ピックアップ記事
〈物件購入〉同じ借入額で総返済額の差3383万円!今後の住宅ローン金利はどうなる?【専門家が解説】
“同じ条件の家”を買うのに、買い方や情報を知らないために500万円も(ケースによってはもっと)損する買い方をしてしまっていることがあります──宅地建物取引士、建築士などの資格を持ち、不動産業界の第一線で活躍する美馬功之介氏の著書『「中古住宅+リノベーション」を賢くお得に買うための住宅ローンとお金の話 』(同文舘出版)より、「必ず人生にプラスになる住宅購入」となるための知識を一部抜粋しお届けします。

凄まじい返済総額の差

Q 2500万円の家が、金利次第で2900万円~4900万円にもなるって本当ですか?

A はい。金利差は大きいのです。

こう思いませんでしたか?

2900万円と4900万円って。同じ借入額でそんなに変わらないでしょう?」と。しかし、実際に事実としてあった話です。

私が不動産を販売し出した頃(平成3年~)は、当たり前のように多くの人が、35年ローンで住宅を買うと総支払額が2倍になる金利で不動産を買っていました。2500万円を借入して4900万円の総返済額になるローンの金利は4.5%です。今からは考えられないかもしれませんよね。

今は2500万円借入して2900万円の総返済額となる金利0.9%で借入ができます。金利の差でどれだけ違うか理解できると思います。

物件は同じです。住み心地も同じです。金利の違いに敏感になってほしいと思いますし、金利だけでなく、固定金利や変動金利の性質や団体信用生命保険の種類など、あなたにとって最良の住宅ローンを選ぶ目を持ってほしいと思います。

【2022年】住宅ローン金利見通しは今後どうなる?

Q ずっと上がっていない金利。これから金利はどうなりますか? 

A だれにもわかりません。

「そんなの答えになってない」と思ったかもしれません。この質問は実際にお客様から聞かれる非常に多い質問です。しかし、こればかりはだれにもわかりません。

なぜなら、時代の流れ、世界の情勢、紛争、大災害など、何が起こるか未来はだれにも予測できないからです。たびたび政権は変わりますし、いずれは日銀総裁も変わるでしょう。金融業界のしくみ自体もAIやブロックチェーンなどで、今後大きく変わるかもしれません。それを証明するように、不動産業界にずっといる私も20代の頃に今のような低金利になるとは思ってもみませんでした。当時の金融関係者もおそらく同じ意見でしょう。

しかし、買う側の気持ちはよくわかります。なぜなら住宅ローンを組むのに、「固定」か「変動」かを判断しなくてはいけないからですよね。ですから、未来は予測できないのをご了承いただいた上で、参考に個人的な見解(2022年5月現在)をお話しします。

「多少の上下はあれど、おそらく簡単には金利は上がらない。今の水準の金利がある程度続くだろう」、これが私の意見です。なぜそう思うかと言うと、簡単には景気との関係です。

今の低金利の水準は、ここ20年以上ずっと続いてきました。もし、金利を大きく上げていくと恐ろしい数の住宅ローンを返せない人々が出るでしょう。企業も融資を受けて新規事業に乗り出しにくくなるでしょう。家も車も売れなくなるでしょう。そういう判断を国は簡単にはできないと思うからです。

ただし、何度も言うように長期の未来はわかりません。現在も、予測していなかった「新型コロナウイルス」をきっかけに世の中は変わろうとしています。迷っている方へのアドバイスとしては、余裕があれば固定にしておく、変動の場合はギリギリの返済は避けて、変化に耐えられるような余裕を持たせた物件金額で購入することです。

(※写真はイメージです/PIXTA)

(出典 news.nicovideo.jp)

ピックアップ記事

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事