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清掃業者によって世界初のマイクロコンピュータ「Q1」が発見される!

清掃業者によって世界初のマイクロコンピュータ「Q1」が発見される | ニコニコニュース

現代普及しているデスクトップPC、ノートPCタブレットPC、スマホなどをさかのぼると、数十年も昔の「原型」にたどり着きます。

そんな原型の1つであるコンピュータQ1」は、諸説あるものの、1972年12月に販売された「世界初のマイクロコンピュータ」と呼ばれています。

最近、そんな幻のマイクロコンピュータが、清掃業者によってロンドンのある家屋から発見されました。

発見された「Q1」2台は、イギリスのキングストン大学(Kingston University)が2月に開いた特別展示会にて公開されました。

目次

世界初のマイクロコンピュータ「Q1」

1957年のNACAでのIBM 704メインフレーム
1957年NACAでのIBM 704メインフレーム / Credit:Wikipedia Commons_IBM 700/7000 series

1960年代や1970年代、当時コンピュータといえば、研究室や企業が所有する巨大な装置でした。

メインフレーム」「ミニコンピュータ」という名称のそれらコンピュータは、一室を占有したり、壁一面にそびえ立っていたりするような代物だったのです。

当然、それら巨大なコンピュータは非常に高価であり、個人が所有することはありませんでした。

しかしこの時期には、マイクロプロセッサ(演算・制御などの機能を1つの半導体チップに集積したもの)も開発され、大きな変化が生じることになりました。

マイクロプロセッサ「Intel 8008」
マイクロプロセッサ「Intel 8008」 / Credit:Wikipedia Commons_Intel 8008

CPUとしてマイクロプロセッサを使用したコンピュータである「マイクロコンピュータ」が登場することになったのです。

このマイクロコンピュータは、当時の巨大なコンピュータと比べるとスペックがはるかに劣るものの、物理的にコンパクトでした。

ちなみに、世界初のマイクロプロセッサは、「Intel 4004であり、日本のビジコン社とアメリカのインテルの共同開発により、1971年に出荷されています。

そして1972年には、同じく初期のマイクロプロセッサの1つであるIntel 8008が開発製造されました。

Altair 8800
Altair 8800 / Credit:Wikipedia Commons_Altair 8800

このIntel 8008をCPUに使ったマイクロコンピュータAltair8800」は、1974年12月に販売されており、一般消費者向けに販売された初期の個人用コンピュータとして多くの人に知られるようになりました。

では、Altair8800が世界初のマイクロコンピュータだったのでしょうか。

そうではないようです。

Q1
Q1 / Credit:VintageQuestions(YouTube)_Q1 Computer First Microcomputer(2023)

アメリカの「Q1 Corporation」社は、マイクロプロセッサ「Intel 8008」がリリースされてからわずか8カ月後の1972年12月に、Intel 8008を搭載したマイクロコンピュータ「Q1」を販売したのです。

当時のマイクロコンピュータには無名のものも数多く存在し、様々な主張が飛び交っています。

そのため諸説あるものの、このQ1は、「世界初のマイクロコンピュータ」と呼ばれることがあります。

清掃業者が希少なコンピュータ「Q1」をロンドンの家屋で発見する

スクリーンとキーボードを装備した「Q1」
スクリーンとキーボードを装備した「Q1」 / Credit:VintageQuestions(YouTube)_Q1 Computer First Microcomputer(2023)

1972年に販売されたマイクロコンピュータ「Q1」は、スクリーンとキーボードが装備されたスタンドアローンのコンピュータであり、そのスタイルは、現代のPCとさほど変わりません。

メモリはわずか16KB、最大クロックは800kHzであり、そのパフォーマンスは現代のPCと比べるとはるかに小さいものでした。

そしてこれを開発したQ1 Corporation1974年に買収されており、Q1の存在を知っている人はあまり多くありません。

特にイギリスにはアメリカから数台しか輸入されておらずイギリスにおいてQ1は「無名なマシン」の1つでした。

だからこそ、2024年2月14~17日に一般公開されたキングストン大学の展示会「Creating the Everything Device」で、最古のマイクロコンピュータQ1が2台展示されたことは、その存在を知る数少ない人々にとって衝撃的でした。

しかも、この貴重なマシンは、清掃業者によって発見されたというから驚きです。

ロンドンの清掃・廃棄物処理の会社「ジャストクリア」のスタッフが、ロンドンのある家屋を片付けていたところ、積み上げられた古い箱の中から、2台のQ1を発見したのです。

今回の展示会に関わるコンピュータの専門家ポール・ニーブ氏は、これら初期のマイクロコンピュータを開発したQ1 Corporationや他の会社の名を挙げ、「それらが無ければPCもMacも、Appleも、Androidスマートフォンも存在しなかったでしょう」と述べています。

確かに、その後のコンピュータ技術の進展は凄まじいものでした。

特にコンピュータの小型化によって、その進展は私たちの目に明らかになってきました。

1980年代には、「個人で使用するコンピュータ」という意味が込められた「パーソナルコンピュータ(PC)」の名称が一般化し、オフィスや個人で広く用いられるようになりました。

Q1やその他の初期のマイクロコンピュータが無ければ、現代に普及しているデバイスは存在しなかったかも
Q1やその他の初期のマイクロコンピュータが無ければ、現代に普及しているデバイスは存在しなかったかも / Credit:Canva

そして1989年には、持ち運び可能なサイズのパソコン「ノートパソコン」が販売されるようになっています。

また2000年代には「タブレットPC」が誕生。

さらに、PC並みの機能を持たせた携帯電話である「スマートフォン」は、iPhone(2007年発売)やAndroid端末(2008年発売)によって世界的に広く普及していきました。

現代では、さらにその先を進んでおり、コンピュータは私たちの生活に欠かせないものとなっています。

だからこそ、今のPCの原型となった「世界初のマイクロコンピュータ」は、私たちにとって興味深いものです。

そして今回の発見のように、まだ世界のどこかには、希少なマイクロコンピュータが眠ったままになっているかもしれません。

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参考文献

World’s first microcomputer goes on display alongside range of other vintage computers in public exhibition at Kingston University
https://www.kingston.ac.uk/news/article/2920/13-feb-2024-worlds-first-microcomputer-goes-on-display-alongside-range-of-other-vintage-computers-in-public-exhibition/

Q1
https://www.thebyteattic.com/p/q1.html

Priceless barn find: World’s first microcomputers discovered by cleaners
https://newatlas.com/computers/first-microcomputer-found/

ライター

大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。

編集者

海沼 賢: 以前はKAIN名義で記事投稿をしていましたが、現在はナゾロジーのディレクションを担当。大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。

清掃業者によって世界初のマイクロコンピュータ「Q1」が発見される

(出典 news.nicovideo.jp)

acony

acony

古い機械等を見つけたら報告するように言われていたのか、作業員に知識があったのかは分からないが、廃棄物処理場に直行しなくてよかった。

Donald J. Trump

Donald J. Trump

この清掃会社はゴミ収集車の回収員とかじゃなくて、日本で言う「遺品買い取ります」系の業者

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4キロバイトでも高い時代に16キロバイトも搭載? TinyBASICが現れる前にフルキーボード?? ちょっとよく解らない...

たけ

たけ

そういえばパソコンってパーソナルコンピューターの略称だったな、昔の映画で見る一室丸ごとはコンピュータか

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