでしょうか?

仮に2年で2名を一人前にしても、4年で4人、10年で10人しかリーダーを育てられないのです。

徹底して、仕組みと流れをつくる。

場をつくる。

仕組みと流れで全体のアベレージアップを行い、その中で面白い部下は、個別で関わり、一本釣りする。

これが理想の形だと私は思うのです。

人材は経験ではなく数字で選ぶ

どの会社や組織においても、世代交代や、次世代の輩出は重要なテーマであり、リーダーを悩ます部分です。

私が世代に厚みを持たせるために大事にしていることは、数字で選ぶことです。

属性や経験の長さでは選びません。

フェアに数字のみで判断し、それ以外の個人的な感情や保守的な慣習などでは決めないようにしています。

数字以外の部分をアピールすることで、物事を自分にとって有利にしようという交渉を受けることがありますが、それは受けつけないと決めています。

そのことを、何の忖度もなく、すべての人たちにはっきり伝えます。そして実際に、成果のみでフェアに評価するのです。

あなたも新人だった頃そうだったように、そもそもルーキーから見たら上の人たちは、時として邪魔に見えるものです。

どうやったら、上の圧力とか派閥(はばつ)とか権力などに関係なく、上にのし上がれるのか、評価されるのか、やる気のある若手はいつも考えているのです。

そうした人たちにとって、上がっていくためには数字をつくればいいんだと、ルールシンプルになっているほうがよいと思います。結果として、若手が育ち、新陳代謝が起き、世代に厚みが出ます。

そう考えると、私のやり方は、プロスポーツの世界に似ているかもしれません。

人がついてくるリーダーは逆風でも矢面に立ちつづける

もちろん、そうなると、一部からは叩(たた)かれることもあります。

しかし、そうやって数字以外で評価をしてほしい人たちの意見や批判を気にして右往左往していると、場がぐちゃぐちゃになり、育つものも育たなくなってしまいます。

あなたが求めているものを、明確に、具体的に、肯定的に決めて、それに必要なことを断行すれば、必ず批判する人が出てきます。

大事なポイントは、その際に、あなたが矢面に立つかどうかです。

普段はいいことを言うが、いざとなったら逃避する。そんなリーダーには誰もついていきません。

リーダーの現場は、大げさに言えば、常に命がけです。

厳しい言い方になりますが、それが嫌だったら、リーダーを辞めるしかありません。

命がけで次世代を育成することが大切なのです。

嶋村 吉洋

実業家

投資家

映画プロデューサー

(※画像はイメージです/PIXTA)

(出典 news.nicovideo.jp)

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