同作はチャールズ・ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』(1843年)を原作とした1970年のミュージカル映画『クリスマス・キャロル』(原題『Scrooge』)を基にしたミュージカル。19世紀半ばのロンドンを舞台にした同作では、金貸しを営むドケチなスクルージ(市村正親)が、かつての親友の亡霊とクリスマスの精霊たちにより、過去、現在、未来の旅へと誘われ人生の結末を変えていく。主演の市村の他、武田真治、相葉裕樹、実咲凜音、安崎求、愛原実花、今陽子、今井清隆らが出演する。
今年のクリスマスは次男からスマートフォンをねだられているという市村。「僕はサンタさんにお願いしてあげてますよ。僕が買うんじゃないです。今年もあくまでもサンタさんに伝えるばかり」と言いつつ、「今、下が5年生、上が中学2年生だからなかなか(サンタを信じるのが)難しい年齢になってきちゃってますね」と苦笑する。「去年か一昨年、お兄ちゃんと組んで僕がサンタクロースの格好をして、弟がまだ起きてるときになった時にすうっと引っ込んでいく背中を見せたんですよ。それは信じてたらしいんですよ。でもある時にそのサンタの衣装が見つかっちゃったんですよ。その時に下の子が『なんだ、騙された!』と」とエピソードも披露した。
今作も息子たちが観に来るそうで「僕の舞台は毎回観ますので、初日も来るし、2〜3回観に来るでしょう。観てしっかりダメ出していきますよ」と明かす。『スクルージ』には7度目の出演となったが「若干メンバーも変わってるので、また新しい出会いができるのかな。が約数時間弱の間にどんな旅ができるか、自分で見つけたり反省したりできるかが楽しみ」と期待した。
また1年を振り返り「『ラ・カージュ』(『ラ・カージュ・オ・フォール』)やって、『ミス・サイゴン』やって、締めくくりが『スクルージ』。73歳になってよくここまで働いて来れているなというのが実感ですね」としみじみ。「怪我なく病気なくやってこれたのは、日頃の私の努力の賜物だなと謙虚に受け止めております。来年また俳優生活50周年なので、しっかりとコントロールしながら乗り切りたい」と意気込む。1幕最後にはフライングの演出もあるが、「宙吊りはね、大変は大変ですよ。だけど、ハーネスをつけてますから、しっかり吊ってもらえば。意外と体鍛えてるのかなと思って、皆さんが思うほど大変ではないですね。もっと前後になって、星かなんか巻きたいですね」と新たな演出にも意欲を見せていた。
公演は東京・日生劇場にて12月7日~25日。