“酸素カプセル”には何の効果もなかった…医師は「呼吸以上に酸素を摂取しても特にいいことはない」 | ニコニコニュース
新型コロナウイルスの流行で、改めて「健康」が問い直されている。しかし、あなたが“体にいい”と思っていることが、まったくのウソだったとしたら……。SNS時代にはびこる健康法、ダイエット、治療に関して名医たちが「〇」「△」「×」で判定。真実を知り、本当の健康を手に入れるのだ!
◆【判定①水素吸入療法】水素をいくら吸っても健康にはならない
今や業務用だけでなく家庭用も目にする水素吸入器。内科医の大脇幸志郎氏は、過去には医師も注目していた事実を認めたうえで、「水素で健康になることはない」と否定する。
「抗酸化って言葉自体が死語だと思います。サプリが害になるとのデータも」
今年3月には慶應大医学部で水素吸入に救命効果があるとの臨床試験結果が発表されたものの、内科医の名取宏氏は警鐘を鳴らす。
「健康な人が水素を吸っていいかは別問題です」
◆水素には抗酸化作用があるという意見も…
しかし、商品紹介に「水素が老化の原因となる活性酸素を除去」との謳い文句が躍るように、アンチエイジングに詳しい医師の日比野佐和子氏は「水素には抗酸化作用があります」とその効果を肯定する。
評価も一枚岩ではないようだ。
医師の判定は…
大脇幸志郎氏 ⇒ ×
名取宏氏 ⇒ ×
日比野佐和子氏⇒ ◯
◆【判定②酸素カプセル】呼吸以上に酸素を摂取しても特に意味はなし
「別に呼吸以上に酸素を摂取しても特にいいことはありませんよ。アスリートでやっている人がいるとか聞きますが、本当にパフォーマンスを上げるのであればみんな取り入れると思いますし」(名取氏)
◆好きな人ならやってもいい
家庭用酸素発生器も同様に効果は期待できない。
「酸素は多いと逆に毒なので健康被害も考えられますが、持病がない人なら家庭用酸素発生器の間違った使い方をしたところで、害はほとんどないでしょう。好きな人はやってもいいんじゃないですか」(大脇氏)
医師の判定は…
大脇幸志郎氏 ⇒ ×
名取宏氏 ⇒ ×
日比野佐和子氏⇒ △
◆【判定③EMS(微弱電流) マシン】微弱電流では、筋肉の内側には何も届かない
昔からよく見かけるEMS(微弱電流)を使った健康器具。筋肉への刺激がダイエットに効きそうだが、現実は甘くはない。
日比野氏は「表層の筋肉だけだから意味はない」と語り、名取氏も「リハビリのとっかかりとして微弱電流を流すといいのではという研究はあったものの、健康な人への効果は確認できませんでした」と指摘する。
◆どのような効果があるのか説明がない商品も
確かに、具体的にどう効果があるのか説明がない商品も多いように感じる。
「論文は数多くありますが家庭用のレベルでは難しい。検査値が書いてあっても得たい効果を証明しているとは限りません」(大脇氏)
医師の判定は…
大脇幸志郎氏 ⇒ ×
名取宏氏 ⇒ ×
日比野佐和子氏⇒ ×
◆判定した医師のプロフィール
【内科医・名取 宏氏】
NATROMというハンドルネームでインターネット上で健康情報を発信。著書に『医師が教える最善の健康法』(内外出版社)など
【内科医・大脇幸志郎氏】
出版社勤務や医療情報サイト運営を経て医師になった異色の経歴。著書に『医者にまかせてはいけない』(エクスナレッジ)など
【日本抗加齢医学会専門医・日比野佐和子氏】
プラセンタ療法を含む再生医療のパイオニア。現在はアンチエイジング医療の第一人者として、国内外で幅広く活躍している