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LiLiCo(52)が明かした“母親との不仲”の裏に隠された真相とは?

「テレビで『母親と仲良くなれない』と話したらすごい反響で…」LiLiCo(52)が“母との不仲”を公表した本当の理由

「母が自殺してしまうんじゃないか」母子関係に悩み“芸能界引退危機”…LiLiCo(52)がブレイク前に抱えていた“闇” から続く

映画コメンテータータレントとして活躍するLiLiCoさん(52)。明るくてパワフルなキャラクターで、お茶の間の人気者だ。一方で、幼い頃から家族関係に悩み、母親との“不仲”も公表していた。

しかし、2012年に母親の死を経験したことで、心境に変化があったという。そんな彼女に、母親への思いや、家族関係に悩む読者へのメッセージを聞いた。(全3回の3回目/1回目から読む)

◆◆◆

母の真似をして42歳でフルマラソンに出場

――子どもの頃から家族関係に悩んでいたLiLiCoさんですが、お母様が亡くなり、お父様と再会し、新しいご家族ができたことで、しんどかった時期を抜けられたそうですね。

LiLiCoさん(以下、LiLiCo) 私、日本に来ている間に「どうして母はスウェーデンに行ったのか」というのをいろいろと考えていたんですよ。彼女が亡くなったときに「母の足跡を辿ってみよう」と思って、彼女が送ってきた生活の真似をしてみることにして。

お母さんは毎朝、どんなに雪が降ってもどんなに暑くてもベッドルームの窓を開けていたので、まずはそれをやってみようと。子どもの時は寒かったり暑かったりで嫌だったんだけれど、改めてやってみるとすごく爽やかさを感じて。

あと、母はマラソンをやっていたから私も高知でフルマラソンに出場してみたんです。ゴールしたときは、なんだか彼女の気持ち良さがわかった気がして、涙が止まらなくなっちゃって。そのとき、私はろくに練習もしてなかったし、42歳だったからゴールまですごく時間がかかっちゃったんだけど。

――お母さんが感じていた感覚を、五感で捉えなおしてみようとしたのですね。

LiLiCo そうそう。「あ、母ってこういうことを考えていたんだ」とか。でもよくよく考えたら、母は10キロくらいしか走っていなかったらしいんですよ。なんで私はフルマラソンに出ちゃったんだろうと思って(笑)

お父さんからも、私が知らなかったお母さんの話を聞く機会があって。スウェーデンではお葬式のあと、ケーキを食べてコーヒーを飲むんです。日本ではお寿司ビールだったりしますけど、あんな感じで。彼女のお葬式のあと、2人の出会いの話をしてくれて。

父親から自分の知らない母親の一面を聞いて驚いたこと

――それは素敵ですね。

LiLiCo 初めてデートをしたときに、お父さんお母さんのことをすごく素敵な人だと思ったそうで。「明日もデートしようね」と約束したら、次の日、顔がパンパンに腫れた状態でお母さんが現れて。どうやらバックパッカースウェーデンに行っていたから泊まる場所もなくて、公園のベンチで寝たらしいんだけれど、そうしたら顔の半分を蚊に刺されたらしくて(笑)

お父さんは彼女のことを「お母さんは、酔っ払うとテーブルの上で踊っていたりしたんだよ」とも言っていました。もうまったく、私の知らないお母さんがそこにいて驚きましたよね。「私、なんか血を受け継いでる」と思ったりもしたし(笑)

――今は、お母さんに対してどんな感情を持っているんでしょうか。

LiLiCo かつてあったヘイトみたいなものは、もうまったくないんです。お母さんが亡くなった時、悲しかったんですけど、あれだけ死にたいと言っていたから「お母さんは行きたいところに行けたの?」と聞いたんです。そうであればいいなと思って。

――LiLiCoさんは、どうしてご家族との関係性を公表されたのですか。

LiLiCo 誰かの救いになればいいなと思って、勇気を出してテレビで「母親と仲良くなれない」と話してみたら「私もお母さんと仲良くできないんです」という人からの反響がすごくあって。最初はやっぱり「あなたを産んだお母さんをそんな言い方するなんて」と言われることも多かったんですけど。

