「え?エレベーターじゃなくて飛行機だよ?」空港でまさかの重量オーバー | ニコニコニュース
奄美大島で行われた「かごしま国体」の相撲競技が先日、無事に日程を終えた。しかし、大会前日、約460人の屈強な男たちが奄美大島へ向かう際にあるハプニングが起きていた。
10月12日に羽田空港で撮影された写真では、体格のいい男性たちが搭乗口近くに集結している。搭乗まであと少しとなったところでハプニングが起きた。予定されていた飛行機に乗客全員乗ることができなくなったというのだ。同様の事態は伊丹空港でも起きていた。
「キャリーケースを預けようとしたときに『乗れない』と言われて、『ちょっと待ってから羽田に飛んでください』と言われた。羽田で乗れなかった人たちと伊丹で乗れなかった僕らが合流して(奄美へ)行った」(伊丹から奄美へ直行便に乗る予定だった、岐阜代表の選手)
日本航空の職員は、その理由を
「飛行計画を作る段階で相撲関係者の予約が多いことが判明し、体重確認をしたところ重量オーバーの可能性があることがわかった」と説明した。
“機体の重量制限”が理由で、直行便に乗客全員を乗せることができなくなったのだ。一般的に成人男性が70kgとして計算されるのに対し、力士の平均体重は120kgもある。当初予定していた165席搭載の機体に、仮に成人男性と力士がそれぞれ全員座った場合、約8300kg(8.3t)もの差となる。そのため、羽田発の臨時便を1便追加し、分散して運ぶことになった。
「必要な燃料が搭載できなくなることで、減らしたら今度は安全性にも影響が出てくるので、やむなく臨時便を出して対応したということだと思う」(航空評論家・元日本航空機長 小林宏之氏)
伊丹空港から直行する予定だった14人も羽田に移動し、合計27人が臨時便に搭乗し奄美に向かった。
15日午後8時半頃に到着した福岡発羽田行きの定期便は、当初予定していた252人乗りの機体から、急遽369人乗りのビッグサイズに変更。午後9時、羽田空港の到着ロビーには「かごしま国体」で熱い戦いを繰り広げた相撲選手たちが現れた。
日本航空はまず、奄美空港から福岡空港行きの臨時便を追加、さらに福岡空港からの定期便も大型の機体に変更することで“どすこいパニック”に対応した。
この飛行機に乗っていた、5人あわせて600kg超えの群馬県代表の高校生たちは、機内の様子についてこう話す。
「最初の奄美から福岡行きのところは少し空きがあったり、福岡からこっちまではもうびっしりで140kgと140kgが隣り合わせという席もあった」(群馬県代表の顧問)
「この3人で並んで座っていた」(左側の選手)
「たぶん真ん中が一番きつかったと思う」(右側の選手)
「自分1年生なんで…笑」(真ん中の選手)
今回の航空会社の緊急対応に、高校生たちや顧問も感謝していた。
「重くて大丈夫かなというのは、内々でちょっと笑い話で出ていたが、本当にそうなってしまった。サポートしていただいたので我々としてもちょっと疲れましたけど、これも貴重な経験です」(群馬県代表の顧問)
(『ABEMAヒルズ』より)