「食事が割り勘だった男性と2度目はない」そう断言する38歳女性に婚活のプロが授けた1つの視点 | ニコニコニュース
■おごってくれない相手とは二度と会わない
結婚する決断ができないまま、ズルズルと婚活を続けてしまう「婚活沼」にハマるアラフォー・アラフィフのキャリア女性。今回は、「おごってくれない相手とは二度と会わない」という女性の事例を紹介する。
F美さんは、電気機器メーカーに勤務する38歳。29歳の頃から知人の紹介や合コンなどで出会いを求めているが、いまだに結婚相手に出会っていない。婚活歴はすでに9年になる。
愛嬌(あいきょう)があり、人懐こい印象のF美さんは、学生時代から年上の人や先輩にかわいがられてきた。大学で所属していたテニスサークルでも、社会人になってからも、男女を問わず先輩や上司から食事会や飲み会に声がかかる。そういうときは、必ずといっていいほどおごってもらえたという。
F美さんは、サークルでは「先輩、その技すごいですね! 教えてください」と素直に教えを請うことができるし、職場では「部長、すてきな色のネクタイですね」という言葉が自然に出てくるような女性だ。先輩や上司にかわいがられるのもよくわかる。
これまでにおつきあいした相手も年上で、デート代は基本的にはすべて出してくれた。合コンに参加しても、男性がおごってくれるか多めに支払ってくれるケースが多かった。
そんなF美さんにとって、女性が男性におごってもらえるのは「当然のこと」。よくいわれることだが、女性はデートに出かけるまでに、身だしなみにお金がかかる。美容院代、メイク代、ネイル代、洋服代だって必要だ。おまけにF美さんはひとり暮らしをしているので、家賃を差し引くとあまり余裕はない。「せめて食事代くらいは、男性に出してほしい」とF美さんはいう。
■年と共に奢ってもらえないケースが増えてきた…
F美さんは、婚活で出会う相手に対しても「おごってくれないなんて、ありえない」と考えている。いわく、おごってもらえないということは、相手が自分に「それだけの価値を感じていない」ということだから。
だから、最初のデートで割り勘を求められたら、もちろんきちんと支払いはするものの、「二度と会うことはありません」ときっぱりと言い切る。
そんなF美さんが直面している問題は、年齢が上がるにつれて、おごってもらえないケースが増えてきたことだ。20代の頃は、ほぼ毎回おごってもらえたのに、30歳を過ぎた頃から少しずつ「割り勘率」が高くなってきた。
先日、友人に誘われて参加した食事会では、ついに会費として1万円を請求された。すてきなお店でいただいた食事はたしかにおいしかったが、F美さんにとっては痛い出費だ。
「相手の男性たちは、稼いではいるけれどなんだか横柄だったし、1万円も払って行く価値はなかったです」とF美さんは憤慨する。
F美さんには同年代の「婚活仲間」が数人いるが、「30代になってからおごってもらえなくなったよね」と全員が口を揃えるという。「私なんか、1円まで割り勘にされたんだから」とひとりがいえば、「この金額でいいですよ、といかにも僕が多く払いますって顔をされたのに、4500円と5000円! たった500円で恩着せがましくされるなんて」と別のひとりがかぶせる。
その仲間とは一緒に合コンに参加することも多く、最近の楽しみは「合コンのあとのダメ出し会」なのだそうだ。「おごられないネタ」だけでなく、「こんなとんでもない人に会ってしまったネタ」でも盛り上がり、婚活ストレスを解消できている。
■望んでいるのは結婚? 恋愛?
