和食、洋食、中華、エスニックと幅広いジャンルの料理を取り揃えるUber Eats(ウーバーイーツ)。その中で、厳しい意見が目立つ二郎系ラーメンを発見。
本家・ラーメン二郎をこよなく愛する”ジロリアン”の記者が食べてみると…
■ウーバーに「二郎系」が
コロナ禍で日本に浸透したフードデリバリーサービス「Uber Eats」。これまでデリバリーしていなかったお店がウーバーを始めるケースも多い。ラーメン店もその一つで、「二郎系」「二郎インスパイア」と呼ばれるお店が続々と参入している。
「二郎系」は、ラーメン二郎三田本店の影響を受けて作られているラーメンのこと。おなじみのうどんのように太い麺、丼が麺で見えないほど野菜を盛ったスタイルである。
ただ、出前で「二郎スタイル」を再現するのは難しいのか、「二郎系」でウーバーを実施しているお店はまぜそばやつけ麺を提供するところが多い印象だ。
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■宅配限定で食べられるお店
そんな中、珍しくラーメンを食べられるお店があった。ウーバーの評価は星4.4と高めだが、出前館のレビューは1.6で「備考欄全く無視され2度と頼みたくない」「麺が固く美味しくなかった」など辛口のコメントが目立つ。
ネットで店名を調べてもお店はヒットしない。どうやら宅配限定でやっているようだ。
記者は20代前半のころ、週1でラーメン二郎に通っていたジロリアン。二郎の魅力に取りつかれ、気付けば体重46キロで細身だった身体は2年間で20キロ増量し、お腹周りが「マシマシ」になるまで食べ続けた”ガチ勢”だ。
それだけにこの評価が真っ二つの二郎系、食べないわけにはいかない。お店が「一番人気」と推すラーメン(1,440円)を注文。麺の量は普通、大盛り、特盛りから選択可能で、野菜の量も少なめ・普通・マシ・マシマシから選べる。
また、ニンニクや背脂の量もマシ・マシマシにできるなど本格的だ。(いずれも大盛り・マシからプラス料金)。初めて頼むため、量・トッピング共にすべて普通にした。
■写真と見比べても…
注文から15~20分程で到着。中を見ると、茹で上がった麺の上に野菜とニンニクが乗っていて、スープは別皿によそられている。
盛り付けて実物と写真を見比べてもほぼ遜色ない。野菜の量をマシにしていれば、ほぼ写真通りだろう。
まずは上に乗った野菜から食べる。もやし、キャベツ共にシャキシャキでいい感じだ。続いて麺を持ち上げる。
ごわごわわしわしの太麺だ。ときどき「二郎系」を名乗りながら細い麺を提供するお店もあるが、ここは本家に忠実だ。麺はたしかに少々固めだが、小麦粉感が強く中々イケる。
チャーシューは厚みがある上に少し炙られるなど、工夫が見受けられる。だが、麺に絡むスープに「違和感」を覚えた。
■「違和感」の正体は…
スープだけ飲んで、違和感の正体に気がつく。パンチが足りないのだ。
ジロリアンならご存知、二郎のスープは大きく「乳化スープ」と「非乳化スープ」の2つに分けられる。両者の違いを簡単に説明すると、脂がスープに溶け込んで白く濁っているか否か。
「乳化」は脂がスープに溶けて独特の甘さがあるのに対して、「非乳化」はそれがなく醤油ダレの美味しさを堪能できる。その点、このお店のスープは「乳化」としては脂が足りず、「非乳化」の割には醤油の味が薄め。
その結果、全体的に味がぼんやりしてしまっているのだが、お店のように脂をたっぷり入れると持ち運ぶ時に固まったり、容器がベタベタしてしまうのかもしれないので、タレを小瓶に入れるなどすると良いかもしれない。
全体的に「二度と頼みたくない」ほどひどいものではなかった。麺の茹で加減を選べるようにしたり、スープをもう少し改善すればより本家に近い一杯になるはずだ。
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