お金や名誉はあまり重要ではない…誰でも確実に「本当の幸せ」が手に入れられる簡単な方法 | ニコニコニュース
※本稿は、樺沢紫苑『精神科医が教える 幸せの授業 お金・仕事・人間関係・健康 すべてうまくいく』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。
■「幸せの正体=脳内の幸福物質」
【ゆかり】私、28歳、OLでひとり暮らししてます。幸せなりたいと頑張ってるのに、全然うまくいってる感覚がなくて。精神科医の先生、教えてください! どうすれば幸せになれるんですか?
【先生】まあまあ、落ち着いて。幸せになりたいなら、まず「幸せ」が何なのか、わかる必要がありますね。
【ゆかり】そうですね。でも、何度考えてもわからなくって。樺沢先生、幸せって、何なのですか? やっぱり自己実現? そうだ、仕事とプライベート、どっちが大事ですかね? いや、やっぱりお金?
【先生】えーっと、そういう中からどれか1つを選ぶという話になってしまうと、人それぞれ大切なものが違います。
【ゆかり】ですね……。でも、じゃあ、幸せって一体……?
【先生】答えを教えましょう。幸せとはズバリ、脳内で幸福物質が出ている状態のことです。
【ゆかり】こ、幸福物質?
【先生】私たちが「幸せ」を感じているときに、脳内ではどんな物質が出ているのか。どうやったらそれを出せるのか。それがわかれば幸せになれると思いませんか?
【ゆかり】た、たしかに。幸せって漠然としているイメージだったけど、科学的に考えるとわかりやすいのかも!
■「仕事がうまくいく幸せ」と「ペットと過ごす幸せ」は種類が違う
【先生】はい、科学的に、具体的に、幸せを感じているときの脳の状態について考えていきましょう。まずは、ゆかりさんが幸せを感じるのって、どんなときですか?
【ゆかり】そうですね、仕事でいい結果が出たときかな。今日はちょっと失敗しちゃって落ち込んでたんですけど、逆にプレゼンが成功して上司に褒められたときなんかはめちゃくちゃテンションが上がって、「頑張ってよかった!」って気分になります。
【先生】なるほど、いいですね。努力が報われるのはすごく幸せなことですね。でも、他にもありませんか? あまりおおげさに考えなくても、ちょっとした幸せを感じることとか?
【ゆかり】そうですね……うーん、何だろう? あ、実家で猫を飼ってまして。その猫とたわむれているときは、「うふふ、幸せだなー」ってなります。でも、そんなのでもいいんですか?
【先生】はい、まさしくそれも当てはまります! 仕事がうまくいったときの幸せ感と、ペットと過ごしているときの幸せ感って、違いますよね?
【ゆかり】違いますね。仕事のほうは「よっしゃ!」って心の中でガッツポーズが出るような感じ。で、猫のほうは「癒やされる~」って感じでほっこりするというか。
【先生】そうですね。実は、幸福物質には3種類あるんです。3種類が、それぞれ違う性質を持っているんです。いまゆかりさんがあげたのは、そのうち2種類です。
【ゆかり】3種類もあるんですか!
■「リラックスした状態」も幸せの一種
【先生】調べてみた結果、私たちが「幸せ」を感じている瞬間、「ドーパミン」「オキシトシン」「セロトニン」などが脳内で出ていることがわかりました。世界的にも、この3つは3大幸福物質としてよく知られているんですよ。
【ゆかり】「ドーパミン」とか「セロトニン」とか、聞いたことがあるような、ないような。
【先生】1つずつ説明していきますね。まず「ドーパミンの幸福」は、お金や成功、名誉、達成の幸せです。さっきの仕事の話も、ここに分類されます。
【ゆかり】いわゆる「達成感」というのは、ドーパミンの働きってことなんですね。
【先生】その通りです。次に、猫といるときのほっこりした幸せ感の正体は「オキシトシンの幸福」。愛やつながりの幸せです。
【ゆかり】なるほど、たしかに、別の種類の幸せって感じがします。じゃあ、もう1つの「セロトニン」は?
【先生】「セロトニンの幸福」は、やすらぎやリラックスなど、心と体が健康な状態でこそ感じられる幸せです。
【ゆかり】すみません、ちょっとピンとこないかも。リラックスしているだけでも幸せって言えるんですか?
【先生】はい、れっきとした幸せです。たとえば、天気のいい日に散歩をしていて「ああ、爽やかで気持ちいいなあ」と感じる。それはセロトニンが出ている状態なんです。
【ゆかり】そっか。忘れていたけど、たしかにそれも幸せ感がありますね。幸せと言ってもいろいろ種類があるんですね。言われてみれば納得です。
【先生】それぞれ脳内で分泌されている幸福物質が違っているというわけです。
【ゆかり】ということは、その幸福物質が出る状況や決まりみたいなものがわかれば、幸せになれるってことですか……?
【先生】その通り! 幸せになる方法を知りたいのなら、それぞれの「幸福物質を出す条件」を知ればいいのです。「誰でも同じやり方で確実に」幸せになれると言っても過言ではありません。
■脳内物質には優先順位がある
【ゆかり】私でもできそうです! で、この3つが全部揃えば完璧な幸せが手に入るんですか?
【先生】はい、しかし、3つの幸福を全て手に入れている人は非常に少ないと思います。
【ゆかり】え、どうしてですか?
【先生】3つの幸福を揃えるには、重要な条件があるんですよ。
【ゆかり】重要な条件?
【先生】順番があるんです。優先順位と言ってもいいでしょう。この順番を間違えると、反対に不幸になってしまいます。
【ゆかり】逆に不幸になっちゃうなんて怖い!
