焼肉食べ放題店「焼肉きんぐ」の焼肉ポリスが伝授。肉の厚さ別“美味しくなる”焼き方のコツ | ニコニコニュース
焼肉食べ放題店『焼肉きんぐ』には「焼肉ポリス」という店員がおり、客席をまわりながら、肉をより美味しく食べるためのコツを伝授してくれる。
話を聞いたのは、そんな「焼肉ポリス」を教育する立場であり、約1万5000人のスタッフの中でも200名程度しかいない、厳しい試験を通った精鋭「おせっかいマスター」の香取和樹氏。今回は、肉の種類別に美味しい焼き方のポイントを聞いた。
◆薄い肉(タン)は焼き目が付いたら裏を炙る程度
焼肉店に行ったら、まずはタンから食べ始めるという人が多いかもしれない。厚さ3mm程度の薄い肉の美味しい焼き方を教えてもらった。
「タンなどの薄い肉は片面に焼き目が付いたら、8割程度は火が通っています。あとは裏返して、残りの2割をサッと炙る程度でOKです。強火で短時間焼くことで、肉汁も逃げず、パサパサにもならず、ジューシーに仕上がります」
「8割程度火が通った」目安は肉の色。最初に片面を焼いていると肉汁がどんどん汗をかくように浮かび上がってくるが、「その肉汁をできるだけ残すためにも、少し肉が縮み、全体が灰色になってきたぐらいで裏返すと良い」という。
◆厚さ1cm程度の肉は“片面こんがり・裏半分”
続いては厚さ1cm程度の肉の美味しい焼き方。スーパーではスライスカットされた肉、焼肉きんぐでは「カルビ」「ロース」が該当するが、香取さん曰く、「どなたでも焼きすぎてしまうことが少ないお肉だと思うので、焼肉屋さんで頼んでもお家で焼いても美味しく食べやすい」のだそう。
「厚さ1cm程度の肉は“片面こんがり・裏半分”が合言葉です。まずは片面を茶色~焦げ茶色になるまでこんがりと焼きます。この時点で6~7割ぐらいまで火が通っているので、裏返したら残りの3割ぐらいを最初の片面の半分くらいの時間焼けばOKです」
片面を最初に長めに焼くことによって香ばしくなる。裏面は、その半分の時間で焼きすぎないように調節するのがポイントだ。
◆分厚い肉は両面にしっかりと焼き目→断面を焼く
最後は分厚い肉の焼き方。見た目も迫力があり満足感があるが、中まで火が通っているのか不安に思うことも多々……。
「分厚いお肉は、両面にしっかりと焼き目を付けましょう。その後、食べやすい大きさにカットしたら、お肉の断面をまた焼いてあげます。断面はうっすら焼き目が付くぐらいで十分です。両面に焼き目が付いただけでは、中はまだ生なので、断面を1分ずつぐらい焼いてあげることによって、中までちょうどいい塩梅に火が通ります」
取材中に見本として焼いてくれたのは「きんぐカルビ」だが、あらかじめ切り込みが入った肉は、切り込みのある面から焼くことで、肉汁を閉じ込めることができるのだとか。
食べ放題のように短時間でたくさん食べたい場合には、前述のように「両面にしっかりと焼き目→カットして断面をうっすら焼き目」がおすすめ。よく脂の乗った肉を注文した際、時間に余裕がある場合には、次の焼き方も試してみてほしい。
「表面に焼き目を付けたあとに、網の外側の部分で15~20分ほど弱火でじっくり中まで火を通す方法です。加熱する分、中のタンパク質が縮まって水分も出るのでお肉自体は2回りぐらい小さく見えますが、お肉に含まれるコラーゲンが80℃を超えることでより柔らかくなるので、さらに違った楽しみ方ができるんです」
肉は噛み切りやすくなり、さらに油の甘味も感じる。食べ放題でも最初に網の外側で仕込んでおいて、その間に他の肉を食べ、15~20分ほど経ってからじっくりと楽しむ方法もアリかもしれない。
◆“焼肉店で食べる味”を家で再現するには…
家で焼肉をしても、どうしても店の味にはほど遠いと感じるもの。最後に香取さんに自宅でもできる美味しい焼肉のコツを聞いたところ、「お肉に切り込みを入れることですね」と教えてくれた。
「厚めのお肉には切れ込みを入れると、味が染み込みやすいです。市販の焼肉のタレを染み込ませてもいいですし、塩こしょうなどで下地をつけてからごま油を揉み込むと、ご家庭でも焼肉屋さんに近い味わいになると思います。切り込みを入れれば噛み切りやすくなるので、お肉が柔らかく感じるというメリットもあります」
焼肉はなんとなく「焼けたら」食べるくらいの認識でいたが、肉の厚さによっても焼き方のコツがある。少し意識するだけで、満足度があがること間違いなしだ。
<取材・文・撮影/松本果歩>
【松本果歩】
恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり、店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA