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家電量販店スタッフに聞く当店の売れ筋ポータブル電源はこれ! | ニコニコニュース

【注目集めるポータブル電源・Vol.3】アウトドア、日常使い、災害対策と活用シーンが広がっているポータブル電源。家電量販店でも以前は防災コーナーの中に展示されていたポータブル電源だが、今は防災コーナーから分かれて独立した常設コーナーを設けている店舗が増えている。毎日、来店客と対面で対応している販売スタッフに最近のお客の傾向や売れ筋を聞いた。

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●ポータブル電源の認知は高まり、購入客も増加傾向

 家電量販店の販売スタッフの話では、ポータブル電源はリアル店舗よりもECサイトでの販売構成比の方が高いという。商品にもよるが、やはり結構な重量があるために持ち帰るより配送してもらう方が楽ということもあるのだろう。

 また、決して安価な商品ではないのでECサイトで価格を比較するというケースもあると思われる。だが、リアル店舗での販売やコーナーに来るお客は確実に増えているようだ。そこで、販売スタッフから見た昨今の傾向と自店で売れている商品を聞いた。

 ビックカメラ有楽町店の近澤裕太さんは、「アウトドアシーズンはやはりファミリーのお客様が多いのですが、このところは年配の方のご購入も多くなっています」という。

 災害対策という観点では、関東大震災東日本大震災が発生した3月と9月は防災意識の高まりに比例して問い合わせが増える傾向にあるが、「弊社で実施したブラックフライデーのときも問い合わせが多くありました」とのこと。ポータブル電源の認知が高まってきたことで、売れる時期にも変化が生じてきたようだ。

 最近の傾向では、ここ1年ほどリン酸鉄リチウムイオン電池タイプの問い合わせが増えてきたことを挙げる。「安価な商品ではないので、長く使いたいと考えるお客様が多くなってきたのだと思います。リン酸鉄は従来のタイプより価格は高いのですが、長もちが重視される傾向が見られます」。

 お客が購入していく容量帯は千差万別で、容量が800W程度のタイプを災害対策用として購入していくお客もいれば、ファミリーキャンプ用として大容量タイプを購入するお客もいるという。さらにデイリーユースでの使用を目的とした購入も増えていると話す。

●キャンプや災害対策だけでなく日常使いも増えている

 ビックカメラ有楽町店での売れ筋3位は、Jackery 300 plus。近澤さんによると、Jackeryはポータブル電源メーカーとしての認知度が非常に高く、商品は知らないがメーカー名は知っているお客が多いという。

 売れている理由は「持ち運ぶにも置いておくにもちょうど良いサイズで、部屋の中での使用でも特に置き場所を選ばないところが支持されているように感じます。自宅でパソコンの操作をするために使いたいというお客様もいます」といい、日常使いをしたいお客に人気のようだ。

 売れ筋2位は、EcoFlow DELTA 2。2022年8月の発売からロングテールで「根強い人気があります」という。その人気の理由は、「AC出力が1500Wで、大抵の家電が使えて何かあったときの用途として購入される方が多いですね」と近澤さんは話す。

 災害対策用として、ソーラーパネルとセットで購入していくお客も多いという。

 売れ筋1位は、EcoFlow RIVER 2 Pro。AC出力は800Wと同社のDELTA 2よりも小さいが、「本体の重量が8kg未満で固定式の取っ手もついているので持ち運びしやすく、アウトドアでも防災でも使えます」というところが人気の理由と近澤さんはいう。

 また、内蔵のリチウムイオン電池はリン酸鉄系で長寿命。「リン酸鉄の問い合わせが多くなっており、RIVER 2 Proと同容量タイプの商品がJackeryにはないため、Jackeryから流れるお客様もいます」とのことだ。

●キャンプ需要は持ち運びの携帯性を重視

 「当店は、平日はビジネスマン、週末はファミリーとお客様の層が変わり、ポータブル電源のお客様は災害対策需要とキャンプ需要でそれぞれ購入される商品が大きく異なります」と話すのは、ヤマダデンキLABI新宿西口館の中島輔さん。

 最近は防災対策の意識が高まってきているが、「10万円未満の商品の容量では電気ポットのお湯が湧かせないため、災害対策では10万円以上のクラスをおすすめしています。しかし、キャンプなどのアウトドア用途ではそこまでの容量が必要ではなく、災害対策用よりも安価な商品が売れています」という。