【先生】そういうゆかりさんも、その予備軍かもしれませんよ? 「頑張っているのにうまくいかない」って、言っていましたよね。
【ゆかり】で、でも、頑張らないと仕事はうまくいかないし、幸せになれないじゃないですか。
【先生】そこなんです。そこを勘違いしている人が不幸せになるんです。
【ゆかり】え~! 何が間違っているんですか? 正しい順番って?
【先生】仕事で成功するのはドーパミン的幸福です。しかし、休む、リラックスするというセロトニン的幸福をおろそかにしてドーパミン的幸福ばかり追い求めると、ストレスがたまり疲れてしまう。いつか必ず心や体を壊してしまうんです。仕事だけじゃなく、しっかり休む、のんびりする。遊ぶことも、幸せには必要なのです。
■すべての幸せは健康あってこそ
【ゆかり】ということは、ドーパミン的幸福より、セロトニン的幸福のほうが、優先順位は上?
【先生】そうなんです! 仕事を適度に頑張るためにも、心と体の健康という基盤は欠かせませんから。まじめな人ほど頑張りすぎてしまうので、燃え尽きやすい。絶対に気をつけてほしいポイントです。
【先生】そしてもう1つ、オキシトシン的幸福も忘れてはいけません。家庭をかえりみずに仕事ばかりして、家族に愛想を尽かされる男性は過去に少なくありませんでした。最近では、熟年離婚というのもありますね。それではいくら仕事で成功しても幸せとは言えないと思いませんか?
【ゆかり】うぅ、耳が痛い。私も、残業ばっかりしていて恋人と会う時間がとれず、うまくいかなくなって別れちゃったことがあります……。それで多少仕事がうまくいっても、あまり幸せだとは思えなかった。
【先生】つまり、ドーパミン的幸福よりもオキシトシン的幸福のほうが、優先順位は高いということなんです。
【ゆかり】なるほどなぁ。じゃあ、セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福とはどっちが優先ですか?
【先生】想像してみましょう。あなたの仕事が順調に進んでいて、家族やパートナーともうまくいっていて……でも、ある日突然あなたあるいは家族やパートナーが重い病気を宣告されたらどうでしょうか?
【ゆかり】それは……急に不幸のどん底に突き落とされた気分になりそうです。
【先生】そう! 「つながり」は大切ですが、まずは「健康」。オキシトシン的幸福よりもセロトニン的幸福のほうが優先順位は高いわけです。病気になると、人と会う元気もなくなります。学校や会社に行けなくなると、つながりも失われます。セロトニン的幸福を失うと、連鎖的にオキシトシン的幸福も失うのです。
【ゆかり】つまり、全ての幸福は健康あってこそ……!
【先生】その通り。このような3つの幸福のバランスを、私は「幸せの三段重理論」と名づけました。健康があって、つながりができる。心と体の安定があって、はじめて仕事も頑張れる。セロトニン的幸福という土台の上に、オキシトシン的幸福、そしてドーパミン的幸福の3つを積み上げて、はじめてバランスのとれた「幸せ」が手に入るのです。
■成功や達成を追求する人は、「のめりこみすぎ」に注意!
【ゆかり】ちなみに、この三段重のバランスって、どんな人でも一緒なんですか?
【先生】はい、同じです。ただ、どの幸せに重きを置くかは人によって異なります。ヨガや瞑想(めいそう)をしているとき、つまりセロトニン的幸福に最も価値を感じる人もいるでしょう。「仕事をしているときが一番幸せ」と感じる人もいるでしょう。
【ゆかり】ですよね。仕事が大好きで、いくらでも働きたいタイプの人は、仕事に邁進するのが幸せなんじゃないですか?
【先生】いくら好きなことでも、「やりすぎ」や「のめり込みすぎ」はよくないんです。私の周りにも、睡眠時間を削ってでもいくらでも仕事をしていたいという人がいますが、だいたい、数年後には心か体を壊しています。
【ゆかり】楽しくても働きすぎてはいけないんですね。
【先生】はい。仕事だけではありません。適度な運動は体によいですが、やりすぎは健康を損ないますし、恋愛ものめり込みすぎると依存症になります。
【ゆかり】恋愛体質すぎるのも考えものってことですね。何事もほどほどに。
【先生】逆に、自己成長をまったく求めなければ、それもまた行き詰まってしまいます。セロトニン的幸福やオキシトシン的幸福も、そればっかりではよくないんです。
【ゆかり】そっか。3つの幸福をバランスよく生活に取り入れるのが大事なんですね。
【先生】どの幸せに価値を感じるかは、性格やその人のそれまでの経験によっても変わりますから、人によって3つの幸福のバランスが多少違うことはあるでしょう。とはいえ、この三段重理論のバランスが人間として健全といいましょうか、安全であることは間違いありません。
【ゆかり】ありがたや! 三段重、おいしくいただかなきゃ損ですね!
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精神科医
作家。米・イリノイ大学への留学を経て樺沢心理学研究所を設立。YouTubeやメルマガで精神医学の情報を発信。著書に『学びを結果に変えるアウトプット大全』『精神科医が教える ストレスフリー超大全』『読書脳』ほか。
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豚足75 金がないと食いモンが偏って不健康になるし、ペットを飼って癒されたりもできん。金がないという事実だけで精神の余裕は蝕まれ、リラックスなんぞできん。金があるから幸福であるとは必ずしも言えんが、世の中の問題の多くは金で解決できることを考えると、最重要なのは金であると言える。 |
エフィア 流し読みしかしてないけど、全てはまず健康あってこその幸せ。そしてトリニティで仕事など達成による名誉や充実感の社会的幸せ、家庭や家族の安全を守れる力や安心感、ペットとの充足ほかの全部の幸せに繋がるって書いてあった。やっぱり、お金も名誉も大事だった。 |