暗号資産や投資、アフィリエイトなど、具体的な商品なしに「儲かる」と勧誘する、いわゆる“モノなしマルチ商法”。契約のきっかけは友人・知人からの誘いが多く、「人を紹介すれば報酬を得られる」「月に数十万円稼いでいる人もいる」など儲かることが強調される一方で、具体的な説明や書面などがないケースもあるという。
国民生活センターの調査によると、いま若者の間で被害が増加しているという。『ABEMAヒルズ』ではやさしいお金の専門家・横川楓氏に話を聞いた。
■モノなしマルチ、なぜ若者の間で流行?
――相談が多く寄せられている“モノなしマルチ商法”。被害が増加する理由は?
「稼いでいます」という方がSNSで可視化されることで、若者が飛びついてしまっている現状がある。フォロワーが多いだけで、発信している情報が安全だと思ってしまう人も多いと思うが、“この人は本当に安全かどうか”を見抜くスキルも求められている。そんないい儲け話はまずないし、顔や会社など身元がはっきりしないものは怪しいと思うべきだ。
また、電子マネーなどで送金ができるようになっている。個人情報を伝えずともアプリ上でお金の送り合いができてしまうので、こうした気軽さも原因の1つではないか。
――学校や職場などの知人からの勧誘も多いということだが。
投資話などもそうだが、基本的に“個人を介して儲かる”ということはほぼ無い。若者はその感覚を身につける段階になく、引っかかってしまう状況なのではないか。
――若者への金融教育も時代の変化に合わせて必要になる?
SNSのスキルもだが、投資などの基本知識がないと個人にお金を預けることが危ないということに気づかない。さらに、万が一購入してしまって、「やっぱり返金してほしい」と思った時、消費者ホットラインや、消費生活センターなど、どこに相談するのかを把握しておくことも大切だ。
(『ABEMAヒルズ』より)