 同店ではJackeryを扱っておらず、代わりにVictorの品揃えを厚くしている。「商品について詳しく調べてくるお客様は少なく、特にメーカーにこだわりは見られません。各種の容量帯を揃えておくことでお客様のニーズには対応できています」。

 同店の売れ筋についてはキャンプ需要で購入するお客が多く、そのため持ち運びができて高額でない商品の販売量が多くなっているという。

 売れ筋3位は、AUKEY PS-RE03。独特の形状で重量は3.7kg。軽量・コンパクトで定格出力は300Wと文字どおりポータブルだが、2つのAC出力ポートと5つのUSBポート、2つのDC出力ポートにより最大9台の機器に同時接続が可能だ。

 「在庫限りのお買得品となっており、手が届きやすい価格帯ということもあって売れています」と中島さん。携帯性の高さからキャンプ用として購入するお客が多いという。

 売れ筋2位は、EcoFlow RIVER 2。AUKEYと同じく定格出力は300Wで、重量は3.5kgと持ち運んで使いやすい。高速充電に対応しており、0%からフル充電までに要する時間はわずか60分。リン酸鉄リチウムイオン電池3000回の繰り返し充電が可能だ。

 「小型軽量でキャンプに持って行って使いやすく、購入しやすい価格もあって売れています」とのことで、長寿命も大きなアピールポイントのようだ。

 売れ筋1位は、VictorのBN-RF5102023年10月発売の新商品で、3つのAC出力ポートと4つのUSB出力ポートを搭載。リン酸鉄リチウムイオン電池採用により4000回の繰り返し充電が可能だ。

 売れ筋2位以下とは価格差があるが、「取っ手が大きく、重量は7kgないので持ち運びも楽。POPでもアピールしているように、レジャーや普段使いに頼もしい商品」という。キャンプ+αの使い方ができるところが売れている理由のようだ。

●選ぶ際は価格とスペックのバランスが重要

 「ポータブル電源は従来、キャンプ用途がメインでしたが、非常用電源としての需要も高まってきています。女性や年配のお客様も増えており、売れる時期も徐々に平準化してきています」というのは、ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaの結城一文さん。

 接客をしているとバッテリーの寿命や使わないときの保管方法、充電しながら接続機器に給電するパススルー対応などの質問が多く、「具体的な使い方のイメージを持っているお客様が増えてきたという印象があり、それだけポータブル電源の認知が高まっているように感じられます」という。

 決して安価ではないポータブル電源の購入では、やはり価格を気にするお客が多く、スペックと価格のバランスを考えて選ぶ傾向にあるようだ。

 同店の売れ筋3位は、Jackery 708。708Wの容量で定格出力は500W。2つのAC出力ポートを搭載し、キャンプ用としてはもちろん、災害時の非常用電源としても活用できる。

 「ポータブル電源でJackeryはいわば老舗メーカー。そのため具体的な商品はともかく、Jackeryを指名するお客様が多くいます」とのことだ。キャンプ用として事前に調べてソーラーパネルとセットで購入するケースも多いという。

売れ筋2位は、前述のLABI新宿西口館で売れ筋1位となっているVictorのBN-RF510。店頭のPOPでは長寿命、常時接続、自動給電の3つの安心ポイントアピールしている。

 「Victorは家電メーカーとしても認知度が高く、ブランドとしての安心感があります。リン酸鉄リチウムイオン電池バッテリーの寿命が長く、充電しながら給電可能なパススルー対応や非常時の自動給電切り替えなどのメリットも大きなアピールとなっています」と結城さんは話す。

 売れ筋1位は、EcoFlow RIVER 2 Proビックカメラ有楽町店でも売れ筋1位となっている商品だ。

 800Wの容量で4つのAC出力ポートを持ち、「充電時間が70分と短いところが大きなアピールとなっています。また、他社の同一タイプと比べてコスパが良い点も大きな魅力です」と結城さんは語る。そのスペックや価格から初めてポータブル電源を購入するお客には最適な商品という。

 ポータブル電源の市場は拡大傾向にあるが、その用途や目的によって選ばれる商品はさまざまだ。安価な商品ではないからこそ、しっかりと調べたうえで店頭に行き、プロである販売スタッフに相談し、最適な商品を選ぼう。

家電量販店ではポータブル電源の売り場や展示台数が拡大

(出典 news.nicovideo.jp)

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