ピックアップ記事
【12浪】の早大生が就活した結果…「37歳なのに新卒」

“12浪”の早大生が就活した結果…「8年生だから37歳なのに新卒」 | ニコニコニュース

毎年多くの受験生を集め、“私学の雄”とも称される早稲田大学。近年は現役志向が強まっているが、かつては浪人を繰り返してでも合格を目指す人が少なくなかった。田中健司さん(仮名・37歳)はその最たるもので、高校卒業後に“12浪”した末、2016年4月に30歳で早稲田大学に入学。現在は8年生で、就職に向けた活動を行っているとのこと。

前回の記事に引き続き、学生生活や就職活動について語ってもらった。

◆意外と辛くなかった12年間の浪人生活

ギネスブックに載りそうなほど長期に渡った浪人生活は、意外にも辛くはなかったという。

「宅浪続きで引きこもり状態だった時期は、ほとんど誰にも会わず他人と自分を比べる機会がなく、何も感じていなかったです。家族以外に会話する相手は、ネットの世界の人たちしかいなかったので

12年間も浪人生活を送るとは、当初は予想だにしていなかった。

「振り返ってみると12年なんですけど、もう1年、もう1年と繰り返した結果12浪になっただけなんですよね。目の前の1年のことしか考えていなかったので、浪人中は全然苦しくなかったです。むしろ、大学に入ってから『こんなことになってしまったのか』と強く自覚するようになりました……」

◆就活は「37歳の新卒」として臨むわけで…

入学後は、自身の人生の特殊性を痛感させられた。

「就活をしていると『何やってるんだろう』っていう気持ちになりますね。『お前何歳だよ? 37歳で新卒です。よろしくお願いしますってあり得ないだろ』という心の声が自分の奥底から聞こえてきて、面接会場では狂おしい気持ちになります。例えば、この人事の人は自分より年下だよなとか、面接してるこの管理職の人は、話してる内容から察するに下手したら同じ歳かもな……とか」

◆必死で臨んでいるが、結果が出ず…

エントリーシートや筆記試験は通過できても、面接で不合格となり、今度は就職浪人を繰り返して5年が経過。現在は大学8年生で、休学中だ。

「これだけハンデの大きいなかで就活に挑むのは、非常にキツいものがあります。大学の就職課で相談もしています。『こんな私に誰がしたんだ、あんたら大学が責任取ってよね』という思いですよ。我ながらひどい被害妄想ですよね。でも、大学を押し出されたら無職ですから、こっちも必死といえば必死なんです」

同級生下級生へは複雑な感情が

15〜20歳ほど年齢の離れた若い学生たちには、屈折した思いを抱いている。

年の差を考えたら生きていけないので、相手が年下だとかは気にしたことがありません。周囲の早大生は自分よりもできる子、頭の良い子たちという尊敬の念があるので、彼らにこき使われようがケツ叩かれようが、何とも思いません」

その一方、こんな本音も覗かせる。

順調に育ってきた早大生の『エリート』たちとは、どうしても根底で話が合いませんね。惜しげもなく教育資源を注入してもらったのもあるでしょうが、しっかり頑張るべきときに踏ん張り、そのおかげで若くして早稲田に受かっているわけです。生まれてから順調で成功続きの人生を送っている彼らと自分では、住む世界が違うんです。この7年歩み寄ろうとしたのですが、やはり打ち解けられない。失敗と怠惰の塊のような自分とは違う生き物だくらいに考えています」

◆途中まで3浪のフリをしていた

実は田中さんは入学から3年間、“12浪”を隠し続けて来た。

「ずっと『3浪です』ってウソついていました。入学式の後の初顔合わせときに『1浪です』って言ったら『本当に?』って疑われたので1つずらして2浪っていうことにしたんですが、それも途中から怪しまれるようになったので、老け顔の3浪で通していました。なにかカマをかけてこいつの本当の年齢を暴いてやるといった疑念の目も周囲から時折感じていたので、パっと答えられるようにダミー用の和暦や干支も、常に暗記していましたね

3浪の時点ですでに珍しい存在のためか、それ以上ツッコミが入ることはなかった。だが、サークル活動の些細な出来事から、ウソが露呈した。

「ある日、大学の会議室を借りるために自分の学生証事務所に預けたんですが、ちょうど新歓の時期で慌ただしく、サークル仲間の女子に『俺の代わりに学生証取りに行って』と頼んでしまい……。学年では同期でしたが、年齢は干支で言うと一周分年下でした」

◆本当に尊いのは「見守り通した親」

戻って来た女子の表情は異様に固く、神妙だった。

「相手は無言でしたが、見てはいけないものを見たという感じだったので、『言わないで』とだけ伝えました。でも、後日みんなでカラオケに行った時に受付で学生証を提示するよう求められて、カウンターにみんなが並べ始めたことがありました。『やべえ』と思って出してすぐ引っ込めたら『動きおかしくない?』って追及され、結局バレてしまったんです

仲間たちは最初は仰天したものの田中さんを受け入れ、その年の学園祭では「11浪なんです僕は」というカミングアウトテーマに講演会を行った。

「あとになってわかったのですが、本当は12浪だったのです。年数を数え間違えていました。両手で数えられないと難しいですよね。実際何浪したのかもう覚えてないというか、数えてないというか。

なので、翌年は『実は12浪でしたごめんなさい』とのテーマでもう一度講演を行い、今度は母親にも登壇してもらいました。母親は『受験を止めたら自殺すると思ったので続けさせた』と本音を語ってくれました。結局本当に尊いのは、浪人した本人ではなくそれを許し見守り通した親なんですよね」

◆背負い続ける「12浪」の十字架

卒業後の展望も描き始めている。

出版や報道の世界に関わりながら、弱い立場の人を助けたいと思っています。自分自身が誰より社会に適合できない半端ものという自覚があるので、今更大手志向など口にしたところでお叱りを受けてしまいそうですけど……」

“平凡な人生”からは大きく軌道を外れている田中さんだが、一抹の誇りもある。

「学問を修めることなく4年間遊んでばかりで卒業するのはダメだと思うので、そうなっていない自分はまだ大丈夫だと思っています」

だが、12浪という現実は田中さんの胸に今ものしかかっている。

生きていても人間的な喜びという感情は、もうありません。ずっと何かの修行をしている感じです。友達と一日中マリオカートやって楽しかったみたいな気持ちは、もう得られないのでしょう。学生時代はサークル活動など充実した時間もありましたが、12浪という後ろめたさのほうが強いです。自分の背負ったものとして、ずっと暗い顔をして生きるしかありません

いっそ開き直ってしまえばとも思うが、まだそういう気持ちにはなれないという。12浪の呪縛から解き放たれる日が来ることを、願わずにはいられない。

<取材・文/西谷格>

早稲田大学大隈記念講堂

(出典 news.nicovideo.jp)

名無しさん

名無しさん

40近い未経験の人間雇うとこなんかあんの?

test0513

test0513

『友達と一日中マリオカートやって楽しかったみたいな気持ちは、もう得られないのでしょう』的な考えはどんな人生送ってても40前後で感じることだと思う。このひとは「12浪プラス4留」の経歴を売り物にして「38歳の就活生」の採用でむしろあからさまに知名度アップを目論むような企業に就いたほうがいいんじゃないかな。

__

__

浪人生なんて人生が懸かってるんだと命を削って勉強するやつもいればほとんど勉強なんかしないニート生活を満喫してるやつもいる。前者のような生活を12年も続けられる訳がないし、かなり長い期間後者だったんだろうなと思ってしまうな。

ピックアップ記事

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事