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『岸田首相』大人の「学び直し」支援に1兆円…一方、大学生の学費負担は世界4位
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10月3日臨時国会の所信表明演説で岸田首相は「リスキリング(学び直し)の支援に5年で1兆円を投じる」と表明しました。学び直しでスキルを高めた人材が生産性を向上させ、賃金アップにもつながるのだといいます。

政策自体は悪くないと思います。近い将来、日本も終身雇用が崩れ、転職社会に変わるでしょう。そのとき、学び直しやスキルアップはよりよい転職に欠かせません。

しかし、「今じゃないだろう」という思いが強くあります。今、多くの人が物価高に苦しんでいます。国は9月に住民税非課税世帯への5万円給付を決めましたが、支援してほしい方はもっとたくさんいるでしょう。

また、電気代も上がる一方ですが、国が進める「節電ポイント」はネット申込みが必要で、全家庭に行き渡るものではありません。国が直接電力各社に補助金を配り、利用者が手続きしなくても一律数千円を値引きしてくれたら……。みんなが苦しい今は、わかりやすい支援を行ってほしいものです。

加えて、学び直しのターゲットは30~40代でしょう。“蚊帳の外”感が否めない50代は、子どもの教育費に追われ、忙しさで自分の時間が取れず、さらに役職定年などで収入が減ってしまう苦しい世代。「将来より今を何とかしてくれ」という方が多いのではないでしょうか。

■国民の生活のために 今、必要な政策なのか?

もう1点、子どもの教育費も問題です。所信表明演説と同じ3日に、OECDは日本の学費負担の重さを指摘しました。日本は学費の52%を家計が負担し、国などの公費負担33%より重いのです。家計負担の重さはコロンビア68%、チリ57%、イギリス54%に次ぐワースト4位! 国公立大学の授業料もイギリスアメリカなどに次ぐ世界5位の高さです。今、学生のいる家庭は「親の学び直しより、子どもの教育費を何とかしてくれ」と思うのでは。

繰り返しますが、学び直しは大切です。ただ優先順位を考えると、多くの国民が「ほかにもっと大切なことがあるだろう」と思うような政策を、高らかに宣言する岸田首相は、国民の生活が見えていない。見る気がないのかもしれません。

最後に、私には危惧があります。というのも学び直しにはすでに「教育訓練給付制度」があり、看護師など専門資格の取得には「専門実践教育訓練」で費用の最大70%が補助されます。また45歳未満で失業中、初めての教育訓練などの条件を満たせば、以前の給料の最大80%が「教育訓練支援給付金」として支給されます。これらをもっと周知して支援を広げればよいのに、果たして1兆円も必要でしょうか。

思い出すのは03年に総工費581億円をかけて造った「私のしごと館」です。10年に閉館するまで毎年赤字を垂れ流し、税金のムダの象徴でした。この二の舞いにならないよう願うばかりです。

(出典 news.nicovideo.jp)

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