「AIアバター」流行 顔写真アップで“似てるけど美しい自分”に会える 480円で試したリアル報告 | ニコニコニュース
ここ数日、「AIアバター」がSNSで話題になっている。写真アプリ「SNOW」の新機能だ。
自分の顔写真を10~20枚アップロードすると、AIが特徴を学習し、50枚以上のアバター画像(顔のイラスト)を生成してくれる有料のサービス。
芸能人が試して結果を次々にSNSに投稿し、「似ている」などと話題になり、一般ユーザーでも試す人が増えている。
ただ芸能人は、メイクを仕上げた写真を学習させ、生成されたイラストから何を見せるかも選んでいるはず。一般人がノーメイクに近い写真で試す場合とは、異なるアウトプットが出るのではないだろうか。
そう考えた記者(中年女性)が、自分の適当な写真でAIアバターを試したリアルなレポートをお届けする。
●「自分の顔写真10~20枚」 中年には高いハードル
AIアバターを始めるには、SNOWアプリをインストールし、起動して「AIアバター」メニューを選ぶだけ……だが、一般の中年には、高いハードルがある。10枚以上の自分の顔写真を集めるのが困難なのだ。
芸能人や10代、20代なら、自分の顔写真をたくさん撮っているのかもしれないが、40代一般人の筆者のスマホには、自分の顔写真などほとんどない。詰んだ……。
古い写真を含めて探すしかない。Googleフォトの顔検索機能を使って、自分の顔を一覧表示し、3年前まで遡ってようやく、十枚ダウンロードできた。まともな写真は少なく、家の中で子どもに撮られた、背景が家具などでぐちゃぐちゃになっている写真などが多く含まれているが、仕方ない。
写真をSNOWにアップロードし、性別を選んだ後、「AIアバター50/100/240」の3プランから1つ選ぶ。数字がそれぞれ生成されるアバターの枚数。料金は480円/650円/1100円だ(iOSの場合)。
480円からという価格設定は想像より高額で一瞬ひるんだが、思い切って課金した。といっても最安プランだが。
決済からアバター生成まで20分かかると表示され、ちょうど20分ほど待ったところで、アバターが完成したとの通知が来た。完成品を見て驚いた。自分で見ても、似ていると感じたからだ。
●「似てるけど美しい自分」に会える
そこにいたのは、「似てるけど美しい自分」50人。目の形や骨格、髪の毛のクセなどの雰囲気がおおむね再現されている一方で、アゴがシュッとし、一重の目が二重や切れ長になり、シミやシワがスッキリ消え、肌色がツヤツヤしている。これはいい。うらやましい。
AIアバター50では、リアルイラスト風の「ベーシック」、アニメ・映画風の「ファンタジー」、花をまとった「フラワー」、SF風の「サイバーパンク」、イラスト風の「スケッチ」の5種類の画風で、それぞれ10枚ずつ生成される。
SNOWのAIアバターは、相当美化されているけれど、ちゃんと私っぽい。知人に見せても「画像から誰のイメージか分かる」と言っていた。自撮り画像をAIで美しくするサービスは数あれど、特徴をとらえ、セルフイメージに近い画像を生成できるのはSNOWならではだ。
SNOWは、AIを使って顔画像をきれいに“盛って”くれるサービスとして長く使われてきた。ユーザーが納得する“盛り方”のノウハウを、このサービスに注入したのだろう。
ただ、50枚もの“自分にやや似たイラスト”の使い道は分からない。SNSに投稿して「いいね」を稼ぐことはできたが、これ一体、何に使えばいいでしょうかね……。
ちなみに若い女性の間では「メイクや髪型の参考になる」と評判らしい。他にも、SNSのアイコンにしたり、AIで描く漫画の登場人物に使ったり、といったことはできそうだ。
AIアバターは、インフルエンサーや芸能人がTwitterやInstagramに次々に投稿したことがきっかけで流行に火がついた。そこにはお金も絡んでいたようだ。
AIアバターを試しているインフルエンサーのTwitter投稿の一部には、リプライに「#Snow #PR」と書かれているものがある。新機能を出したSNOWが、インフルエンサーに有料でPRを依頼して投稿してもらったのだろう。
ただ、芸能人などが自腹で試したとみられる投稿も多い。クオリティの高さから口コミでの拡散し、流行しているというイメージが広まって、試す人が増えているようだ
気取らない自撮り写真から、似ている! と納得できる美しいイラストが生成されるのは面白い。使い道が思いつく人は、試してみる価値がありそうだ。