毎月決まった金額が支払われることの多い給料と違い、ボーナスは業績や社員の成績と連動した形で金額が決まるのが一般的です。では、2022年の冬ボーナスは過去2年と比較して、上がっているのでしょうか、下がっているのでしょうか。三菱UFJリサーチ&コンサルティングのレポートや、厚生労働省の統計から見てみます。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングが11月9日に発表したレポートによると、民間企業(調査産業計・事業所規模5人以上)の22年冬ボーナス1人当たり支給額は、「39万458円」の見込み。内訳を見ると、製造業が「52万9704円」、非製造業が「36万3900円」です。
民間企業全体では前年比で2.5%の増加がみられるようです。コロナ禍の影響が落ち着くとともに、改善が続く企業業績や堅調な雇用情勢がボーナスの押し上げ要因だ――と同社は分析しています。
ちなみに、直近3年で民間企業の冬ボーナスが最も少なかったのは、20年です(20~21年は厚生労働省「毎月勤労統計調査」、22年は三菱UFJリサーチ&コンサルティングのレポートを基に比較)。業績や雇用環境に対するコロナ禍の影響が大きく、前年比で6.1%減の「31万1233円」でした(事業所規模5人以上における1人当たり支給額)。
21年は前年比0.1%の増加。3年ぶりの増加ではありながら、増額は小幅にとどまり1人当たり支給額は「31万4149円」でした。コロナ禍の影響が薄らぎつつも、「道路旅客運送業」(前年比13.1%減)や「娯楽業」(前年比10.9%減)などが落ち込む結果となっています。一方、これらコロナ禍が直撃した業界は、22年夏ボーナスで反動増による増加幅が大きく、22年冬ボーナスも堅調に推移すると見ることもできそうです。