日本の処理水海洋放出受け、中国各地で塩の買い占めが発生=「パニックにならないで」呼び掛けも | ニコニコニュース
東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出が24日に始まったことを受け、中国各地で塩の買い占めが発生している。
中国メディアによると、江蘇省揚州市の大型スーパーでは同日朝から塩を購入する客が目立って増えたという。塩の「品質保持期間」は3年と表示されているが、ある客は「他の人が買っているのを見て私も買った」と話した。チャットアプリの微信(ウィーチャット)の共同購入(大勢でまとめて購入する)のグループでは塩が人気になっているという。
地元の製塩会社、揚州市塩業有限公司・市場運営部の李桐林部長は「一部で塩の買いだめが発生している」と明かす一方、「通常、2カ月分の供給を賄えるだけの在庫を確保しているので問題ない。コロナや2011年の日本の津波(での塩の買いだめ)を経験してもわれわれは供給を確保できた。今回も大丈夫」と強調。市民に冷静な購入を呼び掛けた。
福建省福州市のスーパーやネットショップでも塩の買い占めが発生しており、一部店舗では品切れになっているところもある。スーパーで塩を2袋多く購入したという李(リー)さんは「昨日の夜、母から電話があって、汚染水が海に放出されるので塩も汚染されるかもしれないから、買いだめしておくように言われた」と語った。
スーパーを経営する陳(チェン)さんは「ここ数日、塩の販売量が増えているが、地方で見られるような『箱買い』は起きていない」と説明。福州市商務局は、「引き続き全力で供給の確保と価格安定に努める。塩の供給源は十分にあるので、市民は必要に応じて理性的に購入してほしい。デマを信じたり、流布したりしないでほしい」と呼び掛けた。
このほか、広東省でも塩の買い占めが起きており、広東塩業集団の担当者は「十分な量の在庫がある。パニックにならないでほしい。買いだめする必要はない」「日本が汚染水の排出を発表してから、広東省の主要な生産海域の海水について放射線検査を実施し、現在のところ安全であることが確認された」などとし、過度に心配しないよう求めた。(翻訳・編集/北田)