夫の不倫で離婚。全財産6万5千円で家もない専業主婦が、選んだ道とは?/結婚人気記事BEST | ニコニコニュース
女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「結婚」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2021年11月17日 記事は取材時の状況)
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もし夫が不倫をしていた場合、離婚を考える妻は少なくないでしょう。なかには再構築の道を選ぶ人もいると思いますが、2人の間に子供がいなければ別れるという人も多いのではないでしょうか?
◆二度目の浮気。許す気になれず離婚を決意
高橋絵美さん(仮名・37歳)も結婚3年目の28歳のときに離婚。原因は夫の不貞行為でした。
「実は、これが最初じゃなかったんです。彼が浮気をしたのは、交際中に続いてこれが二度目。当時は土下座して何度も謝ってきたのもありますが、私にもまだ好きって気持ちが残っていたので許すことにしたんです。
けど、このときはすでに結婚した後というのもありましたが、浮気の事実を知った時点でもう別れようって瞬間的に思っちゃった。心の中で彼に対する愛情が潮が引くように無くなっていくのがわかったんです」
◆実は失業し借金もあった夫
しかも、このとき彼はなんと失業中。彼女はそのことを知らなかったそうで、加えて借金を重ねていたことも発覚します。
「不倫だけでも言語道断なのに、あまりのクズっぷりと自分の男を見る目のなさに笑っちゃいました。恋人だった期間も合わせると、こんな男に20代の貴重な5年間を捧げてしまったのですから」
なお、離婚にあたって彼には150万円の慰謝料を請求。ただし、失業中であることを考慮し、仕事が見つかってからの分割払いを認めてあげたそうです。
「家庭環境が複雑だった元夫には、慰謝料を肩代わりしてくれる義両親がいなかったんです。本当はすぐにでも貰いたかったですけど、妥協するしかありませんでした」
◆全財産6万5000円。寮完備の職場を探すしかない
一方、不倫相手の女性は彼が独身だとずっとウソをついていたことが証明されたため、慰謝料を請求することはできなかったとか。おまけに夫婦の貯金はほとんどなかったので財産分与のしようもなく、絵美さんは専業主婦だったので収入もない状況でした。
そのため、離婚した時点での全財産は、ヘソクリの5万円と合わせてわずか6万5000円。家を借りる余裕もなく、新生活を始めるどころかいきなり路頭(ろとう)に迷いかねない危機的な状況でした。
「唯一の肉親である父親とはずっと疎遠だったので頼るわけにもいかず、友達に頭を下げて居候(いそうろう)させてもらいました。ただ、『いつまでいる気なの?』って思っているのをなんとなく感じたので、すぐに出たのですが次に行くあてもなく、とりあえず1泊約4000円の安いビジネスホテルに滞在していました。
とはいえ、この時点の所持金では食費やその他出費を考えると、10日弱しか持ちません。それ以内に何が何でも仕事と住む場所を確保する必要がありました」
しかし、寮完備で即就業可能な仕事となると、求人は限られてきます。それでも求人フリーペーパーや求人サイトをかたっぱしからチェックし、見つけては電話でまだ募集しているかを確認。そんな中、すぐにでも面接してくれるという職場があり、その翌日に早速面接をしてもらうことに。
◆「明日からでも働けます!」で無事採用
募集していたのはパチンコホールの従業員。雇用形態は契約社員でしたが会社が借り上げたアパートの部屋を寮として提供していたそうです。
「スタッフが立て続けに数人辞めて、すぐにでも働ける人を探しているとのことでした。そこで私が事情を説明し、明日からでも働けます!と伝えました。
結果はその日の夕方にあって無事採用。さすがに翌日から仕事ではなかったですけど、次の週から働くことになり、寮にもすぐ入居できることになったんです。やっぱり夜の仕事以外は無理なのかなとあきらめかけていたところだったので、うれしかったよりもホッとしました」
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◆絵美さんの離婚後の収支(※就職直前時点)
当時の全財産 6万5000円
支出
ビジネスホテル代 4万4000円(11日分)
食費 9000円
交通費 3000円
雑費 5000円
収支 +4000円
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◆元夫は慰謝料を途中で投げ出し行方知れず
雇ってくれたパチンコホールには3年勤め、その間に同僚の友人男性という新しいパートナーもでき、後に再婚。現在は彼との間に1男1女をもうけ、あわただしくも幸せな日々を送っています。
「前の夫にはさんざんな目に遭わされて、離婚後もどん底の状態を経験しましたが、人生悪いことばかりじゃないなって。
ただ、分割払いだった彼からの慰謝料は途中で振り込まれなくなって、その後は行方知らず。今はお金に困っているわけではないですが、この場を借りて払うモノはしっかり払え!って声を大にして言いたいですね(笑)」
かつて味わった苦労は、人として女性としてひと回りもふた回りも成長させてくれたようです。
<文/トシタカマサ>
【トシタカマサ】ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。