『ドラゴン桜』東大生も納得した「勉強はできても、説明が下手な人の特徴」――大反響トップ10 | ニコニコニュース
2022年、日刊SPA!で反響の大きかった記事からジャンル別にトップ10を発表。今回は該当ジャンルが無くトップ10で紹介できなかったが、実は大反響だった記事を紹介する!(集計期間は2022年1月~11月まで。初公開日2022年8月14日 記事は取材時の状況)
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現役東大生の布施川天馬と申します。学生生活の傍ら、ライターとして受験に関する情報発信などをしています。
◆プレゼンを苦にしない人の共通点
皆さんは人前で話すことは得意でしょうか? 僕は小さい頃から人前で話すことが大好きで、生徒会長や劇の主役など、とにかく目立つ役職に就くチャンスがあれば必ず立候補していました。
人によっては、この話をすると信じられないといった顔をされますが、僕からしたら「なぜ面白そうなチャンスがあるのに乗り込まないのか?」と不思議に思ってしまいます。
性分というものは本当に人それぞれなのだと面白くはなりませんか。
◆人前で上手に話すためには…
さて、そんなプレゼンですが、子どもの頃は避けて通ってきたとしても、成長するにつれてかかわらざるを得ない機会も増えてきます。
たとえば、高校や大学の入試で面接を受けなくてはいけなくなったり、授業の中でクラス内の発表が課されたり……見知った人の前だけでならまだしも、大人同士のプレゼンの場では、まったく見知らぬ人の前でもある程度、話せることが要求されるように思います。
世の中には「緊張したら手のひらに人を書いて飲み込む」「オーディエンスをカボチャだと思い込む」などなど、緊張を回避する術は星の数ほどあります。
◆説明をわかりやすくするためのポイント
しかし、そうしてプレッシャーを乗り越えたあとのこと、すなわち「どのようにしてわかりやすく話を展開するか」という点についてまではなかなか気が回らないのではないでしょうか。
緊張していると説明なんてままならない……それにはしっかりとした理由があります。
それは「説明の肝は、相手目線に立って考える」ことにあるからです。人気漫画『ドラゴン桜』にもその重要性が解説されるシーンがありました。
◆「全員不合格」となった理由
超進学校化が目前となった龍山高校では、主人公の桜木建二を中心に学内の人員整理が行われていました。
その人員整理の一環で先生向けのテストが行われたときのこと。テストに対して、戦々恐々とする教師たちでしたが、その内容は「学校について書け」という非常にシンプルかつアバウトなものでした。このお題に対して、教師陣は意気揚々と自分なりの答えを書き出します。
しかし、試験終了後、桜木の放った一言は、その場にいた全員を驚愕させました。なんと答案を一瞥するなり「全員不合格」と言い放ったのです。誰もがテストに合格できるように、必死に書き込んでいたはずなのに、どうしてチラッと見た程度で不合格だと言い切ることができたのでしょうか。
◆「独りよがりな説明」は意味をなさない
それは、全員相手の立場に立っていない回答だから。誰でも言えてしまいそうでフワフワした内容を言っているだけなので、書き手が何を言いたいのか、どうしてそうなのか、読み手にまったく伝わってこないのです。
ここを読んだとき、僕は思わず「たしかに!」と頷いてしまいました。というのも、受験勉強においても同じことが言えるからです。
自分がその問題を理解できていることはまず最低条件として、「どうやったら自分がその問題を理解していることが採点者に正しく伝わるだろうか」と四苦八苦した思い出があるので、「伝わらない独りよがりな答案なんて、確かに不合格だろう!」と納得したのでした。
とはいえ、いきなり「独りよがりな説明」など言われても、「ではどうすればいいんだ」となりますよね。これに対して桜木は、「人を引き付けるテクニックを使え」と言っています。
テクニックは邪道だと思われがちですが、最低限のテクニックもない体裁の整っていない文章を人は一瞥すらしてくれません。
そもそも、考えてみると今この世に存在しているすべてのテクニックは、もとはどこかの天才が考え出した「個人の才能」です。そして、誰にでも扱えるようにアレンジしたものが技術であり、テクニックです。となれば、テクニックを身に着けることで「才能がない人も才能を身につけられる」と言えるのではないでしょうか。
もしも、ご自分が説明下手だと思われている方がいらっしゃるなら、まずは「最初に話題を具体的にする」「結論を簡潔に説明する」「一つ一つの文章はなるべく短くする」「指示語を減らす」などの基礎的な説明のテクニックを身につけると、人に伝わる話し方ができるようになるのかもしれません。
テクニックを身につけて、誰にでも一瞬で伝わる説明がマスターできるようになれば、きっと人前で話すときも緊張しなくなると思いますよ!
【布施川天馬】
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Twitterアカウント:@Temma_Fusegawa)