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家賃を数千円下げられる可能性も…「賃貸物件」を借りるときに有効な交渉術【FPが解説】 | ニコニコニュース

不動産を買ったり、借りたりするときに、知らないと損をすることは多々あります。たとえば、借りるときの家賃交渉術です。本記事では、金融業界25年のキャリアを持つFP田中和紀氏による著書『FPが教える!マネーリテラシーを高める教科書』(ごきげんビジネス出版)から、不動産購入時、賃貸時に知っておくべきことについて解説します。

投資用物件の「利回り」の計算方法

家賃収入などの投資目的として不動産を買う場合、利回りや物件価格がポイントになります。住宅への不動産投資の場合、5~7%程度が利回りの目標ともいわれます。時期や場所によりさまざまですが、目安として抑えておきましょう。

利回りには、表面利回りと純利回りがあります。表面利回りは家賃収入を物件価格で割り、100を掛けた数字です。たとえば、家賃収入が毎月10万円入れば、12か月で120万円になります。物件価格が1,000万円であれば、

120万円÷1,000万円×100=12%

になります。物件を売る不動産会社は、この計算で利回り12%として目を引くような広告を出すでしょう。

ただ実際は、家賃収入がそのまま収益になるわけではなく費用が発生するため、この利回りは大きく盛った数字となります。費用とは、不動産の税金や維持費です。よって、費用を差し引いた、正確性を兼ねた利回りが純利回りです。

上の例でいえば、10万円の家賃収入から毎月1万円の費用が発生すると、毎月9万円の収入となり、9万円×12か月で年間108万円となります。よって計算式は、

108万円÷1,000万円×100

となり、利回りは10.8%。費用も引いた利回りが純利回りとなります。

不動産投資成功の鉄則「レバレッジ」とは?

不動産は買い付けるときに、借入を行うことも可能で、借入を併用して、さらに利回り向上を追求できるのです。借入を伴い購入することをレバレッジといいます。

1,000万円の物件を購入するとき、500万円借り入れした場合は、手出し500万円となり、500万円に対しての利回り計算となります。購入資金の半分を借り入れ、レバレッジ2倍とすれば、利回りもおよそ2倍です。

たとえば、500万円を利息1%で借り入れ可能であった場合、毎年5万円の利息を差し引いて収益を考えます。年間収益が108万円であれば、借入利息5万円を差し引き103万円。500万円の投資で、年間103万円が利益です。よって、103万円÷500万円×100で20.6%の利回りとなりますね。

レバレッジを使わなければ利回りは10.8%ですが、レバレッジを使えば20.6%にもなるのです。これにはもちろんリスクもあり、売却時に物件価格が下落した場合などは、利回りが下がります。借入利息など低い時期に、レバレッジを使うと効果的でしょう。このようにして、不動産投資は利回りを考え、投資すべき物件かどうかを精査するのです。

上記は一例であって、不動産の売却までを考慮すると、幅広い知識が要求されます。不動産投資の長所としては、家賃収入が魅力、節税が可能、ローンを組むことが可能、住宅に詳しくなるなどです。短所としては、管理が必要、維持費が必要、税金が必要、売買が手間、流動性がなく売却がスムーズとはいえない、高額などがあります。

このような短所を抑え、手軽に不動産投資を行える不動産投資信託もあります。不動産投資信託はREIT(リート)ともいわれ、複数の不動産にファンドマネージャーが投資をして、家賃収入や売却益を分配金として投資家に還元する仕組みです。投資信託は上場しており、小口でいつでも売買可能です。不動産投資初心者には向いています。

賃貸用物件の「家賃」の交渉術

不動産の賃貸について、賃貸を考えるうえで大切なことは、場所・広さ・家賃などがあるでしょう。無難な決め方は、ウェブサイトを閲覧し多くの物件を見ることで、相場観を養うことでしょうか。場所や広さで家賃はある程度決められ、他は築年数や設備などが加味されます。

物件をサイトなどで絞れたら、不動産会社に問い合わせます。問い合わせした物件がない場合もあり、サイトを更新していない会社もありますので注意しましょう。

無事に入居となったあとも大切です。家賃は基本的に下落すると考えてよいでしょう。不動産の価値は年数とともに、経年劣化していくものです。ただし、人気の場所で地価が上がったりすれば、家賃が上昇するケースもあるかもしれません。

基本的には下落するため、交渉もしましょう。周りの家賃相場を知ることで、大家に手紙などで家賃改定をお願いするのです。私の場合は、入居して4年目ぐらいでリーマンショックが起こり、数千円ですが家賃の減額交渉に成功しました。このような不況時には、相場は下がるものです。

周りの家賃などの客観的事実を示し、交渉しましょう。数千円の減少でも、数年続けば大きな金額になります。さらに年数が経てば、引き続き周りの状況を見て、減額できないかを交渉するのです。相場は下がるのですから、交渉は当然の権利です。

このとき金額も具体的に提示すべきで、目標どおりの金額にならなくても、減額には応じるかもしれません。もし家賃の値下げに応じてくれなければ、他に転居することも考えましょう。2年の更新時期などが狙い目です。

不動産の購入の場合は、金利に変化がなければローン返済の金額に変化はないのですが、賃貸は交渉で年数とともに家賃を減額できます。逆に交渉しなければ、相場より割高な家賃を払うはめになってしまいます。長年同じ場所で賃貸する人は、ぜひ交渉を行いましょう。

田中 和紀

ファイナンシャルプランナー

※本記事は『FPが教える!マネーリテラシーを高める教科書』(ごきげんビジネス出版)一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

(※写真はイメージです/PIXTA)

(出典 news.nicovideo.jp)

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