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働き方改革、コロナ禍でのテレワークやDXの急速な浸透、SDGsや社会貢献etc. ビジネスを取り巻く環境が激変するなかで、会社のあり方にも変化が求められている。これまで「セーフ」だった組織文化も、気づけば「アウト」に――。危ない会社の特徴をプロフェッショナルに取材した。
“やってる感”で混乱・疲弊していく負のスパイラル!
またひとり、若手が辞めた―。ビジネス環境が急速に、しかも大きく変わりつつあるなかで、「ひょっとして我が社、ヤバいのでは?」と漠然とした不安を抱えながら働いている人も多いはずだ。
ブラックではないが、近い将来、消えゆく危ない会社の兆候について、「まず、わかりやすいのはテレワークへの対応」と語るのは、ブラック企業アナリストの新田龍氏(@nittaryo)だ。
「いまだに紙やハンコ文化がまかり通るのは論外ですが、Zoomに上座下座を持ち込んだり、上司の退出時にお辞儀で見送る、自宅でもスーツ着用など、無意味なルールを強制する会社は危険です。マナーや礼儀ばかりに神経質で、本質的な生産性や効率、働きやすさを疎かにする会社は、もはや思考停止と言っていい」
上司たちの暴走も

さらに、テレワークで「部下を管理しよう」と躍起になる上司たちの暴走も止まらない。
「“どれだけ額に汗したか”など判断基準が曖昧なので、顔が見えないと不安になり、パソコンの画面を5分置きにキャプチャーするなど監視して職場が疲弊。しかし、裏を返せば『部下を信頼できないのはマネジメント能力がない証拠』です。自分の無能を棚に上げ、部下を締めつけて管理した気になれば、現場の士気は下がる一方です」(新田氏)
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表面的なDX投資で“やってる感”を演出

ただ、このような例はわかりやすいケース。厄介なのが「表向きは“改革に取り組んでいる風”の会社」だと新田氏は続ける。
「とりあえずデジタル人材を採用しておけばDX化すると考える経営陣はかなり多い。しかし、解決すべき課題や軸となる方針が見えない状態で、ただ高い給与でデジタル人材を雇っても、組織が混乱するだけ。これは、適性を考慮せずに形だけ女性管理職を増やす企業も同様です。“やってる感”だけで“なぜ改革が必要なのか?”という根本的な問いがないので、誰も幸せにならず、無駄な軋轢だけが残ります」
「理系偏重主義」に疑問

人事戦略コンサルタントの松本利明氏(@Tommy_matsumoto)も、DX化で増えつつある「理系偏重主義」に疑問を呈す。
「もはや文系・理系という色分けがナンセンス。双方の人材が連携し、知見がマッシュアップされることで高付加価値な仕事が生まれるという形が基本です。逆に、デジタルツールを導入したものの、部署間での情報共有や意見交換が行われずに分断が進む『サイロ化』が起きてしまう会社も少なくない。テレワークが増え、オフィスでの雑談や飲み会が減った今、情報や知見が偏るサイロ化のリスクは、より高まっています」
上司部下間の断絶は…
部署間や上司部下間の断絶は、会社にとって死に至る病だ。
「トレンドだからと1on1体制を整えても、上司が『見て覚えろ』しか教育方法を知らなければ、不毛な時間が流れるだけ。今は売り手市場なので、若者も『ここではプロとして成長できない』と思えば、上場企業ですらすぐに辞めます。
職場の空気は悪化し、イライラが募ってハラスメントが横行。目に見えて休職、退職が増え始め、泥縄的に人手不足を補いたい人事部が『やりがい』『アットホーム』を過剰に打ち出したキラキラSNSを発信、炎上という香ばしい事例も増えています」(松本氏)
そんな“危ない会社”の特徴、あなたの会社は大丈夫だろうか?
【年表】2015年~、激変する職場環境

▼2015年、国連サミットで採択されたアジェンダに「持続可能な開発目標(SDGs)」が記載され、よりよい世界を目指す国際目標とされる
▼2018年、「働き方改革法」が成立
◉長時間労働の解消
◉正社員と非正規労働者の格差是正
◉高齢者の就労促進
などが課題として取り組まれることに
▼2019年、「改正労働施策総合推進法(通称・パワハラ防止法)」が成立。
▼2020年、コロナ禍を契機に、テレワークや商慣習の電子化などDXが急激に浸透する
▼2022年、4月から「パワハラ防止法」の対象が大企業から中小企業へ拡張される
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<取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/宮下祐介 モデル協力/古賀プロダクション(大山きか 東邦治 石川佳弘 佐藤秀雄)>
【新田 龍】
ブラック企業アナリスト。働き方改革総合研究所代表。ブラック企業のトラブル解決に長年取り組む。近著に『問題社員の正しい辞めさせ方』(リチェンジ)などがある
【松本利明】
人事戦略コンサルタント。HRストラテジー代表。HR総研客員研究員。複数のコンサル企業を経て現職。近著に『できる30代は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)など
【週刊SPA!編集部】

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