街で歩いていて声をかけられたり、トークショーの質問コーナーなんかでも「私もそうだったんです」という人が現れるようになって「言ってよかったな」と思いました。

――日本だと特に、家族の話ってしづらいですものね。

LiLiCo そうですね。実は、家族っていつからでもつくり直せるんですよ。そして、人生もつくり直せる。私の場合はスウェーデンで辛かったけれど、日本に来て、名前もLiLiCoに変わったし、こういうルックスになって、なりたい自分になったんですね。子どもの頃に夢見た自分になって。「LiLiCo」として生きていくうちに「LiLiCo」というハッピーキャラクターがどんどん本当の自分になっていく。

かつて、私は「子どもなんていらない」と思っていて、神様に「何があっても妊娠しないようにお願いします」とずっとお願いしていたんです。新しい命をこの世の中に送り出したくなくって。

でも今は、毎朝起きたら「やったー! チャンスがいっぱい転がっている!」と思うようになって。生きているのが楽しすぎて、死ぬ日のことを考えるだけで震えてくるくらい。なんとか200歳まで生きられないかなって(笑)

家族との縁は切れないが、会いたくないなら会う必要はない

――ネガティブだったLiLiCoさんが生まれ変わったんですね。

LiLiCo 実は「ハッピー」は自分の中にあるということに気付いたんですよね。日本では「何かいいことないかな」と待っている人が多いんですけど、スウェーデン人って結構みんな「ハッピーは自分次第、自分で探すもの」って感じなんです。考え方ひとつで変わるような気がするんですよ。

――ご家族との関係性に悩んでいる方は多いと思うのですが、そういう方になにかメッセージをいただけると嬉しいです。

LiLiCo 私、よく「家族と縁を切ったの?」と聞かれるんですけど、家族って縁が切れないものだと思うんです。家族だから。連絡は断つことができるかもしれないけれど。だからね、あんまりそこは固く考えすぎなくてもいいかなと思うんですよね。

でも「会いたくないな」と思ったら会う必要性はないと思います。自分の父親、母親であってもやっぱり個々の人間なので、考え方がまったく違ったり「もう嫌だ」と思うんだったら、自分の人生を生きていい。

辛い家族のことばかりを考えて人生を送るのはとってももったいないことに自分自身、気がつきました。だから実はここ数年、私は家族の話をしていないんですよ。どちらかというと、ハッピーをばらまきたいほうなので。

でも今回こういった取材の話をいただいて、いい機会だなとも思って。「今、私はお母さんのことをどう思っているんだろう」とお話しする機会といいますか、言葉にすることってなかなかないので。

特にこういう話って、誰も言う勇気がないじゃないですか。でも、家族との関係性が悪くて苦しんでいる人ってすごく多いのね。そういう状態を少しでも良くしたいから、誰かが発信しないとダメなんだと思います。

不幸に生きている人は「私と1週間暮らしていきなさい」

――「悩んでいたのは自分だけじゃなかったんだ」と思える経験は、すごく貴重だし人生において重要なものですよね。今日、LiLiCoさんのエネルギッシュさに、本当に元気をもらえました。

LiLiCo 本当? それはよかった。いつも不幸に生きている人はもう「私と1週間暮らしていきなさいよ」って思っちゃう。

誰かが私をみて元気になってくれるとしたら、それは私が本当に元気だからだと思うんですよ。

取ってつけたような元気が私はすごく苦手で。そういうのって、すぐにバレちゃうから。でも、日本って本当は元気な人がすごく多いと思うんですよ。

だからすっごく元気な人が1人いると、みんなが「ワーッ」となって付いていけるというか。それってすごくいいことだと思います。

自分で自分のハッピーを引き出せるようになって、特になんでもないことをたくさんしゃべって。無駄話って、実は一番ためになるものだから。

私がこういう話をすることで、誰かが救われたり「生きているのって楽しいんだよ」ということがもっともっと広まったらいいなと思います。

撮影=三宅史郎/文藝春秋

(吉川 ばんび)

映画コメンテーター、タレントとして活躍するLiLiCoさん ©三宅史郎/文藝春秋

(出典 news.nicovideo.jp)

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