AI登場で国語を学ぶ必要性が低下!? AIを夏休みの宿題に利用した者も | ニコニコニュース
若者の生成AI認知率は9割、利用率は4割
若者たちは生成AIについてどのようにとらえ、利用しているのか。日本財団の18歳意識調査結果 第57回テーマ「生成AI」(2023年8月)を見てみよう。この調査は17~19歳を対象としており、高校生・高等専門学校生、大学生・短大生・専門学校生が大半を占める。
生成AIの認知度について聞いたところ、「知っていて使ったことがある」(36.1%)、「使ったことはないが、知っている・聞いたことがある」(50.3%)となり、「知っている」割合は全体で9割弱、利用率は4割弱となった。
利用したことがある生成AIについて聞くと、ChatGPTなどの「テキスト生成AI」が9割以上、Midjourneyなどの「画像生成AI」が3割以上で、そのほかの動画生成AIや音声生成AIなどは1割以下だった。
夏休みの宿題・課題での生成AI利用は約1割
生成AIを使ったことがある人に用途を聞いたところ、6割以上が「暇つぶし(特に用途がないときに使ったことがある)」と回答。「学校の宿題や職場で使う資料の文章を作ってもらうため」が約4割、「授業などではよく理解できなかった事柄・事象についての理解を深めるため」「自分や周りの人だけではなかなか発想できないアイデアを出すため」が約3割などとなった。
生成AIについて知っていた学生に、今年の夏休みの課題・宿題に生成AIを活用したか聞いたところ、「まだ取り組んでいないが、活用する予定はない」(7.8%)、「活用していない」(55.3%)と大半は使っていなかった。一方、「活用した」は7.9%、「まだ取り組んでいないが、活用する予定」(2.5%)と、約1割が宿題・課題に利用していた。
アイデア出しや叩き台として利用する程度なら問題ないが、なかには作成したものをそのまま提出してしまった学生もいる可能性がある。文部科学省は生成AIの夏休みの宿題への不正使用を懸念し、夏休みを前に生成AI利用に関するガイドラインを公開していた。懸念はある意味当たっていたというところだろうか。
なお、生成AIの登場によって学ぶ必要性が下がったと感じる学問はあるかという質問に対して、約5割が「生成AIの登場によって学ぶ必要性が下がったと感じる学問はない」と回答。一方で、国語(現代文、古文、漢文)、数学、外国語、情報通信・IT、歴史(世界史、日本史)などを学ぶ必要が下がったという回答も1~2割程度あった。
生成AIは間違うため、できあがったものは必ず人の目で確認する必要がある。使う人間が内容を理解していなければ適切に使いこなすことはできない。
学生によっては、生成AIの登場によって学問を学ぶ必要性が下がったと感じたり、宿題や課題をやらせていることがある。しかし、学生時代は様々な学問を学び、生成AIに負けない力(生成AIが出力した内容の正誤を判断できる力)を付けるべきときであり、適切な指導が求められていると言えるだろう。