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AIスゴっ! 下手な漫画が秒で“プロ並み”に 「ネームだけで原稿完成」の時代に?
 これを見てほしい。

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1枚目は、筆者がボールペンで描いた女の子の絵だ。下は、それをイラストAIに読み込ませて数秒待った結果。素人の落書きが一瞬で、ニュアンスのある美麗なカラーイラストに変わった。びっくりした。

全身像にするとどうだろうか。

平面っぽい雑な絵が、立体的で表情も動きのある、描き込まれた美しいイラストに変わった。

イラストAIが、「絵を描く」の意味を変えつつある。

スマホから画像をアップするだけで“盛れる”

上のイラストに使ったのは、スマートフォンアプリ「Meitu」の「AIイラストメーカー」。技術の詳細は明かされていないが、イラストや写真を入力すると、“AIイラスト”が出力されるという。

入力画像からAIが新たな画像を作り出す、いわゆる「image2image」と呼ばれるサービスだ。元が粗かったり下手だったりしても、精密にしたり、画風を変えて「上手くした」バージョンを、数秒で簡単に作ったりできるのだ。

AIイラストメーカースマホアプリで気軽に使えるのが強み。Discordが前提だったり、イラストを出力するための“呪文”を考える必要がある「Stable Diffusion」などよりハードルが低く、利用者が急増している。

自分の写真をイラスト化したり、VTuberが自分のアバターを“盛る”ムーブメントも起きている(関連記事:AIで、3歳児のラクガキが“超美麗”に!? 「Meitu」で実験してみた)。

●ヘタな漫画が“プロ並み”に

AIイラストメーカーは、人物のイラストを美麗に変換してくれることが分かった。漫画ならどうだろうか?

筆者はかつて、一度だけ漫画を描いたことがある。友人とともに出した『焼き肉焼き鳥恋物語』という同人誌の漫画(関連記事同人誌作りは甘くない 「焼き肉焼き鳥恋物語」ができるまで)。

絵が下手すぎて、自分の中では黒歴史になっている。こんな漫画だ。

それが、こうなった。

人物の顔が美麗になり、表情のニュアンスも深くなった。はみ出しているコマの線もきれいに修正されている。

ただ、同じ人物を別人のように描いてしまっているし、1コマ目にある、野菜のサンチュをモチーフにしたオブジェ「サンチュ像」は、人物にうしろ頭に“誤変換”されている。3コマ目の人物は消えてしまった。元の絵にはない、雪が降っているような描写も加わっている。

それでも、多少手直ししたり、何度か別の出力を試せば、元よりははるかに完成度の高い漫画ができそうだ。

完璧ではないにせよ、1枚絵ではなくコマ割りされた漫画で、コマ線や吹き出しも認識した上で、ここまでの結果が出るとは驚いた。おそらくこのAIは漫画も大量に学習しているのだろう。

●絵を描く意味、なくなる? 「ネームだけで完成稿」も

このままAIが進化すれば、ネーム(荒い絵で描いた漫画の下書き)をAIに読み込ませて、数秒で漫画の完成原稿を作る、ということが可能になりそうだ。

と思って、「ネーム風」の絵を描いて取り込んでみた。

「わあすごい!」と声が出た。コマ割や吹き出しイメージは理解してくれているし、人物の表情がとても生き生きしている。もう少し精密な絵を描いていれば、もっと完成度が高いものが期待できそうだ。

どういった入力からどんなイラストを出力するかは、AIの調整によるところも大きい。今後、ネームのクセを考慮した「漫画制作専用AI」が出れば、「ネームだけで完成稿ができる」未来も遠くなさそうだ。

そんな未来が来れば、ストーリーやコマ割までは思いつくが、絵が下手という人でも、漫画を簡単に作れるようになり、漫画表現の幅は一気に広がるだろう。

漫画を描ける人でも、AI作画によって「自力では絵で表現が難しく、避けていた構図」などがより描きやすくなり、本当に作りたかったものに近づけるかもしれない。

●「10年間の絵の練習」は何だったの? という絶望と……

筆者はそんな希望とともに、小さな絶望感も覚えた。「絵がうまくなりたいと努力した10年間はいったい何だったんだ」と。

筆者は小学生のころから好きなアニメイラストをまねして描き、中学・高校では漫画研究部に所属して絵を練習した。授業中には内職でイラストを描いていた。それでもこのレベルにとどまった。

