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「なぜ日本人は部屋を片付けられないのか」。一級建築士が指摘する“明確な理由”

「なぜ日本人は部屋を片付けられないのか」。一級建築士が指摘する“明確な理由”――大反響トップ10 | ニコニコニュース

反響の大きかった2023年の記事からジャンル別にトップ10を発表してきた。今回のジャンル分けには当てはまらなかったけど、まだまだある大人気だった記事を紹介する!(集計期間は2023年1月~10月まで。初公開2023年6月2日 記事は取材時の状況)
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 こんにちは、一級建築士の八納啓創と申します。会社員の方から上場企業の経営者宅まで、住む人が幸せになる家をテーマにこれまで120件の家づくりの設計に携わってきました。

『日刊SPA!』では、これまでの経験を生かし、「これからの時代に必要な住まいの姿」をテーマにお伝えしていきます。今回お伝えするのは「多くの日本人が片付けられない理由」についてです

◆「家自体に問題がある」ワケではない

 ウィズコロナになった今、改めてこの3年間を振り返ると「家が快適でよかった」、もしくは「家がまるで牢獄のようできつかった」など、住まいに対する意識が高まった印象があります。

 ただ、どちらかというと前者のように感じる人よりも、後者のように住まいに対してストレスを感じる人が多そうです。

 その大きな原因が「散らかった家で過ごすこと」ではないでしょうか。実は、日本は他の先進国に比べて、片付け下手の人が圧倒的に多く、これには明確な理由があります。

 多くの人は「日本は家が小さいから仕方がない」「日本の家の間取りが和室があるなど他の先進国に比べて特殊な間取りだからでは?」といったように、「家自体に問題がある」と思っているかもしれません。しかし、実際は間取りなどが原因ではないのです。

日本人の多くが片付けられない理由

 なぜ多くの日本人が片付け下手なのでしょうか? 大きく分けてふたつ理由があります。

 一つ目は、「子供のころに片付けることを教えてもらわなかった」から。

 例えば他の先進国は、幼少期のころから子供部屋を使って、部屋の片づけを学ばせる文化があります。おもちゃ箱の周りのスペースを整理整頓するところからスタートし、子供部屋を与えられた時点で、部屋を整理整頓することを学んでいきます。

 家庭によっては、片付けられない日々が続いた場合、罰として部屋を没収したりする……。そういう経験を経ているからこそ、整理整頓が身についていくのです。

◆“絶対にやってはいけないこと”が定着している

 対して、日本では、“絶対にやってはいけないこと”が定着しています。それは、「親が子供の部屋を掃除する」ということ。これにより、子供が自ら片付けるスキルを積む機会が奪われてしまいます。

 少し大げさに聞こえるかも知れないが、小さなころから「自分のことは自分でする」というライフスタイルを定着させていかないと、このような状態に陥ってしまいますう。

日本人は「ものが多すぎる」

 そしてもう一つは、「他の先進国に比べて物が圧倒的に多い」ということ。各国の一般住宅で「どれくらい荷物があるか」が一目瞭然で分かる『地球家族』(TOTO出版)という書籍があります。

 この書籍によると、家の前にすべての荷物を並べた際の総量は日本が圧倒的に多いのです。結局のところ、日本人が片付けられない理由としては、「荷物の量が多すぎて納まらない」からなのです。

 片付けの基本は、所有する荷物の量をコントロールしながら、適材適所にものを収納することに終始します。先述したように、日本人はどちらの経験も不足している傾向があります。

 ここからは、部屋が散らかりがちな人に向け、片づけられるようになるメソッドを紹介していきます。

◆ステップ1:片付けられなかった自分を「まずは許す」

 ほとんどの人が「片付けられない自分=ダメな自分」と考えがちですが、多くの日本人が片付けられない背景には、理由があることが把握できたはずです。

 そこでまず「片付けられなかったのは自分のせいじゃない、学んでこなかったからだ」と許してあげましょう。これでスタートラインに立てるはずですだ。

◆ステップ2:物の量を把握する

 例えばダイエットをするときも、現在の体重を図りつつ減量に取り組むことが重要ですよね。一方で、「家の中にある物がどれくらいの量か?」を把握してから、片付けに臨む人はあまり多くなさそうです。

 お金持ちの人になるほど物が少ない傾向があります。一説によると、お金持ちの持ち物が7,000個くらいなのに対して、一般の人は20,000個と言われるほど。

 ここで分かるのは、物の量を半分~1/3程までに減らすことが重要だということ。

「家の物の量を半分に減らす? そんなこと出来っこない!」と衝撃を受ける人もいるかと思います。まずは、「同じものが2つあれば、1つに減らす」というイメージを持つことから始めていきましょう。

