SNSを頑張るも「残念」なおじさんたち。自らの“趣味”をバラしてしまうことも | ニコニコニュース
時代は令和へと移り、おじさんの社会的な権力が年々低下しているにもかかわらず、強者として批判され、下等な生き物とバカにされる。それでも必死に生きる彼らをよく観察してみると、さまざまな生態が見えてくる。今回はSNS編、残念な5つのタイプを解説する。
◆炎上は絶対回避! 新しい価値観を勉強中
①時代の空気を読むおじさん……少しズレていても、価値観を共有しようとする姿勢は好印象
コロナ以降、ジェンダー平等のムーブメントへの理解が深まり、おじさんコミュニティにもとうとうフェミニズムやLGBTQといったワードが到来。
長年おじさんの生態を観察してきた作家の鈴木涼美氏が「森喜朗元首相の女性蔑視発言などを受けて“女性を敵に回してはいけない!”という意識が高まりました」と分析するように、「明日は我が身」と炎上回避のためにニュースサイトを覗いて勉強したり、関連トピックをリツイートしたりしてアピールする人が急増。
これまでは日陰にいたフェミニズムに比較的理解のある草食系おじさんの台頭も目立った。
「日々状況が変化するので、追いついたと思っても実は半歩遅く『何か違う?』と戸惑う人は多いですね」(ライフキャリアコンサルタントの金澤美冬氏)
とはいえ、一生懸命に努力する姿勢は周囲から好印象を抱かれやすいのは間違いない。
◆SNSで募る変身願望を発露!
②異世界転生おじさん……自撮りを載せることの是非はさておき、努力する姿勢には脱帽だ
いわゆる“異世界転生もの”のライトノベルが大流行するなか、心に秘めた変身願望を具現化するおじさんたちが、現実に現れ始めた!
突然ジムに通いだして、その過程を自撮りとともに毎日SNSで綴ったり、急に禁煙・禁酒をし始めたと思ったら、数か月後に「ベストボディ・ジャパンの予選を通過しました」と突然報告したりするおじさんが出現中。
さらには、もっとお手軽な転生テクニックも登場した。
「ネカマやバ美肉(バーチャルで美少女のアバターを手に入れること)によって、SNSでいいね!を稼いでいるおじさんも多いです」(金澤氏)
◆見られてるよ!気づいて!
③スマホ丸見えおじさん……スマホ画面が隙だらけのおじさんたちは微笑ましくもある
スマホを使いこせるのに、セキュリティの詰めが甘くなりがちなおじさんたち。特に目立つのは電車の中だ。
「TikTokで女子高生を眺めたり、グラビアアイドルのインスタグラムを巡回しているのも、隣の席からモロバレの状態だったり、窓にがっつり映っていたり、後ろに立っている人から丸見えなことに気づいていないおじさんはとても多いです」(金澤氏)
◆微笑ましいミスだが油断は禁物
さらには、普段の閲覧やいいね!の傾向からSNSにターゲティングされていることに気がつかず、「TikTokやインスタグラムってコスプレ娘ばかりだね」と自らの趣味をバラしてしまうおじさんも。
微笑ましいミスだが、くれぐれもご注意を……。
◆今年一番よかった映画は『トップガン』
④ノスタルおじさん……童心に帰るあまり、無意識のうちにマウントをとってしまうことも
『トップガン マーヴェリック』や『THE FIRST SLAM DUNK』とリバイバルブームに沸くおじさんたち。何十回と映画館に通う猛者も多いが「人生損するよ」と大興奮のおじさんに勧められ、げんなりしているおじさんも。
⑤デジタルデトックスおじさん……わざわざ宣言せずとも疲れてしまったなら、スッと距離を置こう
突如放たれる「SNSと距離を起きます宣言」。“テレビ見ないんだよね”アピールの進化系の場合、自分で投稿はせずともしっかりとタイムラインに目を通し続けていることが多いものの、純粋に疲れてしまった人も散見される。
【作家・鈴木涼美氏】
日経新聞記者時代に発表した「『AV女優』の社会学」(青土社)で注目を浴びる。近著に『8㎝ヒールのニュースショー』(扶桑社)
【ライフキャリアコンサルタント・金澤美冬氏】
プロティアン代表取締役。50代60代のキャリア支援に従事。著書に『おじさんの定年前の準備、定年後のスタート』(総合法令出版)
取材・文/週刊SPA!編集部