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「富裕層」と遜色ない…「国家公務員カップル」のお給与事情

内閣官房内閣人事局『国家公務員の給与』(令和2年版)などから、国家公務員夫婦のお金事情についてみていきましょう。

実は富裕層に近い「国家公務員カップル」のお金事情

国家公務員どうしで結婚した「公務員カップル」が、実は富裕層になりやすい世帯のひとつであることをご存じでしょうか。富裕層の定義や「国家公務員夫婦」のお金事情をみていきましょう。

富裕層・準富裕層の定義は?

富裕層・準富裕層の定義にはさまざまなものがありますが、最も一般的でわかりやすいものは、株式会社野村総合研究所の「世帯の純金融資産保有額」をもとにした定義でしょう。

■純金融資産保有額による階層の定義

純金融資産保有額が5億円以上…超富裕層

純金融資産保有額1億円以上~5億円未満…富裕層

純金融資産保有額5,000万円~1億円未満…準富裕層

純金融資産保有額3,000万円~5,000万円未満…アッパーマス層

純金融資産保有額3,000万円未満…マス層

出所:株式会社野村総合研究所『野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計』より作成

国家公務員夫婦の平均給与

内閣官房国家公務員の給与モデルを、下記のように示しています。

国家公務員の給与モデル

係員(25歳)…月額193,900円

本府省課長補佐(35歳)…月額442,880円

本府省課長(50歳)…月額746,160

出所:内閣官房内閣人事局 国家公務員の給与(令和2年版)より作成 

国家公務員は能力の高い人材が集まっているうえにポストの数が非常に少ないため、なかなかこの給与モデルのようにはいきませんが、とんとん拍子に出世できたケースを想定してみてみましょう。

金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査令和2年)』によると、平均貯蓄率は13%。25歳から35歳の間を月収193,900円で、35歳から50歳までの間を月収442,880円で、50歳から60歳の間を月収746,160円で考えたとき、公務員夫婦は5,005万6,656円貯蓄することができます。

これ以外にも、年間約4.5ヵ月分がボーナスとして支給されるため、順調に出世できた場合、国家公務員夫婦は普通の世帯が貯蓄に回しているように収入を貯蓄に回すだけで準富裕層の層に入ることができるのです。

20年前後で金融資産「1億円」に到達

公務員夫婦が受け取る退職金の平均額

退職金の金額は、退職事由や勤続期間に応じて異なります。算定の方法は下記のとおりです。

公務員が受け取る退職金の計算方法 退職手当額 = 基本額 + 調整額 基本額 = 退職日給料月額 × 退職理由別・勤続年数別支給率 調整額 = 調整月額のうちその額が多いものから60月分の額を合計した額

実際に受け取った金額とみてみると、令和元年度、1人当たりの平均支給額は平均で1,058万1,000円となっています。

公務員夫婦の場合、この金額の倍額を受け取ることになるため、2,116万2,000円です。

先ほどの想定額に加えた場合、7,121万8,656円です。日本株の平均利回りである年間2%で運用し続けると、20年前後で富裕層と定義される「金融資産 1億円」に到達します。

過労死ライン」を超えて残業することも

上記のように、高給取りで将来も安泰にみえる国家公務員ですが、問題視されるのは、残業時間です。

政府の調べでは、2020年12月2021年2月にかけて「過労死ライン」の月100時間を超えて残業していた職員が約3,000人いるとされています。2019年、人事院規則が改正され、国家公務員の残業時間の上限を原則として月45時間かつ年間360時間と明記した後の残業時間ですので、より深刻さがうかがえます。

上記のような現状を把握して、それでも「富裕層になりたい!」という方は思い切って公務員に転職……というのも、考えられる選択肢のひとつかもしれません。

(※写真はイメージです/PIXTA)

(出典 news.nicovideo.jp)

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