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「4000年に一度」皆既月食と天王星食の同時観測、11月8日夜に
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毎日新聞2022/11/1 15:19
https://mainichi.jp/articles/20221101/k00/00m/040/187000c

満月が地球の影に完全に隠れる皆既月食に、天王星が隠れる天王星食が8日夜、東京から新潟以西の各地で見られる。国立天文台によると、日本でこの二つが同時に起こることは4000年以上ない。東日本での天王星食は皆既食後の部分食中になる。夜空を見上げ、赤銅色(しゃくどういろ)の月と天王星のつかの間の共演を楽しむのも良さそうだ。

この日、月は午後6時9分に欠け始め、7時16分から8時42分まで皆既食になる。その後、欠けた状態が徐々に少なくなり、9時49分に満月に戻る。一方、天王星は東京では皆既食中の午後8時41分(札幌49分、那覇13分)に月に隠れ、部分食になった9時22分(札幌47分、那覇8時54分)ごろ、再び姿を現す。

天文台によると、日本では皆既食は1年半から2年に1回程度ある。ただ、皆既食中に惑星食が重なるのは極めて珍しく、日本では1580年7月の土星食までさかのぼる。次回は2344年7月の土星食という。

気象庁によると、8日は北日本から西日本にかけて晴れる所が多いが、北日本の日本海側は雲が広がりやすい。

天王星は太陽から7番目の惑星で、約6等と暗い空に肉眼でやっと確認できる明るさだ。今回、皆既食で月が暗くなるため肉眼でも通常より見やすくなるが、はっきり観察するためには双眼鏡や望遠鏡が必要だ。

皆既食の月が真っ黒にならず、赤銅色になるのは、地球の大気がレンズのような役割を果たし太陽光が屈折するためで、波長の短い青い光が散乱し、波長の長い赤い光が通過するからだ。

国立天文台は「皆既食中の天王星食は日本では大変まれなこと。ぜひ双眼鏡を使って夜空を眺め、月の色などにも注目して天王星との対比を楽しんでほしい」と話している。【垂水友里香】

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