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Sexy Zone『中島健人』アンバランスに生きたい...25歳で選んだ「特化型」の人生
 瀬々敬久監督がメガホンを取った、嵐・二宮和也主演の映画『ラーゲリより愛を込めて』で、劇中の“希望の光”とも言えるムードメーカー、新谷健雄を演じる俳優・中島健人。Sexy Zoneメンバーとしてアイドル全開のキラキラオーラをまとう一方で、10年以上にわたって続ける俳優業でも、30代を目前にますます円熟味を増している。そんな、アイドル、俳優として歩む彼のターニングポイントに迫ると、群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)のジャニーズで“特化型”を意識した、25歳の出来事を明かしてくれた。

【写真】2週間で10kg減量、丸刈りで挑んだ中島健人 『ラーゲリより愛を込めて』場面カット

■「今までの映画ではやったことのないような立ち位置でした」

日本映画界の中心的存在でもあり、数々の名作を残している瀬々監督とご一緒したいと昔から思っていました」。中島は、本作への出演を「自分自身の日本映画界への扉がやっと開けたような感覚」と語る。

新谷を演じるにあたって、瀬々監督から伝えられたのは「新谷はこの映画の希望の光」という言葉だった。作品タイトルにある「ラーゲリ」とは、二宮和也演じる主人公の山本幡男をはじめ、日本人を抑留するシベリアの強制収容所のこと。極寒のシベリアで強制労働を強いられる山本らのもとに犬を連れて笑顔で現れる新谷は、まさしく“希望の光”だ。

中島は撮影を振り返り、「僕が今までの映画ではやったことのないような立ち位置でした。これまでの作品では中心的役割をさせていただくことが多かったので『挑戦だな』と。“希望の光”になれるように頑張りました」と口にした。

また、新谷との共通点を聞かれると、「新谷とはあまり共通点を感じないんですよね。犬と仲良いくらいかな(笑)」と冗談めかしつつも、「新谷とアイドルとして生きる自分では、元気や希望をみんなに与える存在という意味で、同じなのかもしれない」と話した。

■名だたる俳優陣との共演

事務所の先輩であり、俳優としても唯一無二の存在感を確立する主演の二宮を筆頭に、共演者はそうそうたるメンツだ。中島自身、11月に開催された本作の完成披露舞台あいさつキャスト陣を“俳優界のアベンジャーズ”と表現していた。

「僕にとって、二宮くんも松坂桃李さんも、桐谷健太さんも安田顕さんも、ずっと共演してみたいと思っていた方々ばかりでした」と語る中島は、二宮との共演について「まずジャニーズの先輩と共演すること自体が新鮮でした。東山紀之さんとドラマで共演したことはあるんですけど、14年くらいジャニーズで活動する中で、そもそも僕は先輩と共演する機会が多くないんです」と振り返る。

また、松坂桃李とは共通の趣味で意気投合したそうで、「桃李さんは僕と同じ1匹狼タイプな印象があったんですが、カードゲームが趣味という点で共鳴しました(笑)。話をしているうちに、桃李さんは無意識に僕のことを『ケンティー』と呼んでくださる瞬間もあって」と笑顔に。

「愛称って自然に呼ばれるものだと思うし、自分で『こうやって呼んでください』と言うのなんて恥ずかしいじゃないですか。僕はずっと“桃李さん”と呼んでいたので、ふと桃李さんが『ケンティー』と呼んでくれた時は、なんだか報われたような気持ちで、うれしかったです。撮影後は桃李さんの部屋にお邪魔して、2人でカードゲームやお芝居の話をずっとしていました(笑)。こんな若像をお疲れのなか自分の部屋に迎え入れてくれた桃李さんの懐の深さには感謝ですね」。

■“丸刈り”や“ふんどしアイドルとして挑戦的な姿

本作では“丸刈り”や“ふんどし”といった、アイドルとしては挑戦的な姿も見せた上、極寒の地の抑留者という役柄にリアリティーを持たせるための大幅な減量にも臨んだという。

「僕は不器用タイプなので、全力でやるしかなかったんです。体重も2週間で10kgと大胆に落としたし、丸刈りも人生で初めてでしたが、覚悟を決めました」。

中島は俳優であると同時にアイドルだ。ウィッグを用いて丸刈り姿を演じる選択肢もあったが、“全力”の中島にためらいはなかった。

20代もあと2年くらいということもあって、いろんな自分を見てもらいたいなという思いもありました。それに、出会った作品にはちゃんと敬意を払いたいなと思ったんです。丸刈りは全く怖くなかったし、鏡を見た時にも『意外といいじゃん』と思いました(笑)」。

■「25歳が自分の中でターニングポイントでした」

14歳ジャニーズ事務所に入所した中島も、現在28歳。30代を前に、役者として成長の実感を聞くと、「以前の自分とはかなり違うと思います。僕は25歳が自分の中でターニングポイントでした。25歳って、すごく人生のことを考える時期だと思うんです」と答える。

中島の所属するジャニーズ事務所には、才能あふれる人物が数多く存在する。非凡な集団の中でも輝きを放つため、彼はあらゆる分野で幅広く活躍することよりも、あえて“特化型”で生きていくことを選んだ。

「僕が25歳の時、ジャニーさんのお別れ会で『ジャニーズってものすごく人が多いな』って思ったんですよ(笑)。『これだけ多くのジャニーズの中にチャンスが1つあっても、俺のところには来ないよな』って。分母がこんなにあっても分子は1なので、自分はなにかに特化してチャンスをつかんでいかないといけない。ジャニーさんがそういうヒントをくれた気もしました」。

中島が25歳になった2019年は、恩師・ジャニ―喜多川さんがこの世を去った年であるとともに、中島の俳優人生においても特別な年であったという。

ここさけ”(『心が叫びたがってるんだ。』[2017])、“みせコド”(『未成年だけどコドモじゃない』[2017])、『ニセコイ』(2018)の映画3作品の出演を振り返り、「2017年2018年のこの3作品は本当に印象的。作品への取り組み方をはじめ、さまざまなことを学びました」と告白。

「翌年の2019年は映画作品に1つも携われなかった年だったので、『変わらないといけない』『数多くジャニーズがいる中で特化しないといけない』と判断しました。それまではバランスよく生きてきたつもりでしたが、『アンバランスに生きたい』と思ったんです。その方が自分の強みを伸ばすことができるし、個性をもっと磨けるんじゃないかなって。それで、映画やドラマといった映像作品や、作曲などのクリエイティブに振り切る選択をしました」と自身の転換期となった2019年を振り返った。

事務所の先輩である岡田准一の言葉に背中を押されたのも、そんなタイミングだったという。

「『30代の生き方を考えた方がいい。俺は23歳の時にそれを考えていた』という岡田さんのアドバイスはすごく効いています。(話を聞いた時)僕は25歳でしたが、『やるしかない』と思いました。岡田さんの言葉はずっと胸に残っています」と精悍(せいかん)な顔つきで語りながら、インタビューの最後には、「岡田さんとはよくメールもするんですが、すてきな言葉がたくさん返ってくるんです。そして絵文字が全部かわいい」とオチをつけ、和ませることも忘れなかった。

30代の人生を考え、“特化型”で生きていく選択をした中島。今後、俳優としてどのような作品に出演し、新たな一面を見せてくれるのか、活躍が楽しみだ。(取材・文・写真:山田健史)

映画『ラーゲリより愛を込めて』は公開中。

中島健人(Sexy Zone)  クランクイン! 写真:山田健史

(出典 news.nicovideo.jp)

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