千切りキャベツを切って→冷水でシャキッとさせてはいけない…トマトは「塩よりマヨネーズ」が正解のワケ【2023下半期BEST5】 | ニコニコニュース
※本稿は、『プレジデントFamily2023夏号』の一部を再編集したものです。
■野菜は「切る前に洗う」「大きめに切る」「油と一緒に」
野菜の栄養素といえば、まず思い浮かぶのがビタミン。体内でビタミンAに変わるβ-カロテン、エネルギー代謝に欠かせないビタミンB群、抗酸化作用の高いビタミンCなど、さまざまなビタミン類が含まれます。
実はこれらのビタミンは、野菜の洗い方、切り方、さらに調理法でも、摂取できる量に差が出ることをご存じでしょうか。
たとえば、とんかつなどの揚げ物に欠かせない千切りキャベツは、シャキッとさせるために、切ってから冷水に漬けている人も少なくないのでは? しかし栄養的にそれはNG。キャベツに含まれるビタミンCは水溶性のため、漬けた水にどんどん流れ出てしまうのです。千切りにする場合は、葉をはがすなどして洗い、その後に切るのが鉄則。もしシャキッとさせたいなら、さっと冷水にくぐらせる程度にしましょう。
ホウレンソウや小松菜など青菜に豊富に含まれるビタミンB群もやはり水溶性のビタミンなので、切ってから水洗いするのは禁物です。どんな野菜も「切る前に洗う」を基本にすれば間違いないでしょう。
加えて、切り方でもビタミンの流出量に差が出ます。栄養分をキープするにはできるだけ大きめに切ることと、繊維に沿って切ること。たとえば、ピーマンは繊維が通る縦に切るとビタミンが流れ出にくくなります。もっとも、サラダには繊維を断つ輪切りのほうがやわらかくて食べやすいはず。その場合は、すぐに食べるようにしましょう。
もう一つ、加熱の仕方もポイントです。避けたいのはゆでること。特にもったいないのは切ってからゆでる方法で、大切な栄養分を捨ててしまうようなものなのです。ビタミンを残すためには蒸すか、ラップに包んで電子レンジで加熱するのがオススメ。ホウレンソウにはカルシウムや鉄分の吸収をブロックするシュウ酸が含まれているので「ゆでないと心配」という人もいるかもしれませんが、シュウ酸が多い根元のところだけを30秒ほどゆでればOK。その後、電子レンジなどで加熱すればよいのです。
■トマトには塩よりオリーブオイル
一方、ビタミンには油脂に溶け出す脂溶性もあり、その代表が緑黄色野菜に含まれるβ-カロテン。ニンジンでいうと、油脂と合わせた場合には含有量の70%以上を吸収できますが、油脂がないと吸収率はわずか10%程度にダウンしてしまいます。
油脂と一緒に取るのが大前提なのです。そこで私がよくつくるのがキャロット・ラペです。ホウレンソウや小松菜などの青菜もβ カロテンを豊富に含んでいますが、そっくり取るなら油脂が加わるごまあえやナムルにするのがオススメ。もちろん、油で炒めれば、水溶性ビタミンの流出も抑えられるので一石二鳥です。
もっとも、青菜のおひたしのような油を使わないお総菜でも、献立に揚げ物など油脂を含む料理が入っていればおなかの中で混ざるのでOKです。1品でなく1食で過不足なく取ることが大切というわけです。
ちなみに、トマトに含まれるリコピンも同じく脂溶性の栄養素です。食べるときは塩よりマヨネーズなど油脂を一緒に取ったほうが吸収はよくなります。モッツァレラチーズと合わせてカプレーゼにしたり、よく冷やしたトマトにオリーブオイルとゆかりをかけても絶品です。さっぱりとして、いくらでも食べられますよ。
もちろん、野菜はビタミンだけでなく、ミネラル類を取れるのも利点です。そのミネラル類のうち、鉄や亜鉛は酸に溶け出し吸収しやすくなります。酢の物やピクルスは野菜のミネラルを効率よく取れる食べ方。油とお酢を含むドレッシングをサラダにかけるのも、ビタミン・ミネラルともに吸収率がアップする理にかなった食べ合わせというわけです。
■先生のオススメ緑黄色野菜レシピ
●キャロット・ラペ
千切りにしたニンジンをオリーブオイルであえたら塩・砂糖・酢で味付けするだけなので簡単です。ポリ袋に切ったニンジンと調味料を入れて振り混ぜ、空気を抜きながらキュッと口を縛れば味が染み込みやすくなるうえ、洗い物も減らせて一石二鳥です。食べる前にリンゴかオレンジの果汁を混ぜれば、フルーティな風味が加わってお子さんも喜んで食べるはずですよ。
ピーマン(1袋分)を洗い、丸ごとオーブントースターへ。しなしなになるまで火を通したら、ざく切りにして、ごま油としょうゆをかけて食べます。へたやタネなどもやわらかくなり、丸ごと食べられてオススメです。
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