◆ステップ3:しまう場所を住む人みんなで共有する

「これをどこに片付ければいいか分からない」というのも、片付けられない原因の一つ。それによって、収納場所がぐちゃぐちゃになるケースが多いと思います。

 そこでおすすめしたいのが、引き出しやラックといった収納場所にテプラなどで作った名札をつけるという方法。

 ここの引き出しは一般文具、こちらの引き出しはレター関係……としていけば収納場所が混乱しなくなるはずです。

◆ステップ4:片付けの基本的な流れを把握する

 片付けには基本的な流れがあります。例えば、引き出しの中を片づける際に、まずやることは、中身を一度全部外に出すこと。

 次に、必要なものとそうでないものに分類するのです。物を半分から1/3程度に減らすのであれば、この時点で半分以上不要なものが出てくるイメージです。

 最後に必要なものだけを引き出しに戻し、不要なものは感謝して手放す。それ以外のものは保留用の段ボールを用意してそこに移しておきましょう。

 段ボールに入れて、1か月間使わなかったものは、そのまま感謝して手放すことにすれば、劇的に物を減らせます。

◆ステップ5:「1日10分掃除」する習慣を身につけよう

 片付けの苦手な人は、年に数回大掃除をしてくたくたになった結果、「掃除=非常に大きなストレス」という状況に陥ってしまいます。それを解消するのが、「1日10分掃除」という方法です。

 これは著者が運営しているYouTube『幸運すまいチャンネル』で提唱したもので、片付け下手の多くの人が、家を片付けられるようになりました。

 方法はシンプルで、「1日10分以上掃除しなくていい」というものです。ただ、毎日10分程度場所を決め、ステップ2で伝えた方法で片付けるということをやり続けるのです。「今日は冷蔵庫の中の上の段、明日は下の段」という感じで進めるのがポイントです。

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 ステップ1~5を意識して、順番に取り組んでいけば必ず片付けられるようになります。焦らず1日10分だけ時間を作り、ストレスのない範囲で実践してみてください。

TEXT/一級建築士 八納啓創>

【八納啓創】
1970年神戸市生まれ。一級建築士、株式会社G proportion アーキテクツ代表取締役。「地球と人にやさしい建築を世界に」をテーマに、デザイン性、機能性、省エネ性や空間が人に与える心理的影響をまとめた空間心理学を組み込みながら設計活動を行っている。これまで120件の家や幼保園、福祉施設などの設計に携わってきた。クライアントには、上場会社の経営者やベストセラー作家をはじめ「住む人が幸せになる家」のコンセプトに共感する人が集い、全国で家づくりを展開中

画像はイメージです

(出典 news.nicovideo.jp)

BCTA

BCTA

掃除機は充電型で+汎用フィルターパック使用モデルを選ぶべし、掃除機の掃除に時間かかるとテンション落ちます、受験生にアドバイスだ

ゲスト

ゲスト

必要なものとそうでないものに分類するのです。 ←この時点で結局「必要なもの」の方にほとんどが分類されてしまうので片づけられない俺()

ミリクジラ2

ミリクジラ2

たった120件の家屋や施設を設計をしただけで、「日本人の多くが部屋を片付けられない」と言い切るなんて、さすが一級建築士は違うなあ....。

なかじま

なかじま

捨ててはいけないものを除いて直近3〜5年で使うか使わないかって基準で選ぶとモノは大体整理できる(なおやる気が無いのであまり掃除はできない)

syo01

syo01

そんなに高度な整理をしなくても「何でも入れ」〜「その属性の物を何でも入れ」ぐらいにして物を散らさない習慣と探す範囲を狭めれる状態を得られれば十分だと思う

雷漸

雷漸

物を大切にしすぎるんだよなぁ。必要/不必要じゃなく「備えあればうれしい」理論で生きてるから何見ても「必要なもの」と判断してその結果物が増える。で部屋がごちゃごちゃになって片づけ面倒ってなる。

kbn

kbn

部品取り用のジャンク品とかあるじゃん、捨てられないじゃん。気が付いたら廃盤とかもあるじゃん、ある内にストックしたいじゃん。無理だよ。

ゲスト

ゲスト

実際は間取りなどが原因ではないのです< 結局まず収納から全部出していらないもの捨てて半分以下にしろって、それは要するに家が狭すぎて収納が足りないってことだから間取りが問題ってことだろ

000

000

前提条件の「日本は他の先進国に比べて、片付け下手の人が圧倒的に多く」の根拠は?

NO EMPTY

NO EMPTY

"日本人"と一括りにするな

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