人生で一番の無駄遣いでした…月収53万円・30代勝ち組サラリーマン「8,000万円の新築マイホーム」に後悔する理由 | ニコニコニュース
人生の三大支出といえば、保険、子どもの教育費、そしてマイホーム。なかでも住宅は、人生史上最も高い買い物だといえるでしょう。そこにはたくさんの幸せが詰まっていて……しかし、そんなマイホームを「人生史上最大の無駄遣いだった」という人も。みていきましょう。
人生で一番高い買い物「マイホーム」…購入者の半数は「ローン返済が苦しいです」
不動産経済研究所がまとめた『首都圏新築分譲マンション市場動向2023年8月』によると、首都圏の新築マンション一戸当たりの平均価格は7,195万円。前年同月比で1,093万円の上昇となり、平均価格、平米単価ともに6ヵ月連続のアップとなりました。
全国に目を向け、『全国新築分譲マンション市場動向2022年』によると、平均価格は5,121万円で1㎡当り単価は79.3万円。平均価格は6年連続、平米単価は10年連続の上昇となっています。
首都圏はもはや、高所得者でないと家が買えないレベル、全国でも一般庶民ではとても買えないなどと揶揄される新築マンション。実際にどのような人が買っているのか、国土交通省『令和4年度住宅市場動向調査』で紐解いていきましょう。
まずは購入者(世帯主)の平均年齢は平均39.9歳。「20代」が全体の9.0%、「30代」が45.2%、「40代」が28.1%、「50代」が9.5%、「60代以上」が5.2%。「30代でマンションを買いました!」という人が圧倒的に多いようです。また購入者の職業は、「会社員」が46.2%、「会社役員」が25.7%、「自営業」が11.5%、「公務員」が8.0%。「年金受給者」も2.8%います。
次に世帯年収をみていくと、平均923万円でボリュームゾーンは「600万~800万円」で27.6%。購入者の年齢でみていくと、「20~30代」が775万円、「40代」が832万円、「50代」が1,048万円、「60代以上」が985万円です。
気になる“お金”についてみていくと、「購入代金」は5,048万円。そのうち「頭金」は1,438万円と物件の3割弱を用意。「借入金」は3,610万円、「平均返済期間」は29.7年。「年間返済額」は148.1万円、月々12万円程度の返済、収入に占める年間の返済額の割合である「返済負担率」は17.4%でした。
このようなマネープランに対して、「負担感がある(「非常に負担感がある」と「少し負担感がある」の合計)」と回答したのは、51.2%。新築マンション購入者の過半数が、多かれ少なかれ、重荷になっているようです。
人生一番の買い物が一番無駄だった…30代サラリーマンの告白
ローン負担を考える際の目安となるのが、前出の返済負担率。20~25%が理想で、年収400万円以上であれば、35%が上限というのが通説。この場合の年収は世帯年収で語ることが多いようです、その場合の年収負担率20~25%というのは、結構、家計はツライという専門家も。
そこで世帯主の収入だけで返済負担率17.4%を実現しようと考えると、返還返済額148.1万円から逆算すると年収854.5万円となり、賞与が平均4ヵ月から鑑みると月収53万円のサラリーマンとなります。
厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、30代後半サラリーマン(正社員)の平均給与は34.1万円、中央値は31.3万円です。年収53万円に達する30代後半のサラリーマンは、全体の5.5〜8.7%とかなりの少数派。余裕のあるローン返済を実現できるのは、限られた勝ち組しかいない、ということのようです。
そんな勝ち組サラリーマンですが「人生で一番無駄な買い物」として「8,000万円で買った新築マンション」と挙げた30代のサラリーマン。夢のマイホームを「無駄」と切り捨てるのは、なぜなのでしょうか。
話は単純なことで、せっかく買った新築マンションに1年も住んでいなかった、というのです。その理由は「離婚」。マンション購入後すぐに、夫婦仲が険悪となり、半年の別居の末、別れたといいます。出ていった奥さんに至っては、半年も住んでいないことになります。
幸い、マンションは売却し、収支はトントン。財産分与などややこしいことなく別れることができたとホッと胸を撫でおろしています。
離婚時、住宅ローンが残っているということはよくある話。売却して収支がプラスになるアンダーローンなのであれば、財産分与して終了。売却しても収支がマイナスとなるオーバーローンの場合、住み続けるというのが一般的。このとき実際に住む人とローンの名義が誰なのかが問題で、よくあるのが返済義務は夫で妻が住み続けるというケース。夫がローン返済と自身が住む住まいの家賃と、2重の住居費を払う場合、想像以上に家計は圧迫。ローンの返済が滞り、最悪、マンションは差し押さえになることも考えられます。
住宅ローンが残った状態での離婚は、財産分与などややこしいことになりがち。最良な形で終わらせられるよう、専門家のアドバイスももらいながら進めることが重要です。