「閉経」が近づいた女性の体に起こる“4つの変化”とは? 産婦人科医に聞いた | ニコニコニュース
女性の誰もがいつか迎える「閉経」。閉経が近づいた女性の体には、“前兆”のようにさまざまな変化が起こることが知られています。実際、閉経前にはどのような変化や症状がみられるのでしょうか。神谷町WGレディースクリニック院長で産婦人科医の尾西芳子さんに聞きました。
日本人の閉経年齢の平均は「50歳」
Q.そもそも、「閉経」とは何ですか。
尾西さん「『閉経』とは、1年間にわたって月経(生理)がなくなった時期を指します。ただ、閉経前は急に月経がなくなるわけではありません。徐々に不順になり、『気付いたらしばらく来ていない』状態となって、さらにその期間が1年になっていた…という流れを後から考えることで、閉経した時期が分かります。
閉経は、加齢変化により卵巣の働きが鈍くなり、女性ホルモンが出なくなることで起こります。日本人の閉経年齢の平均は50歳と報告されており、アメリカの52歳と比較しても大きな人種差はないと思われます。
初めての月経である『初経』を迎える年齢が昔に比べて4〜5年早くなり、寿命も20年以上延びているのに、閉経年齢はずっと変わらず50歳前後というのは何だか不思議ですよね」
Q.一般的に、閉経が近づいた女性の体には、どのような「変化」「症状」がみられることがあるのでしょうか。
尾西さん「閉経の前後5年は『更年期』と呼ばれ、さまざまな変化が現れます。この時期に気になる4つの症状について見ていきましょう」
【月経が不順になる】
今まで1カ月に1回だった月経が2回来たり、はたまた2、3カ月空いたりと、バラバラになってきます。
【のぼせ・ほてり】
この時期、特にみられるほてりの特徴は「ホットフラッシュ」と呼ばれ、何か運動をしたわけでもないのに急に汗が噴き出し、またそれが急にさっと引くというのが特徴です。
【イライラ、不安】
更年期というと「イライラ」しているイメージが多いと思いますが、イライラだけではなく、くよくよしたり、不安感が強くなったりするなど、人によってさまざまな精神的不調がみられます。
【膣(ちつ)の萎縮・子宮下垂】
女性ホルモンが減少することで皮膚が薄くなり、乾燥しやすくなります。また、筋力も衰えてきます。皮膚だけでなく、膣の中の粘膜も同様に薄くなるため、痛みが出ることがあります。また、骨盤を支えていた筋力の衰えにより、子宮が下がってくる「子宮下垂」や「子宮脱」が起こりやすくなります。さらに、尿漏れなどのトラブルも起こりやすくなります。
Q.閉経が近づくことによる体の変化や症状と、上手に付き合っていくためのポイントとは。
尾西さん「先述したような症状によって日常的に困っているのであれば、病院へ相談しに行くことをお勧めします。というのも、閉経に伴う症状の多くは治療で和らげることができ、我慢する必要がないからです。
閉経を怖がる必要はありません。閉経の前から更年期に伴う症状の心配をしていると、メンタルに影響を及ぼし、更年期の症状が強く出てしまう可能性もあります。『第2の人生の始まり』と前向きに捉え、積極的に新しいことにチャレンジしてみましょう」
オトナンサー編集部