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◆上場企業の管理職を捨て、居酒屋経営に
上司の顔色を窺い、部下のパワハラ糾弾に怯える毎日。そんな生活からの脱出は、全サラリーマンの悲願だ。47歳のときに上場企業の管理職を捨て、居酒屋経営に飛び込んだ児玉謙次さん(仮名・54歳)は嘆く。
「もともと居酒屋巡りが好きで、日に日に自分の店を持ちたい思いが強まっていくなかで人事異動があり、傘下の集客施設内に新しい店を立ち上げるプロジェクトを任されたんです。『脱サラの練習をせよ』と神様がプレゼントしてくれたように感じましたね」
張り切った児玉さんは、地方の名酒を取り寄せるなど、個性的な店づくりに励み、好調な売り上げを残した。この成功体験で、飲食店を切り盛りする才能を確信。知人の居酒屋で2か月修業し、退職金1500万円と銀行融資1000万円を元手に、東京都下に約16坪の大衆居酒屋を構えた。
「融資はすべて内外装費につぎ込み、食材にもこだわったため、損益分岐点は月商170万円。ところが初月は120万円しか売れず、さらに翌月は100万円を割る始末。虎の子の退職金がみるみる減っていくのは本当にツラかった」
◆なにより負担だったのが……
そしてなによりの負担が接客だ。
「おいしい料理でお客さんを笑顔に、なんて思っていましたが、来る客は今までの大企業サラリーマン人生では接したことのないような人ばかりで、大変なストレスでした。
『お前、こんな店やめてラーメン屋をやれよ』とか、とにかく説教をしたがる客が多い。故郷から取り寄せた珍しい食材を使ったこだわりの料理は見向きもされず、フライドポテトや焼き鳥のようなありふれたメニューばかり注文が入る現実にもうんざりでしたよ」
◆1650万円の赤字とともに幕を閉じた脱サラ
心が折れた児玉さんは、1年ほどで閉店を決意。退職金のうち800万円を溶かしていた。1000万円をかけた店の造作は、買い手はついたが足元を見られてわずか150万円での処分。結局、児玉さんの脱サラは、1650万円の赤字とともに幕を閉じた。
会社にいたほうが楽だったか。
取材・文/山田剛志(清談社)
<このニュースへのネットの反応>
居酒屋に客の質求めんな、リピーター確保できてないし店の質もお察しだわな。
パン屋とかもだけど脱サラして始める飲食系のほとんどが意識高いのをやりたがるからいけないんだろうな
1年で破綻したワケは…「客の意識の低さ」ではなく「そんなことすら予測できなかった自身の愚かさ」かな
飲食店の殆どは1年保たないのに、やれると思ったのは会社で立ち上げたのが上手く行ったから?負担となる部分は他人にやってもらっておいて、それを「成功」だと思ったの失敗の原因。会社で上手く行ったのも個人の能力ではなく、その下で調整してくれた人のおかげでしかないはず。
こだわりの料理が見向きもされなかったって、注文される魅力が無かったのかリピートされない程度の味だったかのどっちかじゃね?
1500万あるならFXに使った方がいいわ。軍資金がでかいとちょっとの勝ちでもそこそこの額になる。事前に練習できるソフトもPCに落とせるし。
もったいない、飲食店に夢見すぎじゃないか?
世間知らず過ぎや。日頃から周囲を観察できてないんだよ。仕事できなくて辞めざるを得なかったんだろ
失敗の原因が他責だし、開店時の予測も自分に都合の良い甘いものだったのだろうね。相手のことを考えていない自己中な経営だったとお見受けする。そして、大企業での仕事は会社や他社員からのサポートも厚く、少ない労力で大きな業務をチームで推進する。それを個人の実力と勘違いしちゃったのだろうね。世間の荒波に揉まれた事の無い甘ちゃんが順当に失敗したってだけ。
意識も認識も低かったのは自分だった
軽井沢だの北海道だのこの手の話は昔からある。PL勉強しなおせ。
定期的に 勝手に潰れて「客のせい」って言う個人経営飲食店の記事出るなあ
客に合わせて自分を変えられなかっただけ。自分に合わせろとは横柄な人柄ですな。
フライドポテトや焼き鳥がある時点で、そういう客層に。 酒も
理由なんぞ上の人たちが言っとる通りで、現実見えんとこうなるという反面教師じゃな。
多くの就職活動中の人達が憧れる「大企業」「それなりに出世した役職」なぜそれを捨てる必要があったのか。料理ではなく、「世間が欲しいもの」を理解できていなかったんだな。