プリウスは、1997年に世界初の量産型ハイブリッドカーとして登場。ハイブリッドカーの代名詞とも言える車種だ。トヨタは、プリウス以降ハイブリッドカーを世界中で2030万台販売し、累計1億6200万トンの二酸化炭素排出を削減したという。日本でも、20年前と比べて二酸化炭素排出量を23%削減したとする。
4代目プリウスは、「モノフォルムシルエット」を引き継いだ新デザインで、第2世代TNGAプラットフォームを採用。低重心化を実現している。パワートレーンは、2.0Lプラグインハイブリッドシステムをトヨタ初採用。高出力のリチウムイオンバッテリーにより最高出力は223PS、0-100km/h加速で6.7秒を実現している。1.8Lのハイブリッドシステムも選択でき、こちらは193PSをほこる。
PHEVモデルは、EVモード時の走行距離を従来型に比べて50%以上向上。日常生活の大部分をEV走行だけでカバーできるという。トヨタは「エンジン付きEV」と表現する。また、充電中にパワースイッチをオンにすると、外部電源の電力を使ってエアコンやオーディオが使える「マイルームモード」を搭載。車内を部屋のように使うことができる。
新型プリウスは、出力1500Wのコンセントを2カ所用意。屋外でもコンセントが使えるようドアガラスを閉じたままでもケーブルを外に出せるアタッチメントも標準装備する。
スマートフォンアプリから遠隔で自動駐車・出庫が可能な「アドバンストパーク」を設定する。安全運転支援システム「トヨタセーフティセンス」も搭載しており、前方に設置された検知用の単眼カメラと、電子インナーミラーの後方カメラをドライブレコーダーとして活用することもできる。その他、PHEVモデルではソーラー充電システムを設定。1年間で1250km分の電力で生み出すという。
●「いつまでハイブリッドを作り続けるんだ...」
発表会に登壇したサイモン・ハンフリーズ氏(同社クルマ開発センター デザイン領域 統括部長)は、「いま、BEVが注目を集めるなか、この言葉を聞かない日はありません。『いつまでハイブリッドを作り続けるんだ...』」というフレーズを紹介。世界がBEV(バッテリーEV)へのシフトを続ける中、プリウスを新しくする理由はなにか。同氏は「プリウスは『みんなの手が届くエコカー』だから」と語る。
「カーボンニュートラルの実現には、世界中のみんなで協力しなければならない。だからこそ、みんなの手が届くエコカーが必要」「プリウスは、マジョリティのための、多くの人に手が届くクルマ。一部の人だけではなく、すべての人が運転できるクルマ、それが最大の強みであり、存在理由」(ハンフリーズ氏)。
トヨタは引き続きBEVにも取り組んでいるという。「1年前のBEVイベントで、章男社長が『すべての人にEVを』と話したように、トヨタは、BEVを商品ポートフォリオの重要な一部と考えている」「我々はエキサイティングなBEVをフルラインアップで発表。世界中の多様な顧客ニーズに対応するとともに、HEV、PHEV、FCVについても同様に取り組んでいる。章男社長も常々話すように『BEVは重要な解決策の一つだが、それが全てに勝る選択肢ではない。多様化した世の中には、多様な選択肢が必要』」(ハンフリーズ氏)と選択できる重要性を説いた。
<このニュースへのネットの反応>
現状の環境負荷はBEVより低く、災害時に電力インフラにすることまで含めて作っているハイブリッドですね。高級ブランドのBEVと違って単純に車由来の二酸化炭素削減に世界で最も貢献している車種でもあると思います。
早急にEVにシフトしないと市場を奪われるのに。凋落してから気づく、対応の遅さ。
EV機能が50%上昇ってのはいいんだが 形がな~
HVは現在の最適解でしょう。高額化が気になるところ、少子化の影響を見越して、減る台数を高単価で補う戦略かしら。