おごってくれない男性は、ほんとうにF美さんに価値を感じていないのだろうか。
答えは、YESでもあり、NOでもある。正確にいうと、「現時点では判断できない」。
もちろん、中には「この人とまた会いたい!」と思うからこそ、最初のデートからおごってくれる男性もいるだろう。
しかし、婚活中の男性の中には、「おつきあいをすると決めるまでは、誰にもおごらないことにしている」と決めている人もいる。
ある知人女性は、合コンで割り勘を提案されて、幹事の男性に好感を持ったという。
「合コンで出会った相手におごってくれる人って、ほかでも同じようにしている可能性が高いですよね。そういう人って、結婚しても家計を考えずに会社の後輩におごってあげたりするじゃないですか。結婚相手としては、合コンで割り勘にするくらいの人のほうが、堅実な経済観念があって安心です」と彼女は話してくれた。そういう見方もあるのだ。
つまり、見極めるべきなのは、「相手がおごってくれるかどうか」ではなくて、「自分がどういう相手と、どういう結婚生活を送りたいのか」ということだ。
F美さんにも、ほんとうに結婚したいと思っているのか、自分の気持ちを確認してもらった。
もしかすると、F美さんが望んでいるのは結婚ではなくて、恋愛をして男性におごってもらったり、ちやほやされたりすることなのかもしれない。
■婚活をネタにするのはNG
「私、やっぱり結婚したいんです」
自分の気持ちに向き合い、そう結論を出したF美さんに、私はあることを禁止した。
それは、「婚活仲間との反省会」である。
同じ境遇の女友達と、婚活で出会った男性のダメ出しをし合うのが楽しい気持ちはよくわかる。
しかし、婚活をネタにしてはいけない。これは、幸せな結婚をしたいなら絶対に守らなければいけない鉄則のひとつだ。うまくいかない婚活をネタにして楽しんでいるうちは、理想の結婚相手には出会えない。
その理由は、相手を「減点法」で見てしまうから。
ネタにしようと思うと、つい人は相手の欠点を探してしまう。酒のつまみとしては、「いい人なんだけどね……」というエピソードより、「こんなとんでもない人がいたんだよ!」というエピソードのほうが盛り上がる。しかし、相手のダメなところにばかり目を向けていては、いいところに気づけるはずがない。
F美さんには、「反省会」という名の「ダメ出し会」はすぐに中止して、男性のいいところを探すようアドバイスした。
婚活で出会う男性だけではない。まずは家族や同僚など、身近にいる男性を観察して、どんなささいなことでもいいから、いいところを見つける。たとえいいところがひとつも見つからなかったとしても、ダメなところを探すよりはずっといい。
この「いいところ探しゲーム」を続けるうちに、出会う相手の欠点よりもいいところに目が向くようになる。そうすれば、「いいな」と思える人に出会いやすくなるのだ。
こうして「反省会」を卒業したF美さんは、「どんな相手と、どんな結婚生活を送りたいのか」を改めて見つめ直した。
まもなく、F美さんは婚活アプリで出会った理想どおりの男性とおつきあいを始め、半年後に入籍した。
「彼は、初めてのデートでおごってくれた?」とためしに質問してみると、F美さんは、「そういえば、どちらが支払ったか覚えていません」と答えた。
「彼がおごってくれたこともあるし、私がおごったこともあります。割り勘にしたことも……ケースバイケースですね」
「おごってくれる」「おごってくれない」ということにとらわれて、自分が本当に望んでいることや、相手の本質から目を背けていないだろうか。
「おごるおごらない問題」に正解はない。
自分にとって、どういう結婚が幸せなのか。その答えは、自分自身の中にしかないということを忘れないでほしい。
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アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラー
1970年生まれ、東京在住。約9年間の婚活中には、条件を下げたり、妥協を重ねることで「婚活ウツ」を発症。そこから研究を重ね、数々のワークを生み出し、実践。39歳から再開した婚活では、出会いから2カ月でプロポーズに至るスピード婚を果たす。自身の経験を通じて構築した〈最短最速で理想通りの男性と結婚する方法〉を伝える「3ヶ月で全員婚活卒業!婚活塾」は全国から参加の受講生で毎回即満席となる。受講生の成婚年齢は40代が一番多く、平均44歳。50代の成婚者も少なくない。結婚相談所Lulu Spacesの代表も務める。近著は『結局、理想を下げない女が選ばれる』(フォレスト出版)。
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