そんな自分の絵が、イラストAIをかませると、線から着彩まで理想に近いクオリティになり、数秒で完成してしまった。「10年間の努力はいったいなんだったんだ」と、正直むなしかった。イラストAIに不安や脅威を感じるイラストレーターの気持ちもうなずける。

この気持ちは、手書きの絵からデジタル作画に移っていった十数年前ごろ、当時の漫画家イラストレーターが感じたことに近いかもしれない。それ以前は、手で描く以外に手段がなかったし、漫画を描きたければ、つけペンやスクリーントーンの使い方に習熟する必要があった。

デジタル化により環境はガラリと変わった。つけペンやスクリーントーンの代わりに、タブレットや漫画作成ソフトが漫画制作の主役になった。手先の器用さや画材の調達力は問われなくなり、漫画を描くハードルはグッと下がった(関連記事:「インクの出ないペンで鼻歌をうたおう」)。デジタルで描かれた漫画はそのまま電子書籍Webtoonになり、スマホで気軽に楽しめるようになった。

イラストAIも、そんな転換をもたらすのだろう。

技術は後戻りできない。それはきっと、今より豊かな世界につながる。埋もれていた才能が次々に現れるだろう。漫画のデジタル化が、新たな才能をたくさん生み出したように。

AIに読み込ませた元画像。筆者がボールペンで描き、スマホカメラで撮影した

(出典 news.nicovideo.jp)

<このニュースへのネットの反応>

AI化したのより筆者がもっと本気の手描きで描いた女の子をもっとみてみたいなと思った。

記事にもある通り、余計な物が入ったり絵柄が統一できないというのが現状の画像生成AIの難点だ。絵柄の他にも「服の細かい装飾(例えばシャツのボタンの数、制服がリボンかネクタイか、その柄はどうかetc)と言った部分はまだ統一出来ていない。『絵が描ける人間が補助ツールとして使う程度』なら良いが、『絵が描けない奴が作画を全てAIに任せる』と言う事は現状難しい。

何かと思ったら中華Aiの宣伝かよこれ似たような雰囲気と構図にしかならんからほぼ使い道ないやつやんけ

絵の上手い奴が絵コンテをAIに読み込ませた後の細かい部分修正するのが一番クオリティが高いので結局絵の上手い奴が生き残る ので10年が無駄になる事はない

絵師ですが、このアプリ使ってみました。手や足の形状、指の本数がおかしかったので、人間が描く→AIに投げる→人間が加筆修正というのが上手な使い方かと思われる。

たまに指の数がおかしい漫画があるけど、こういうのを使ってたのか。

一人の漫画家に専属のAIを付けて画力強化や工数削減を図れば誰でも脳内世界を作れる時代が来るのかもな。AIのセキュリティがネックだが

そういや数日前、呪文を打ち込めばイラストが出てくる某AIを試しに使ってみたんだけど、『目の色やハイライトの位置が妙に違う』や『指の長さや数が変』や『絵柄が統一しない』などで何となく違和感を抱いたな。要は、AIは『ある程度まで』は作ってくれるけど、それから先は人間が加筆なり修正なりで手を加えないと一枚の絵として仕上がらない。

AIがザクのバリエーションを描き分けられるようになったら教えてくれ

多様性が失われる

イラストAIの進化が楽しみですね~。これで漫画を描く人が増えれば、面白い作品も増えるでしょうし。

こんなぽっと出のAIごときに打ちひしがれてる時点で10年間の絵の練習とやらもたかが知れる。こういう絵描きはもういらないとかそういうアホな極論に走ってる奴って大体下手くそな奴かAIで絵か描ける気になってる勘違い野郎のどっちかしかいないわ

AIイラスト使ったことないけど、絵がうまくなくても自分が思い描いた構図でイラストを生成してくれるなら、絵画技術なくても漫画を作れてとても良いと思う。作画と原作って求められるスキルも違うから、原作側が作画コストをAIに委託できれば作品も世に出しやすいだろうし

10年描いた人間のペンの入れ方じゃないでしょこれ。

技術は後戻りできない は間違い。それ以上進歩させるべきではないとして止めてるものはたくさんある

新しい技術だから正しいとは限らないし、それを必ず受け入れなければならないという言われもない

AIくんの恐ろしい所はまだまだハッテン途上という所なんだよなあ、あれこれ断言してる連中は早漏すぎるゾ。

キャラクターを把握して描いている訳じゃないのだから、コマ割り漫画で常用するのは難しそう。逆に言えばキャラ設定を把握して指定通りに描くようになったら世代が変わるよね。

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