「たまごっち」は今どうなっている? 全世界で4000万個以上売れた大ヒット商品の進化 | ニコニコニュース
たまご型の携帯育成デジタルペット「たまごっち」は1996年11月に発売され、大ヒットした。初代は全世界で4000万個以上売れたが、現在はどうなっているのだろうか。バンダイの企画担当者に話を聞いた。
【画像】すごい変わってる! 90年代から現在までのたまごっち(全9枚)
たまごっちは、ゲーム内のキャラクターに「ごはん」「おやつ」を与えたり、トイレの世話をしてあげたりして遊ぶのが特徴だ。キャラクターの機嫌や成長の変化を楽しむ。「死」の概念を取り入れたり、何者か分からないユニークなキャラクターを採用したりしたことも大ヒットの要因だ。初代が登場して以降、さまざまな機能が追加され、進化を続けている。
新機能を搭載した新商品という視点で、歴史を振り返ってみよう(全てを網羅しているわけではない)。
2004年発売の「かえってきた!たまごっちプラス」には、赤外線通信機能を搭載した。他の人のたまごっちと通信することで、キャラクター同士の「なかよし度」がアップ。恋愛結婚をして子どもが生まれる仕様だった。
08年の「たまごっちプラスカラー」では、液晶画面が白黒からカラーに変化。14年の「TAMAGOTCHI 4U」ではNFC通信機能が搭載され、街中のデータスポットなどで限定データを入手できるようになった。18年の「たまごっちみーつ」は、専用アプリと連動する機能が搭載された機種だ。21年「Tamagochi Smart」はタッチ液晶が特徴で、23年6月に最新機種の「Tamagotchi Uni」(希望小売価格8250円)を発売。Tamagotchi Uniには初めてWi-Fi機能が搭載された。
たまごっちは累計で全世界9100万個以上が売れた(23年3月時点)。現在では北米や欧州など35以上の国やエリアで販売されている。こうしてみると、4000万個以上売れた初代のたまごっちがいかに大ヒット商品だったかが分かる。
●最新機種の狙い
最新のTamagotchi Uniにはどういった特徴があるのか。
内蔵している Wi-Fiを使って、たまごっちたちのメタバース「Tamaverse(たまバース)」へおでかけできるようにした。たまバースでは、世界中のユーザーが育てたキャラクターに出会える。ユーザーは新たなイベントやアイテムの配信コンテンツをダウンロードして遊ぶ。世界中のキャラクターと競ったり、協力したりするイベントを世界同時に開催することも可能となった。
コロナ禍の影響で自宅で過ごす時間が増えたため、Wi-Fiが各家庭に普及。こうしたことが新サービス開始の背景にある。企画担当者によると、Tamagotchi Uniを購入した人の半分以上がWi-Fi機能を活用しているという。このように「世界中とつながって、一緒にみんなで遊ぶ」商品に進化している。
注力商品はTamagotchi Uniだが、主にキャラクターとのコラボレーションをしている白黒液晶の「Tamagotchi nano」シリーズ、初代たまごっちの欧米版を逆輸入するかたちで発売している「Original Tamagotchi」の計3種類をラインアップしている。
現在、たまごっちを購入しているメイン層は小学生だ。小学生の親の世代はたまごっちを遊んだ経験があるので、売り場で見かけると「懐かしい」と感じてもらえるメリットがある。ただ、それはあくまで商品に気づいてもらうきっかけであり、同社としては小学生に現在も「デジタルペット」として受け入れられていると分析している。
最近伸びているのは、SNSで発信力のある10~20代の層だ。現在ブームになっている「平成レトロ」「Y2K」の影響で、Z世代にOriginal Tamagotchiが注目されている。また、雑貨店やアパレルショップへのライセンスアウトなどが認知・購入拡大につながっているという。
バンダイは26年のたまごっち30周年に向け、ブランド強化していく方針だ。22年度にはたまごっち関連アイテムが10種類以下だったが、23年度はカプセルトイ、雑貨、アパレルなど160種類以上を展開する。幅広いファン獲得が目的だ。
企画担当者によると、Tamagotchi Uniは国内・海外ともに好調な滑り出しだという。たまごっちは現在も進化を続けているようだ。