役所広司“ベキ”は息子・堺雅人“乃木”の行動を全てお見通しだった「よくやった。憂助、お前は私の誇りだ」<VIVANT最終回> | ニコニコニュース
堺雅人主演の日曜劇場「VIVANT」(毎週日曜夜9:00-10:07、TBS系)の第10話「最終回!愛を探す冒険の果てに待ち受けるのは」が、9月17日に放送された。敵か味方か、味方か敵か。予想もつかない壮大な物語がついに完結。(以下、ネタバレを含みます)
【写真】乃木に新たな任務がくだされた…ここからまた新しい物語が始まる予感
同ドラマは、福澤克雄氏が原作・演出を手掛ける、完全オリジナルの“アドベンチャードラマ”。主演を務める堺の他に、役所広司、阿部寛、二階堂ふみ、二宮和也、松坂桃李といった“全員主役級”の主要キャストが出演。
また、林遣都が乃木憂助(堺)の父、ノゴーン・ベキこと乃木卓の若い頃を演じているほか、竜星涼、迫田孝也、高梨臨、檀れい、濱田岳、坂東彌十郎、小日向文世、キムラ緑子や、映画「スパイダーマン」シリーズで知られるハリウッド俳優のMartin Starr(マーティン・スター)といったキャストが集結している。
■乃木「私は、別班の任務としてここに来ました」
縛られ、吊るされた乃木は「私は、別班の任務としてここに来ました」と打ち明けた。ノコル(二宮)は怒りを露わにするが、ベキ(役所)はそのことは分かっていた。ベキが日本の脅威になるテロの首謀者なら、父親であろうと排除する予定だった乃木。しかし、テントの目的がテロではなく、孤児たちを救うことだということが分かり、フローライトの採掘にも協力することにした。
一方、ベキは乃木に撃たれた別班の4人の消息を突き止め、生きていることを確認。別班としての任務を遂行するため、味方もあざむいたということにも気付いていた。簡単に仲間を裏切る人間であれば、息子であろうと生かしてはおかなかっただろう。
もう一つ、乃木の中に大きな賭けがあった。入院中のジャミーンがベキのことを知っていて、写真を見ながら「すごく優しい人。お父さんみたいな人」と乃木に伝えていた。ジャミーンは善悪を見抜く力がある。乃木は別班・司令の櫻井(キムラ)に伝え、公安・野崎(阿部)にいくつかのサインを送った。
■あなたは“鶏群の一鶴(けいぐんのいっかく)”。眼光紙背に徹す
野崎は乃木からのサインを読み解き、撃たれた別班の4人がいる場所に辿り着き、さらに生きていることが分かった4人を亡くなったかのように見せるため、棺に入れることを提案した。
飛行機の中で乃木は野崎に「あなたは“鶏群の一鶴(けいぐんのいっかく)”。眼光紙背に徹す」と言った。それは「あなたは優れた人。背後にある深い意味を読み取る」という意味になる。さらに、飛行機を降りた後、別れる前に、「これからスネイプ社との商談があるので」と言ったのを思い出し、「ハリー・ポッター」好きの野崎は「スネイプ先生は裏切り者に見えて、敵に潜入していた偉大な先生」と、乃木の言葉を理解し、棺の提案に至った。
ベキは、乃木が別班の任務としてやってきたことを知りながら、そのままにしておいた。黒須(松坂)はどんなことをされても仲間を裏切ったりしなかった。乃木も黒須も、死を覚悟して日本を守るために任務を全うしようとしている。それが分かり、「生かす価値がある」とベキは思ったという。
■ベキ「よくやった。憂助、お前は私の誇りだ」
バルカ共和国の政府にフローライトの情報を流した内通者がいる。フローライトの採掘事業がうまくいかなければテントの目的は達成できない。バルカ側は外務大臣が日本大使を同席させ、採掘の主導権を握ろうとするが、乃木はベキの身柄を公安に引き渡すことを条件に、野崎と手を組んだ。
結果的に、フローライトの採掘はノコルの会社が行うことに。そして、ベキは日本に送られるが、日本にいるモニターの手引きによって脱走。ベキが向かったのは、当時の公安の直属の上司で現在は内閣官房副長官を務める上原(橋爪功)の邸宅。そして、ベキを手引きしたモニターは、なんと公安の新庄(竜星)だった。
上原が、ベキたちを置き去りにし、見捨てた張本人。積年の恨みを晴らそうとするベキの思いを乃木は理解しながらも、「日本の重積を担う方を殺させはしない。母もこんなことは望んではいないはず。復讐は何も生まない」と言ってベキを撃った。
撃たれたベキは「よくやった。憂助、お前は私の誇りだ」と乃木に言った。実は、ベキの銃には弾は入っていなかった。こうなることもベキは全てお見通しだったということ。
「大義のため、父親の命より国を守ることを優先する。憂助が私を殺すなら日本もまだまだ見どころがあるものだ。憂助に止められるなら、明美も許してくれるだろう」と、バルカを出る前にベキはノコルに話していた。乃木からの電話を受けたノコルは「お父さんは憂助に撃たれて幸せだったはずだ。ありがとう。兄さん」と伝え、「墓はバルカに立たせてほしい」というお願いには「花を手向けるのはまだ先にするよ」と乃木は返した。
公安は、上原の邸宅でベキたちが無理心中し、家を燃やして焼死したということにした。壮大な物語は完結したが、果たしてベキは本当に亡くなったのか。乃木の射撃の腕なら、別班の仲間を撃った時のように生かすこともできたはず。「VIVANT」というフランス語には“生きている”という意味もあり、最後のシーンで乃木に新たな指令がくだった様子が映し出されたりしたので、SNSでは続編を望む声が多く見られた。