【ブギウギ】ゴシップ記者が再登場も、スズ子の「禁断の恋」が描かれなかった理由とは! | ニコニコニュース
2月9日放送のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」第91回では、ヒロインのスズ子(趣里)が新曲「東京ブギウギ」を引っ提げてワンマンコンサートを開催。多くの観衆を熱狂させる場面で幕を閉じた。
コンサートを控えたスズ子は楽屋で、愛娘の愛子を茨田りつ子(菊地凛子)に預けることに。この場面は第1回の冒頭でも映し出されており、視聴者からは<このシーンに戻ってくるのか!>と驚きの声もあがっていた。
そんな仕掛けに感心する一方で、次週予告にゴシップ記者の鮫島(みのすけ)が登場していることに気づいた視聴者からは<なんで今さら…?>といった疑問の声もあがっているのである。
「鮫島はスズ子の妊娠をスクープ。その後もスズ子のステージを観に来ているシーンはあったものの、スクープの続報はなく、何の伏線なのかと訝る視聴者も多かったのです。来週以降も出演することでスズ子を巡る新たなスキャンダルが発生しそうな様子ですが、その一方では鮫島の行動に物足りなさを感じるとの声も否定できません」(テレビ誌ライター)
スズ子のモデルである歌手の笠置シヅ子も、やはりゴシップ誌のスクープに悩まされていた。その内容は単なる「歌姫の妊娠」には留まらず、むしろ妊娠以外の話題に世間は食いついていたのである。
スズ子の恋人・愛助(水上恒司)は、村山興業の御曹司。これは笠置の恋人だった吉本穎右氏が、吉本興業の御曹司だったことにならった設定だ。
エンタメ業界を代表する大手芸能事務所の吉本興業は、笠置が活躍していた時代にも松竹や東宝とともに「三大興行資本」の一角を占める存在だった。それゆえ笠置と穎右氏の交際は「ブギの女王と吉本興業御曹司の許されぬ結婚」として、当時のゴシップ誌を大いににぎわせていた。
「ところが作中ではスズ子の妊娠だけがスクープされ、恋人が誰なのかはまったく話題になっていませんでした。スズ子は『ブギの女王』として大人気だったのですから、普通ならおなかの子の父親探しが白熱するはず。鮫島がスズ子のステージを熱心に観ていたのも追加取材の一環だと思っていましたが、愛助の存在がゴシップ誌にスクープされなかったことには拍子抜けしましたね」(前出・テレビ誌ライター)
スズ子を巡るスクープが不完全燃焼のまま終わるかと思いきや、来週にはまたしても鮫島が登場。どうにも不自然な展開だが、そこには新たな創作要素の気配が感じられるという。
放送開始から4カ月が過ぎ、残るはあと7週となった「ブギウギ」。今後はアメリカでのコンサート活動や、映画への進出といったエピソードが残っており、笠置と美空ひばりの確執も描くかどうかは興味の的だろう。
「美空ひばりとの確執は、当時の芸能界では大きな話題となっていました。ただ当の本人同士は決していがみ合っていなかったとの話もあり、なかなかデリケートなトピックでもあります。そこで狂言回しとしてゴシップ記者の鮫島を再登場させ、彼の視点で両者の立場を示すことで、話を盛り上げる算段なのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)
果たして鮫島は来週以降、どんな活躍を見せてくれるのか。芸能界の裏側を生々しく描いてくれれば、視聴者も大いに興味をそそられるかもしれない。